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SAPジャパン Talent Attractionチームによる本企画では、SAPでの仕事内容や印象深いエピソードなどを幅広くお届けします。活躍する社内メンバーの話から、SAPで働く魅力をお伝えできればと考えています。

第13回のインタビュイーは、エンタープライズ・ビジネス営業本部、第二営業部長の井上嘉隆さん。当部署では、主に関西圏を中心に全国400社ほど新規のお客様を担当しています。今年から新任マネージャーに就き、目まぐるしい日々を送る井上さん。関西中心に活動するSAPの営業としての仕事の魅力や熱い想いを聞かせてもらいます。

関西で新規開拓営業を務める魅力とは

「関西のお客様は、独自の経営学をお持ちの会社が多いんですよ。創業家がご健在の会社が比較的多く、彼らが企業風土や理念に強い影響力を持っている。そんな方々が、私たちの言葉に共感してくださるとすごく心強いですし、営業目線でいえば努力は報われやすい。創業家が『やるぞ!』となれば、本気で全社を上げた改革になりやすい会社が多いですね。

いわゆるアカウント営業として、経営層から現場担当者まで幅広くカバーしているお客様においては、『この方がもし次の社長になられたら、会社が大きく変われるな』という方に出会えることが多々あり、その方がやりたいことを実現できる手助けを全力で行います。私は東京での営業経験もありますが、関西や中部の方が、そういう関係性になりやすいと感じています。時として、『俺の後任、誰がいいと思う?』と相談されることも。地域性からか、コミュニティの一員として認めて頂けると、もう家族のような関係になれるところが非常に魅力的だと思います。

1社について深く理解すると、業界に詳しくなれるし、業務プロセスのつながり全体も理解できます。人事やサプライチェーン、また企業戦略やM&Aなど、あらゆるテーマを学ぶことができるので、経験値を高められる良さもあります」

井上嘉隆さん エンタープライズ・ビジネス営業本部 第二営業部長

関西エリアの営業として、ベテランな様子が伺えます。SAPに転職したきっかけをお聞きしました。

「SAPは社会課題」…?                                                          

「前職ではコンサルティング会社に在籍し、実は『SAPは社会的責任を果たせていない!』とSAP側へ言い続けてきました。というのは、多くのお客様がSAP導入に苦労されているのを見てきたし、いざバージョンアップしようとしてもSAPコンサルタントが枯渇していて、全然市場から調達できない。またSAPのセミナーは東京が多くて関西ではなかなか開催されなかった。これでは、SAPを検討したくても検討できないですよね。

でもこれだけ世界でも大きなシェアを持つSAPは、世界中で大いに活用されており、日本でも使い倒されているべき。にもかかわらず、そのシェアはまだまだ低い。だとすれば『SAPジャパンの活動が不充分なのではないか』『SAPのドイツ本社を説得し、日本にもっと投資してもらう努力を怠っているのではないか』と感じていたんです。この状況に対して、『SAPそのものが日本の社会課題である!』とまで言ってきました。その後、SAP側への転職を決め、いまは自分事として内部からこの課題に取り組んでいます」

立場を新たに、もっと自分の影響力を強めたい

「もともと私には上昇志向はなく、マネジメントに興味はありませんでした。しかし、前述の『SAPが社会的責任を果たせるようにしたい』という使命感は、日増しに強くなっていました。これまではひとりの担当営業だったので、自分が出来ることには限界がありました。だから、腹をくくったんです。『やはり管理職に就いたほうが、社内でも闘いやすい。だったらマネジメントを目指そう』と。ちょうどご縁もあり、今年から部長職を拝命しました。

いまは、対外的には、関経連(関西経済連合会)をひとつの活動母体にしています。DX特別委員会には、弊社の内田会長がメンバーとして参加しており、SAPのソリューションの話ではなく、SAP自体がグローバル経営変革を推進してきた取組みの紹介や、企業や業界をまたぐデータ連携コミュニティの幹事活動などをご紹介し、経営トップ層に直接、生き残りをかけた本気のDXが必要だとメッセージを発信しています。部長職になってからは特に、企業の役員や相談役、会長など、上位クラスの方々に直接モノ申すことができて『そういう話だったらちょっと聞いてみよう』と仰っていただける機会に出会えています。

また、業務外の活動では、国際ビジネスコミュニケーション学会(JBCA)に参画していて、グローバル人材の育成と外部人材の活用を研究のテーマにしています。日本企業は外貨を稼ぐために『グローバル企業』が多く、営業・商品開発・サプライチェーン・人材活用などにおいて、グローバルに取り組むプロジェクトが乱立しています。しかし、もしこうした検討のベースとして、業界のベストプラクティス(リーダー企業たちの業務プロセス集)をたたき台の共通言語として活用すれば、グローバル人材が少なくてもうまく回るはず。そういうテーマも、私が発信したいメッセージとしては全部繋がっているんです。SAPの立場で発信することもあるし、SAPの名前を出さずに発信する機会もあります」

新卒で外資系SIerの営業に従事し、戦略コンサル会社へ。そしてSAPで再び営業職に戻ります。営業の存在価値とは何でしょうか。

外からの声だからこそ与えられる変革の種

「社外の営業の立場であれば、現場の問題や耳の痛い話が役員まで伝わっていないなと思ったら、もう役員に直接会いに行けばいい。内部にいたら、『この話は部長を通してから役員に…』と秩序ばかり重んじる必要がでてきて、いたずらに時間がかかる。日本企業は内部からの変革なんて絶対に無理です。結局、そういう風通しの良さを作れるのは、実は社内じゃなくて社外の人間なんです。

耳が痛い話というのは、SAPのビジネスに繋がるかどうかは関係なく、例えば『きちんと後継者が育っていませんよ』とか、『商品開発の現場が疲弊していますよ』とか、経営者にとってとても大切な話です。こういう話題は、役員の方は、部下に相談することも出来ないし、同列の役員はライバルだし、社長は厳しい目で評価してくるので、相談相手がいないのです。経営者は孤独です。彼らに社外の立場から進言し、よき相談相手となる。こういう営業の仕方ができる会社は実は限られていて、経営に関わる基幹アプリケーション領域のソリューションベンダーの営業にしかできないという想いでやっています

戦略コンサル会社も経営者とは密な関係を構築していて、同様の関わり方をするのではないでしょうか?

 伝えるべきことを伝える覚悟があるのが営業。正しいメッセージを届ける使命があるのがSAP

「コンサルとして、経営者との面談機会を得られるのは、プリンシパルやパートナーの職位ですから、早くても新卒から20年くらいかかります。一方で、外資ITの営業は、新卒のときから役員と面談し、『御社はこうすべきです!』みたいなことを無邪気に言って、討ち死にしたり(笑)、色んな経験を積めます。私も当時のお客様に、すごく育てて頂いたと感謝しています。営業は、いい提案をするために、お客様のことをよく理解しなければならない。このことを着飾らず正直にお客様にお伝えし、『御社のことをまずは教えてください!』とお願いすればいい。お客様が貴重な時間を自分に投資して下さった分、お役に立てるご提案に全力を尽くす覚悟をもつ。この心構えを若いうちから持てることが、コンサルではなく営業職を選びたいと思った理由です。

営業の中でもなぜSAPか。これは、SAPのソリューションは背骨・神経であり、社長しか意思決定できない最重要領域だからです。私は、多くの社長の皆様に、背骨も神経もつながっていない経営をされている現実をご理解いただき、本質的な全社変革に取り組む価値をきちんと正しくお届けしたい。そのメッセージを届けられる会社は、SAPしかないという想いでやっているんです」

パワフルな営業マネージャーとして、使命感に燃える井上さん。何が原動力なのでしょうか。

真価が問われる日本人。この危機は自分の手で救ってみせる

「2004年に新卒で入った外資系IT企業では、特に大手メーカーの担当チームは花形でした。でも今やそれらの大手メーカーの多くは、品質不正やら、国内工場の次々閉鎖、外資のからの買収など、膨大な血を流してきました…。それを見て『日本の雇用は本当にマズいのでは』とすごく危機感に思っていました。本当に日本人がやるべき仕事はどれだけ残るのだろうか…と。生き残るためにどうすべきかを本気で考えていかないと、私の3人の子どもたちにとっても、未来の仕事は無くなるだろうなと感じたんです。

 東京の企業だと巨大すぎて、自分自身ができることは本当に限られてしまう。でも、関西や中部の企業であれば、比較的自分の手の届く範囲で動くことによって、おこがましいけど、危機は止められるかもしれない。『自分の影響力を行使して、何とか出来るのではないか』と思えるのがこの関西エリア、あるいは東京以外のローカルエリアだと思っているんです。

関西愛の波紋を広げ、同志とともに社会課題に取り組みたい

「これからは、関西やローカルのDX人材を増やすにはどうしたらいいのかという課題の解決を、お客様やパートナー様と一緒に検討していきたいです。DX人材の採用市場は活発ですが、供給と育成が全く追いついておらず、SAP技術者の確保にもすごく苦労されています。パートナー様の現場担当者とコミュニケーションが密なネットワークを作り、まずはこの『SAPという社会課題』に取り組もうという同志の数を増やしていくことが大事だと思っています。

関西のDXはすごく遅れています。このままだと10年、20年後に生き残っている企業は本当に少ないかもしれない。だから1社でも多く救うべく、1社でも多くの経営者の方々に会いに行きたいと思っています

お客様やパートナー企業であれ、SAPメンバーであれ、井上さんの周りの方々はきっと井上さんの熱量を受けて、変革を支えるメンバーとなっていくはず。これからも関西のDXを加速させるリーダーとして、たくさんの人を引っ張ってくれることを期待しています。

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