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(本リリースは、4月21日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)は、2023年3月31日に終了した第1四半期の財務業績を発表しました。本資料は、SAP SEが発行している「2023 Q1 Quarterly Statement」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。

  • クラウド売上は24%増、固定通貨換算ベースでは22%増、前四半期から引き続き1パーセンテージポイント増。SAP S/4HANA®クラウド売上は77%増、固定通貨換算ベースでは75 %増
  • カレント・クラウド・バックログは、名目通貨ベースと固定通貨換算ベースで 25%増、前四半期から引き続き1パーセンテージポイント増
  • クラウドの総利益はIFRSベースで28%増、Non-IFRSベースで28%増、固定通貨換算ベースで27%増、これらがNon-IFRSベースの営業利益2桁増に貢献
  • IFRSベースの営業利益は45%減、Non-IFRSベースの営業利益は12%増、固定通貨換算ベースでは12 %増
  • Qualtricsの事業売却予定を反映して2023年度の見通しを更新。SAPは、売上高と営業利益のさらなる増大見込みを含む継続事業の見通しを再確認

 

SAP CEO、クリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。
「当社の戦略的変革は力強い新たなフェーズに入りました。今期の売上高と最終損益が、2022年第4四半期に通過した転換点を明確に示しています。当社のクラウドの勢いは速いペースで続いており、これが今四半期の好調な売上とNon-IFRSベースの営業利益の2桁成長に貢献しています」

SAP CFO、ドミニク・アサム(Dominik Asam)は次のように述べています。
「今年は良いスタートが切れました。業績を上げながら、正しい道を歩んでいる組織に加われたことを嬉しく思っています。第1四半期は、売上高の伸びが加速し、営業利益はすでにNon-IFRSベースで2桁成長を達成しています。この業績は、通年見通しに向けた強固な土台となり、それにより2023年度は利益を伴う成長に戻ることができるでしょう。当社は今後も言行一致を重視していきます」

2023年第1四半期に、Qualtrics連結グループ(以下「Qualtrics」)は、IFRS第5号に基づき非継続事業に分類されました。その結果、Qualtricsからの貢献はSAPの継続事業報告には含まれません。「(N) Discontinued Operations(非継続事業)」の項を参照してください。また、SAPの表示および開示の変更についての詳細は、記録情報セッション(https://www.sap.com/investors/en/reports/reporting-framework.html )をご覧ください。

 

業績ハイライト

2023年度第1四半期

カレント・クラウド・バックログは25%増の111億5,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは25%増となり、連続で1パーセンテージポイント増の成長になりました。SAP S/4HANA® のカレント・クラウド・バックログは、78%増の34億2,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで 79%増でした。

第1四半期のクラウド売上は24%増の31億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで22%増、連続で1パーセンテージポイント増でした。SAP S/4HANAのクラウド売上は、77 %増の7億1,600万ユーロ、固定通貨換算ベースでは75%増でした。

いくつかの大型取引に支えられ、ソフトウェアライセンス売上は13%減の2億7,600万ユーロと緩やかな減少、固定通貨換算ベースでも13%減となりました。クラウドおよびソフトウェア売上は、10%増の63億6,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで8%増となりました。サービス売上は、12%増の10億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで11%増となりました。総売上は、10%増の74億4,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで9%増となりました。

第1四半期の予測性の高い売上の比率は、1パーセンテージポイント増の82%に達しました。

クラウド総利益はIFRSベースで28%増の22億4,000万ユーロ、Non-IFRSベースで28%増の22億7,000万ユーロ、固定通貨換算のNon-IFRSベースでは27%増でした。

営業利益は、IFRSベースでは45%減の8億300万ユーロでした。この減少は、主に、昨年は同時期に株価が下落したのに対し、当四半期には株価が上昇したことを反映した株式報酬の増加によるものです。加えて、IFRSベースの営業利益は、対象を絞ったリストラクチャリングプログラムに関連する構造改革費用、および既存の規制遵守事項に対する引当金により生じた費用の影響を受けています(「(D) Basis of Non-IFRS Presentation(Non-IFRSの表示基準)」を参照)。Non-IFRSベースの営業利益は、12%増(固定通貨換算ベースで12%増)の18億7,000万ユーロでした。

この結果、IFRSベースの基本1株当たり利益は60%減の0.35ユーロとなりました。Non-IFRSベースでは、8%増の1.08ユーロでした。実効税率は、IFRSベースで40.5%、Non-IFRSベースで28.3%でした。IFRSベースにおいては、主に、控除対象外費用の変化と繰延税金資産に対する評価性引当金により、前年同期比で増加しました。Non-IFRSベースについては、税引前数値の個別調整により、控除対象外費用の変化は適用されません。

フリーキャッシュフローは、主に昨年第4四半期の売上債権の売却の影響が第1四半期に重くのしかかったため、9%の減少となりました。

 ウクライナ情勢の影響

ロシアおよびベラルーシにおける当社の事業活動の段階的縮小はほぼ完了しています。ウクライナ情勢が現在の範囲を超えてさらに拡大した場合、当社事業は重大な不利益を被る可能性があります。

 

ビジネスハイライト

第1四半期に、エンド・ツー・エンドのビジネス変革を推進するために「RISE with SAP」をお選びいただいた世界各国のお客様には、BMW Group、DOLCE & GABBANA、GAMA、GlasfaserPlus、マニトバ州政府、Henkel、関西ペイント株式会社、Lingong Heavy Machinery、MLS、NECネッツエスアイ株式会社、Pastificio Rana、Sempra Infrastructure、Sodexo BRS、Sri Intellectual、Thales Defense & Security Inc、VEM Conveniência、Zagisなどがあります。

また、Advanced Micro Devices、Air India、Aurobay、FLYING WHALES、Hengan Group、JFE スチール株式会社、Ourofino Agrociência、REPETCO Innovations、および Shinsegae International が、第1四半期にSAP S/4HANA® Cloudの本稼働を開始しました。

SAPのソリューションポートフォリオをお選びいただいた主なお客様としては、A.S.Watson、BayWa、Berlin Hyp、Brisanet、Dr. Martens(Airwair International Limited)、Envision Energy、Grupo Estrella Blanca、Grupo Minero Bacis、Haffner Energy、HCLTech、株式会社日立ハイテク、株式会社ニトリホールディングス、N+、NTT DATA Business Solutions、Lee Kum Kee Sauce Group、SMA Solar Technology、Soleum、University Hospital Bonn、Whirlpool Corporation などがあります。また、Dexco、DKSH Holding Limited、Larsen & Toubro Limited、Wiproなどの多くのお客様がSAPソリューションの本稼働を開始しました。

第1四半期におけるSAPのクラウド売上の実績は、すべての地域において堅調でした。ブラジル、ドイツおよびインドにおけるクラウド売上の伸びが顕著で、また中国、日本、メキシコ、オランダ、スイス、米国も特に好調でした。

SAPは、2022年度の配当金として、1株あたり2.05ユーロを提案しました。これは2021年度の普通配当と比較して前年比5%の増加となります。この配当は、2023年5月11日に開催予定の年次総会での株主の承認が条件となります。

2023年2月1日、SAPとオープンソースソリューションの世界的なリーディングプロバイダーであるRed Hat, Inc.は、SAPによるRed Hat Enterprise Linuxの使用とサポートを大幅に増やすことを目的とした、パートナーシップの拡大を発表しました。

2月8日、SAPは、ドイツのMerck KGaAと戦略的パートナーシップを結び、持続可能なビジネス・プラクティス・イノベーションを共同で推進することを発表しました。このパートナーシップにより、SAP S/4HANA Cloudを中核とするRISE with SAPによる、Merck KGaAのシステムのクラウドへの移行がさらに加速される見込みです。

2月22日、SAPは、SAP SEのスーパー・バイザリー・ボードがパニー・レンジェン名誉博士(Dr. h. c. Punit Renjen)をスーパー・バイザリー・ボードの新メンバーとして立候補させ、レンジェン博士を現会長ハッソ・プラットナー(Prof. Dr. Hasso Plattner)の後継者として指名することを発表しました。

3月2日、SAPは、2022年12月31日に終了した年度のSAP年次報告書(Form 20-F)を米国証券取引委員会(SEC)に提出し、2022年SAP統合報告書が www.sapintegratedreport.com からオンラインでアクセス可能になったことを発表しました。

3月8日、SAPは、データ管理ポートフォリオの次世代版であるSAP® Datasphereソリューションを発表しました。加えて、SAPは、業界をリードするデータおよびAI企業である Collibra NV、Confluent Inc.、Databricks Inc.、および DataRobot Inc.との戦略的パートナーシップも紹介しました。

3月13日、SAPは、Silver Lakeの関連ファンドおよびカナダ年金制度投資委員会によるQualtrics買収の一環として、保有するQualtrics International Inc.の全株式4億2,300万株を売却することに合意したことを発表しました。1株当たりの買収価格18.15米ドルで、この売買は完全希薄化後のQualtricsの株式価値にして約125億米ドルに相当し、SAPの売却検討発表前の30日平均取引価格に対して73%のプレミアム(2023年1月25日時点の公表前の終値に対しては約62%のプレミアム)となっています。SAPの持ち株は、約77億米ドルで売却される予定です。売買の成立は、慣習的な規制当局の承認および完了条件の適用対象となります。

3月16日、SAPは、新たなサステナビリティリンクのリボルビング・クレジット・ファシリティを総額30億ユーロ、5年のテナー期間に2回の1年延長オプションを含めて締結したと発表しました。

3月21日、SAPは、中堅中小企業にスピード、予測可能性、継続的なイノベーションをもたらすクラウドERPの導入を支援する新たなオファリングであるGROW with SAPを発表しました。これは、SAP S/4HANA® Cloud, public editionと SAP® Business Technology Platform上で構築された包括的なオファリングです。

3月31日、SAPは、SAPスーパー・バイザリー・ボードが、エグゼクティブ・ボード・メンバーであるマーケティング & ソリューション最高責任者のジュリア・ホワイト(Julia White)と、SAPのカスタマーサクセス部門を率いるスコット・ラッセル(Scott Russell)の契約を2027年まで3年間延長したと発表しました。さらに、ピープル & オペレーティング最高責任者兼労使関係ディレクターであるザビーヌ・ベンディク(Sabine Bendiek)は、自身のエグゼクティブボード契約の更新を希望しないことをスーパー・バイザリー・ボードに伝えました。それに伴い、彼女の契約は2023年12月31日に終了します。

  

セグメント別業績概要

Applications, Technology & Services

第1四半期におけるAT&Sセグメントの売上は、主にSAP S/4HANAおよびSAP Business Technology Platformに支えられたクラウド売上の力強い成長により、前年比9%増の71億4,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは8%増となりました。ソフトウェアライセンス売上は、「RISE with SAP」オファリングを採用する顧客の増加によるクラウドへの移行を受けて減少しました。セグメントのサービス売上は、前年比12%増の10億8,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで11%増でした。

 

2023年度通年の見通し

SAPは、Qualtricsの事業売却予定を反映して、2023年通年の見通しを継続事業のみを対象とするものに更新しています。

 

財務見通し

クラウド売上および営業利益の調整は、Qualtricsが1月25日に公表した2023年のQualtrics見通しに基づいています。当該ガイダンスがない場合、財務見通しパラメータは、4月19日時点の2023年Qualtricsアナリストコンセンサスに基づきます。

取引完了時に実現する売却益は、非継続事業による税引き後利益(損失)に含まれる予定です。本事業売却は、継続事業による営業利益やフリーキャッシュフローに影響を与えることはありません。

SAPは、継続事業に関する2023年1月の見通しに基づく業績見込みを確認していますが、今回、Qualtricsの事業売却予定を反映して、2023年の見通しを以下のとおり更新します。

  • クラウド売上は、固定通貨換算ベースで140億~144億ユーロ(2022年度 = 114億3,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで23%~26%増となる見込みです。
  • クラウドおよびソフトウェアの売上は、固定通貨換算ベースで269億~274億ユーロ(2022年度 = 253億9,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで6%~8%増となる見込みです。
  • 営業利益は、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで86~89億ユーロ(2022年度 = 79億9,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで8%~11%増となる見込みです。
  • 予測性の高い売上の比率が約82%(2022年度 = 79%)に達する見込みです。これは、総売上に対するクラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計の比率になります。
  • フリーキャッシュフロー:約49億ユーロ
  • 2023年度通年の実効税率は、IFRSベースで0%~32.0%(2022年度 = 32.0%)、Non-IFRSベースで26.0%~28.0%(2022年度 = 29.6%)となる見込みです。

 

財務以外の見通し

SAPは、引き続き「お客様のロイヤルティ」、「従業員のエンゲージメント」および「二酸化炭素排出量」の3つの非財務指標に注力しています。

2023年の継続事業について、SAPは次のように予想しています。

  • 顧客ネット・プロモーター・スコアで8~122。
  • 従業員エンゲージメント指数で76%~80%。
  • 二酸化炭素のネット排出量で0キロトン、すなわち自社の事業においてカーボンニュートラルを実現。

 

 2025年度目標

SAPは、2023年5月16日にSapphireで開催される財務アナリスト会議で、中期目標に関する最新情報を提供する予定です。

 

追加情報

本プレスリリースおよびそれに含まれるすべての情報は予備的であり未監査です。

SAPの業績指標

当社の主要な成長指標と業績指標、その算出方法、その有用性、およびその限界に関する詳細については、当社のInvestor Relations の Web サイトをご覧ください。

以上

 

 SAPについて

 

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