(本リリースは、1月27日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)
SAP SE(NYSE:SAP)は、2021年12月31日に終了した第4四半期および通年の財務業績を発表しました。本資料は、SAP SEが発行している「2021 Q4 Quarterly Statement」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。
- クラウドおよびソフトウェアで見通しの最高値を上回る売上と営業利益を達成
- 「RISE with SAP」によりSAP S/4HANA® Cloudが大幅に成長
- 2022年度の見通しでは、クラウドの強力かつ加速的な成長を反映し、クラウド売上の目標を固定通貨換算ベースで26%増に設定
SAP CEO、クリスチャン・クライン(Christian Klein)は、次のように述べています。「SAPのクラウドの力強さは歴然としています。ビジネスの変革を後押しするとともに、回復力に優れたサプライチェーンを構築し、クラウドに移行して持続可能な企業へと変貌することを目指し、SAPを選択する企業がますます増えています。この勢いを反映して、SAPの代表的なクラウドサービスである「RISE with SAP」が大きな成功を収め、SAPのポートフォリオ全体が高い伸びを見せました。成長が加速しているため、この先にはさらに大きな可能性が広がっています」
SAP CFO、ルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。「我々のチームが想定を上回るほどの好調な業績を達成できたことを誇りに思います。クラウドの勢いを受けて3四半期連続でホームランを打った後に、今四半期も場外ホームランを打てました。第4四半期のカレント・クラウド・バックログは2022年度も継続すると確信を持っています。このことを反映し、中期的な目標に向けて大きな進捗を見せたことで、2022年度のクラウド計画を前倒ししました」
ビジネスアップデート
世界中の企業が、ビジネスのやり方を変革するためにデジタルテクノロジーとクラウドを採用しています。サプライチェーンの混乱から新しい規制による制限まで、今日の予測不可能な現実により、これまでにないほどの柔軟性と適応力が必要になっています。SAPはあらゆる規模、あらゆる業界、あらゆる地域のお客様のミッションクリティカルなプロセスに携わった経験を持っているため、他社にはない強みがあります。それこそが、さまざまな企業がビジネス変革を目指してSAPを採用している根本的な理由です。
SAPの強みと戦略の実行は、SAPのクラウドポートフォリオ全体にわたってお客様からの引き合いが好調だったことや、財務パフォーマンスが市場の予測を上回ったことなど、さまざまな面に表れています。
あらゆる規模のお客様で「RISE with SAP」の需要が好調だったことから、お客様の採用率が高くなりました。このサービスは、お客様のビジネスの変革とクラウドへの移行を支援するためのものです。また、お客様は世界最大のB2Bネットワークである我々の Business Networkからメリットも得られます。このネットワークは、より回復力のあるサプライチェーンを構築するのに役立ちます。
顧客満足度は、好調な更新率とともに、引き続き上昇しています。
SAPはこの好調な勢いが2022年通年にわたって継続すると確信しており、SAP S/4HANA® Cloudの強力な支持に後押しされて、クラウド売上の成長が加速すると見込んでいます。
ハイライト
2021年1月に順調なスタートを切った「RISE with SAP」は引き続き勢いを増しています。あらゆる事業規模の企業から強い引き合いがあり、当第4四半期中に650社を超えるお客様と成約に至りました。これでサービス開始以来の成約数は1,300を超えました。Adobe社、パナソニック株式会社、Mahindra & Mahindra社、Fresenius社、IBM社、Allianz Technology社、CVS社、Unipart Group社、サムスンSDS社、シーメンス社などの大手のお客様にこのサービスをお選びいただきました。さらに、フィリピン航空、Software AG社、Sabadell銀行、Amadeus社、スタンダードチャータード銀行、Fisker社、Europcar Mobility Group社、株式会社ブルボンにも契約いただきました。
当第4四半期にSAP S/4HANA®のお客様は約1,300社増加し、採用したお客様の総数は18,800社を超え、前年同期比18%増となりました。そのうち13,100社以上が本稼動させています。当第4四半期に新たにSAP S/4HANAを契約したお客様の約50%が新規のお客様です。
SignavioはSAPのBusiness Process Intelligence(BPI)セグメントの一員として引き続き目覚ましい業績を上げました。カレント・クラウド・バックログは通年で3桁の増加を見せました。SAPのBPIソリューションは、お客様がビジネス変革を進め、クラウドへの移行を加速させる上での鍵となるものです。当第4四半期中にPwC、HP社、Robert Bosch社、Carl Zeiss社、R. Twining社ほか多くのお客様にSAPのBPIソリューションをお選びいただきました。
SAPが提供するPaaSサービスであるSAP® Business Technology PlatformはIntelligent Enterpriseの基盤であり、SAPのポートフォリオ全体およびSAP以外のソリューションの統合と拡張のための単一のプラットフォームを提供し、データからインサイトを導き出します。カレント・クラウド・バックログは2021年度通年で2桁の大幅な増加を見せました。当第4四半期中にHenkel社、Schneider Electric社、Helaba社、Enel社などのお客様にこのサービスをお選びいただきました。
主要なお客様では、Petronas社、Goodyear社、株式会社日立ハイテク、Unilever社、Chobani社、Syngenta社、HABA Group社、MIGROS社、ALDI Nord社、Lumen社、Dr. Martens社、SCOTT Sports社、Computacenter社、A.S. Watson Group社などにSAPのソリューションポートフォリオをお選びいただきました。また、Compass Group社、Alfred Kärcher社、FMC社の各社が当第4四半期中にSAPソリューションの本稼動を開始しました。
1月27日、SAPは、運転資金管理ソリューションの大手プロバイダーであるTaulia社の株式の過半数を取得する意向を発表しました。これは、企業に対し、流動性の高い資産へのアクセスを容易にし、キャッシュフローを改善することを目指したものです。この買収により、SAPのBusiness Networkの能力がさらに拡張され、CFO向けSAPソリューションの強化につながるとSAPでは期待しています。この買収の完了時期は、通常のクロージングの諸手続きが完了した後の2022年3月となる見込みです。
1月25日、SAPは、人工知能(AI)を駆使して業界トップクラスの契約インテリジェンス機能を提供する、契約管理ソリューションのプロバイダーであるIcertis社との間で広範な提携関係を結び、同時に同社に投資することを発表しました。SAPはこの提携と投資がSAPのポートフォリオをシームレスに補完するものになると期待しています。
1月13日、SAPは、株式報酬制度に基づく将来の株式付与に備えて新たな自社株買いプログラムを発表しました。このプログラムでは、2022年2月1日から同年12月31日までの期間中に総額10億ユーロを上限に自社株式の購入を実施する予定です。
2021年12月初め、SAPは、インテリジェントマニュファクチャリングにフォーカスした中国では初めてとなるSAP.iOプログラムを立ち上げたことを発表しました。中国のスタートアップ企業5社がこの新しいSAP.iO Foundry Shanghaiのコホートに参加するメンバーとして選ばれています。
1月11日、SAPは、新しいオファリングのSAP® Cloud for Sustainable Enterprisesを発表しました。これは、企業が自社のサステナビリティに関するパフォーマンスを総合的に管理することを可能にする包括的なソリューションのポートフォリオです。これにより、企業はビジネス・プロセス・テクノロジーを駆使して自社の事業活動についてエンド・ツー・エンドでデータの特定、定量化および分析を行い、「グリーンライン」を管理することができます。さらにSAPは、当初の計画よりも20年間前倒しし、2030年に自社のバリューチェーン全体でネットゼロを実現することを約束すると発表しました。
また、SAPは、CDPのAリスト企業に選出されたほか、15年連続でS&Pダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)のソフトウェア業界のリーダーに認定されるなど、サステナビリティの分野で数々の実績を上げました。
財務パフォーマンス
2021年度第4四半期
当第4四半期は、SAPのクラウドの勢いがさらに加速し、カレント・クラウド・バックログおよびクラウド売上の両方で成長率が引き続き増加しました。カレント・クラウド・バックログは、32%増の94億5,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで26%増)と、想定よりも急速に増加しています。SAP S/4HANAのカレント・クラウド・バックログは、84%増の17億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで76%増でした。クラウド売上は、28%増の26億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで24%増となりました。SAP S/4HANAのクラウド売上は、65%増の3億2,900万ユーロ、固定通貨換算ベースでは61%増でした。Intelligent Spendビジネス以外のSaaS/PaaSクラウド売上は38%増、固定通貨換算ベースで33%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、前年同期比14%減の14億6,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで17%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、6%増の69億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで3%増となりました。サービス売上は、前年同期比3%増の9億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは横ばいでした。総売上は、前年同期比6%増の79億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで3%増となりました。
第4四半期の予測性の高い売上の比率は、前年同期比5パーセンテージポイント増の69%に達しました。
IFRSベースの営業利益は45%減の14億7,000万ユーロ、IFRSベースの営業利益率は16.9パーセンテージポイント減の18.4%でした。これは株式報酬費用の増加(主にQualtricsに関連)によるものです。Non-IFRSベースの営業利益は、11%減(固定通貨換算ベースで12%減)の24億7,000万ユーロでした。Non-IFRSベースの営業利益率は、5.8パーセンテージポイント減の30.9%、固定通貨換算ベースで5.4パーセンテージポイント減でした。前年のIFRSベースの営業利益には、SAP® Digital Interconnect事業の売却に関連した1億9,400万ユーロの売却益とNon-IFRSベースの営業利益1億2,800万ユーロが含まれています。
IFRSベースの1株当たり利益は、23%減の1.24ユーロ、Non-IFRSベースの1株当たり利益は10%増の1.86ユーロでした。
2021年度通年
SAPは、修正後の2021年度クラウド売上の見通し範囲の最高値を達成し、クラウドおよびソフトウェアで見通しの範囲を上回る売上と営業利益を達成しました。
通年のクラウド売上は、17%増の94億2,000万ユーロ、固定換算ベースで19%増の95億9,000万ユーロとなり、修正後の通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで94億ユーロから96億ユーロ)の最高値を達成しました。SAP S/4HANAのクラウド売上は、46%増の10億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは47%増となり、想定していた10億ユーロのクラウド売上の目標を上回りました。Intelligent Spendビジネス以外のSaaS/PaaSクラウド売上は25%増、固定通貨換算ベースで27%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、前年同期比11%減の32億5,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで11%減の32億4,000万ユーロでした。クラウドおよびソフトウェアの売上は、前年同期比4%増の240億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで5%増の244億1,000万ユーロとなり、修正後の通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで238億ユーロから242億ユーロ)を上回りました。サービス売上は、前年同期比8%減の37億6,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで7%減でした。これは、主に2020年のSAP Digital Interconnect事業の売却によるもので、同事業による2020年のサービス売上は2億8,200万ユーロでした。総売上は、前年同期比2%増の278億4,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで3%増の282億3,000万ユーロとなりました。
2021年通年の予測性の高い売上の比率は、前年同期比3パーセンテージポイント増の75%に達しました。
クラウドの売上総利益率は、次世代クラウド・デリバリー・プログラムに投資を行ったことにより、IFRSベースで前年同期比0.4パーセンテージポイント増の67.0%、Non-IFRSベースでは前年同期比0.2パーセンテージポイント減の69.5%となりました。
通年では、IFRSベースの営業利益と営業利益率は、主にQualtricsのIPOと通年にわたるSAPの株価上昇が原因で株式報酬費用が2020年度に比べ高額になったことの影響を受けました。IFRSベースの営業利益は、前年同期比30%減の46億6,000万ユーロでした。IFRSベースの営業利益率は、前年同期比7.5パーセンテージポイント減の16.7%でした。Non-IFRSベースの営業利益は1%減の82億3,000万ユーロ、固定換算ベースで1%増の84億1,000万ユーロとなり、修正後の通年の見通し(Non-IFRSの固定通貨換算ベースで81億ユーロから83億ユーロ)の最高値を上回りました。Non-IFRSベースの営業利益率は、0.7パーセンテージポイント減の29.6%、固定通貨換算ベースで0.5パーセンテージポイント減でした。
1株当たり利益は、通年にわたるSapphire Ventures社の好調な業績を反映し、IFRSベースで3%増の4.46ユーロ、Non-IFRSベースで25%増の6.74ユーロでした。
通年の営業キャッシュフローは、見通しの約60億ユーロをわずかに上回る62億1,000万ユーロでした。通年のフリーキャッシュフローは、見通しの45億ユーロ以上を上回り、50億1,000万ユーロでした。年度末時点の純負債はマイナス15億6,000万ユーロでした。
非財務パフォーマンス
2021年度の顧客ネット・プロモーター・スコア(NPS)は、前年同期比6ポイント増の10ポイントとなり、見通しの範囲の最高値を達成しました。このポジティブな傾向は、SAPがお客様からのフィードバックの内容の実装に引き続き注力し、特に、お客様に一貫したエンド・ツー・エンドのエクスペリエンスを提供し、お客様にとってのアウトカムを改善するための革新的なソリューションを開発してきたことによる結果です。
SAPの従業員エンゲージメントインデックスは、3パーセンテージポイント減の83%でした。引き続き高いレベルのエンゲージメントを維持しているものの、見通しの範囲には1%パーセンテージポイント届きませんでした。SAPの定着率は92.8%でした(2020年度=95.3%)。さらに、経営幹部の女性比率が増加して28.3%になりました(2020年度=27.5 %)。
2021年度の二酸化炭素のネット排出量は引き続き減少し、前年同期比25キロトン減の110キロトンとなりました。これは修正後の見通しの範囲の最高値に相当します。二酸化炭素排出量を削減するためにさまざまな対策を行ったほか、新型コロナウイルス感染症パンデミックによってハイブリッドワークを実施し、出張制限を継続したことがこの排出量削減に貢献しました。
財務情報開示の拡大 – SAPのクラウド移行の加速
SAPは、2021年度から財務情報開示の範囲を拡大し、コアとなるERPビジネスをクラウドへ移行する取り組みについて透明性の高い情報を投資家に提供しています。具体的には、SAP S/4HANA Cloudが貢献したカレント・クラウド・バックログおよびクラウド売上を、名目通貨ベースと固定通貨換算ベースの前年同期比成長率とともに開示しています。
第4四半期のSAP S/4HANAのカレント・クラウド・バックログは、84%増の17億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで76%増でした。SAP S/4HANAのクラウド売上は、65%増の3億2,900万ユーロ、固定通貨換算ベースで61%増でした。
通年では、SAP S/4HANAのクラウド売上は、46%増の10億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは47%増となり、想定していた10億ユーロのクラウド売上の目標を上回りました。
SAP S/4HANA Cloudとは、コアERPプロセス向けのSAPのクラウドサービスです。主に財務管理、サプライチェーン管理、エンジニアリングおよび製造、受注管理および設備資産管理のクラウドソリューションと、関連するデータ管理、分析、開発および統合機能が含まれます。
クラウドでビジネス変革を実現するSAPの総合的なサービスである「RISE with SAP」は、SAP S/4HANA CloudとSAP Business Technology Platformの導入を促進する重要な要素です。
2021年度第4四半期のセグメント別業績
SAPの3つの報告セグメントである「Applications, Technology & Support」、「Qualtrics」および「サービス」の業績は以下に示すとおりです。
Applications, Technology & Support(AT&S)
AT&Sセグメントの売上は、前年同期比5%増の68億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで2%増でした。SAP S/4HANA Cloud、SAP® Digital Supply Chain、SAP Business Technology PlatformおよびSAP® Customer Experienceでのクラウド売上が2桁の力強い増加を見せたことで、セグメントの業績が押し上げられました。ソフトウェアライセンス売上は、「RISE with SAP」の強い需要により、減少しました。セグメントのサポート売上は、定着率が高かったことと、サポート売上の一部がクラウドに移行したことにより、前年同期比3%増の29億2,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで1%増でした。
Qualtrics
Qualtricsセグメントの売上は、前年同期比56%増の2億8,400万ユーロ、固定通貨換算ベースで49%増でした。お客様が「顧客」「従業員」「製品」「ブランド」という4つのエクスペリエンス領域のすべてを測定するためにQualtricsの使用量を増やすとともにQualtricsのモジュールを追加で導入していることが、高い更新率と契約数の拡大につながり、この力強い成長が継続しています。MediaCorp社、Fonterra社、Comcast社、Mitsubishi Motors Thailand社、HSBC銀行、Sally Beauty Holdings社、BP International社などの多くのお客様にQualtrics Experience Management Solutionsをお選びいただきました。
サービス
サービスセグメントの売上は、前年同期比3%増の8億3,500万ユーロ、固定通貨換算ベースで1%増でした。Premium Engagementについては極めて回復力の高いビジネスモデルであることから引き続き売上が堅調に成長していますが、コンサルティング売上は前年同期比で減少しました。
2021年度通年の地域別業績
SAPのクラウド事業の業績はすべての地域で好調でした。
欧州・中東・アフリカ地域のクラウド売上は27%増、固定通貨換算ベースでも27%増となり、フランス、ドイツ、スイスで力強い伸びを見せました。クラウドおよびソフトウェアの売上は5%増、固定通貨換算ベースでも5%増でした。
南北中央アメリカ地域のクラウド売上は10%増、固定通貨換算ベースで13%増となり、ブラジル、カナダ、メキシコで特に顕著でした。SAPにとって最大の市場である米国ではクラウド売上が好調に推移し、特にカレント・クラウド・バックログが力強い増加を見せました。クラウドおよびソフトウェアの売上は1%増、固定通貨換算ベースで4%増でした。
アジア太平洋および日本地域のクラウド売上は18%増、固定通貨換算ベースで20%増となり、オーストラリア、ニュージーランド、中国、日本 で特に力強い伸びを見せました。クラウドおよびソフトウェアの売上は5%増、固定通貨換算ベースで6%増でした。
2022年度の見通し
2022年度は、クラウドの成長が引き続き加速すると見込んでいます。SAPのクラウドの勢いのペースと規模のおかげで、SAPは中期的な目標に向けて順調に進んでいます。
2022年度通年の見通しは以下のとおりです。
- クラウド売上は、固定通貨換算ベースで115億5,000万~118億5,000万ユーロ(2021年度=94億2,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで23%~26%増となる見込みです。
- クラウドおよびソフトウェアの売上は、固定通貨換算ベースで250億~255億ユーロ(2021年度=240億8,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで4%~6%増となる見込みです。
- Non-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで78億~82億5,000万ユーロ(2021年度=82億3,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで横ばいから5%減となる見込みです。
- 予測可能性の高い売上(クラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計として定義)の比率が約78%(2021年度=75%)に達する見込みです。
- フリーキャッシュフローは、45億ユーロ超(2021年度=50億1,000万ユーロ)となる見込みです。
- 2022年度通年の実効税率は、IFRSベースで0%~28.0%(2021年度=21.4%)、Non-IFRSベースで22.0%~25.0%(2021年度=19.9%)となる見込みです。
SAPの2022年度通年の見通しは固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。2022年度第1四半期および通年の為替の影響の見込みについては下の表を参照してください。
2021年12月のレートを適用した場合の通年の為替の影響見込み(Non-IFRSベース)
単位:パーセンテージポイント 2022年度第1四半期 2022年通年
クラウド売上の成長 +3pp~+5pp +2pp~+4pp
クラウドおよびソフトウェア売上の成長 +2pp~+4pp +1pp~+3pp
営業利益の成長 +1pp~+3pp +1pp~+3pp
非財務パフォーマンス目標
SAPは、「お客様のロイヤルティ」、「従業員のエンゲージメント」および「二酸化炭素排出量」の3つの非財務指標に注力しています。
2022年度のSAPの目標は以下のとおりです。
- 顧客ネット・プロモーター・スコアで11~15(2021年度=10)を達成
- 従業員エンゲージメントインデックスで84%~86%(2021年度=83%)を達成
- 二酸化炭素のネット排出量で70キロトン(2021年度=110キロトン)を達成
2025年度目標
2020年第3四半期決算発表で公開した中期的な目標に変更はありません。引き続き、2025年度までに次の目標を達成することを目指します。
- クラウド売上:220億ユーロ以上
- 総売上:360億ユーロ以上
- Non-IFRSベースの営業利益:115億ユーロ以上
- Non-IFRSベースのクラウド売上総利益率:約80%
- 予測可能性の高い売上の比率を約85%にまで大幅に拡大
- フリーキャッシュフロー:約80億ユーロ
非財務パフォーマンスについて、2025年度に次の目標の達成を目指します。
- 従業員エンゲージメントインデックスを84%~86%に維持(2021年度=83%)
- 顧客ネット・プロモーター・スコアを2025年度まで継続的に向上(2021年度=10)
- 2023年度までに二酸化炭素のネット排出量0キロトンを達成、以降、自社の事業活動における二酸化炭素のネット排出量を0キロトンに維持。さらにSAPは、当初の計画よりも20年間前倒しし、2030年度に5°Cシナリオに沿って自社のバリューチェーン全体でネットゼロを実現することを約束しています。
追加情報
本プレスリリースおよびそれに含まれるすべての情報は予備的であり未監査です。
2021年度SAP統合報告書とForm 20-Fの年次報告書は2022年3月3日に公表され、www.sapintegratedreport.comからダウンロードできるようになります。
主要な成長指標の定義
カレント・クラウド・バックログ(current cloud backlog:CCB)とは、特定の基準日時点から12カ月間で見込まれる、契約で約束されたクラウド売上です。この指標はIFRS 15.120に従った全体の残存履行義務の構成要素です。CCBと見なされるのは、確約された案件のみです。事前の確約のない利用ベースのモデルと、基準日以降に成約した確約された案件は新規も更新も除外しているため、CCBは今後12カ月で見込まれるクラウド売上の下限と見なすことができます。この指標は成約した新規契約と既存契約の更新の両方を反映しているため、SAPが注力するクラウドビジネスにおいては、CCBは市場投入が成功していることを示す貴重な指標になると考えられます。
予測可能性の高い売上の比率とは、総売上に占める、クラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計の割合です。
その他の主要な成長指標の説明については、SAPの2020年度統合報告書およびSAPの2021年度半期報告書の業績管理のセクションをご覧ください(www.sap.com/investor )。
以上
SAPについて
SAPの戦略は、あらゆる企業がインテリジェントエンタープライズになるよう支援することです。SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場のリーダーとして、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えており、世界中の商取引売上の87%は、SAPのお客様によって生み出されています。SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術により、従業員がより価値の高い成果に集中でき、持続可能な成長を実現する企業のあり方である「サステナブル・インテリジェントエンタープライズ」へとすべての企業が変革できるよう支援することを戦略に掲げています。さらに、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com/japan )