SAP、Gartner® Magic Quadrant™ の Supply Chain Management Suites(サプライチェーン管理スイート)分野でリーダーに認定

フィーチャー

(本記事は、8月13日に本社で掲載されたものです)

刻々と状況が変化するビジネス環境でリスクへ対応可能な次世代のサプライチェーンを構築することは、今日の企業にとって最も複雑な課題のひとつです。SAPは50年以上にわたり、企業全体の計画、実行、そして業務プロセスを連携させることで、サプライチェーンの変動や不確実性への対応を支援してきました。このたびSAPがGartner® Magic Quadrant™「Supply Chain Management Suites(サプライチェーン管理スイート)」分野*の初年度版においてリーダーに認定されたことを大変光栄に思います。この評価は、現在のSAPの取り組みだけでなく、今後目指す方向性を示すものでると考えてます。

本グラフィックは、Gartner, Inc. による包括的な調査レポートの一部として公開されたものであり、正確な理解には、当該レポート全体の文脈に基づいた評価が求められます。該当のGartnerレポートにつきましては、SAP にお問い合わせいただくか、https://url.sap/h6cruh からご入手いただけます。

今日のサプライチェーン責任者は、絶えず変化する混乱要因、急速に変化する顧客の要求、そして対応可能な時間がますます短くなる環境に直面しています。企業に求められているのは、単なるデジタル化ではありません。人材、業務プロセス、データ、そしてビジネスネットワークをつなぐプラットフォームであり、そのつながりをより迅速で的確な意思決定へと変える力です。

SAPのビジョン:Autonomous Supply Chain Management

サプライチェーンにおける次なる狙いは、単なる「連携」ではなく、「意思決定の高度化」にあります。SAPが掲げるAutonomous Enterpriseは、企業経営の未来像を示すビジョンです。データ、ビジネスコンテキスト、ポリシー、そしてAIによる推論が連携することで、人の判断を中心に据えながら、より迅速かつ一貫性のある意思決定を大規模に実現することを目指しています。

サプライチェーンのオーケストレーションを推進し、変化に対して先手を打って期待を超える

Autonomous Supply Chain Managementは、そのビジョンの実現に向けた実践的なステップです。人が目標や優先順位を定め、AIアシスタントが複数の領域にまたがる業務をオーケストレーションし、エージェントがガバナンスの効いたエンドツーエンドのプロセスの中で業務を実行します。企業は、自社が定めたガードレールのもとで、自律型エージェントを活用し、サプライチェーンにおけるプロセスの実行や意思決定を推進できます。その結果、混乱や変化への対応時間は数日から数分へと短縮されます。また、組織のサイロを越えたデータ収集も、ほぼリアルタイムで行えるようになります。計画担当者はデータを手作業で収集・分析する代わりに、事前に検証された意思決定用シナリオを自動的に受け取り、迅速に判断を下すことができます。このスピードの優位性は、企業に大きな変革をもたらします。

しかし、その価値はスピードだけではありません。企業は過去の意思決定から学び、組織横断で意思決定と合意形成することで、時間の経過とともに一貫してより良い成果を生み出せるようになります。AIが最大の価値を発揮するのは、実際の業務が行われる現場に組み込まれ、深く統合された業務プロセスと信頼できるデータに支えられている場合です。

SAP のアプローチ

真に統合されたサプライチェーンプラットフォームは、単にデータをつなぐだけではありません。意思決定そのものをつなぐことが重要です。これこそが、SAPがSAP Supply Chain Management Suiteを構築するうえでの基本原則であり、SAPの大きな特長であると私たちは考えています。

SAPは、業務実行、トランザクション、ビジネスネットワーク、財務、そしてAIに至るまで、幅広い領域をカバーしています。業務システム、信頼できるビジネスデータ、そしてインテリジェンスとオーケストレーションを単一の統合スイートとして提供しているベンダーは、他にはありません。この包括性が重要なのは、サプライチェーンにおける意思決定が単独で行われるものではないためです。例えば、調達に関する意思決定は製造能力に影響を与え、製造能力は物流に、物流は財務上のコミットメントに影響を及ぼします。こうしたシステムが連携することで、あらゆる領域における意思決定の質を向上させることができます。

SAPは、このプラットフォームを3つのレイヤーで構成しています。第1のレイヤーは業務システムです。ここには、SAP Ariba®、SAP® Integrated Business Planning、SAP® Digital Manufacturing、SAP® Asset Performance Management、SAP® Transportation Management、SAP® Extended Warehouse Management、そしてSAP® Business Networkなどのアプリケーションが含まれます。これらは、サプライチェーン業務が実際に行われる基盤となるシステムです。第2のレイヤーは信頼できるビジネスデータです。その中核となるのがSAP® Business Data Cloudです。SAPおよびサードパーティーのデータソースからデータを統合し、企業全体を横断した統一的かつリアルタイムな視点を提供します。 第3のレイヤーはインテリジェンスとオーケストレーションです。これは、SAPのAIエンゲージメントレイヤーであるSAP® Business AI と Jouleによって実現されます。エージェントティックAI、組み込み分析、ネットワークを活用した実行機能を組み合わせることで、企業が問題発生後の対応中心の運営から、先を見据えた意思決定へと移行することを支援します。

このアーキテクチャにより、企業は領域をまたいだ業務プロセスの標準化を進めるとともに、分散したポイントソリューションへの依存を低減できます。さらに、調達から最終納品までの連携を強化し、オペレーション、財務、そしてネットワーク全体の成果をリアルタイムで結び付けることで、組織全体の協調と最適化を実現します。

イノベーションを実践へ

業務データ、ビジネスコンテキスト、そしてAIを活用したインサイトを統合する機能へのニーズが高まる中、SAPはその期待に応えるための投資を積極的に進めています。現在、新たなJouleアシスタントを、計画、製造、物流、資産管理、サプライヤーとのコラボレーションといった領域に組み込んでいます。これにより、各組織、担当者は変化に対してより迅速に対応できるようになり、手作業による調整業務に費やす時間を削減できます。

さらに、これらのアシスタント機能に加えて、サプライチェーンの各プロセス向けに設計された目的特化型のAIエージェントも提供しています。これらのAIエージェントは、人による管理を維持しながら、あらかじめ定義されたビジネス上のガードレールの範囲内で適切なアクションを実行できるよう設計されています。こうした機能は、お客様の既存のSAP環境との整合性を保ちながら、2026年にかけて段階的に提供される予定です。

お客様への確かな成果の提供

最終的に、このような評価が意味を持つのは、私たちが支援する企業に実際の成果をもたらしていることを示している場合に限ると考えています。その具体例のひとつが、研究開発型のグローバルバイオ医薬品企業であるTakeda Pharmaceuticals International AGです。同社はSAPのサプライチェーン計画アシスタントを活用することで、手作業による根本原因分析から、AIによる原因特定と改善策の提案へと移行しました。さらに、パフォーマンスの自動追跡により、自己回復型サプライチェーンの実現を可能にしています。

同社のエンタープライズプラットフォーム担当シニアバイスプレジデントであるレベッカ・カウフマン(Rebecca Kaufmann)氏は、次のように述べています。「AIは、Takedaの将来に向けた変革を支える重要な推進力です。私たちは、SAPの業界知見とテクノロジーに関する専門性を、自社の実務経験と組み合わせて活用しています。サプライチェーン計画アシスタントは、AIによる根本原因の特定や改善策の提案に加え、パフォーマンスの自動追跡も実現します。その結果、自己回復型のサプライチェーンを実現する能力をもたらします」

今後に向けて

サプライチェーンの自律化は、一夜にして実現するものではありません。この進化はワークフローごとに段階的に進み、実際の価値をもたらす領域から自動化を拡大しながら、人による管理と統制を維持していくものです。サプライチェーン部門では、監視や日常的な問題対応に費やす時間を減らし、その分、意思決定の方向付けやトレードオフの管理、レジリエンスの強化により多くの時間を充てたいという意識が高まっています。

当社の製品や戦略の形成に貢献いただいている多くのお客様、パートナー、アナリスト、そしてSAPのチームメンバーに心より感謝申し上げます。今回の評価を大変光栄に思うと同時に、これをゴールではなく重要なマイルストーンのひとつと捉えています。私たちは今後もイノベーションへの取り組みを続け、企業がサプライチェーンを競争優位性を生み出す戦略的な資産へと変革できるよう支援してまいります。そして、その歩みをともにする中で当社を信頼してくださるお客様に、心より感謝申し上げます。


デヴェシュ・ミシュラ (Devesh Mishra) は、SAP Supply Chain Management 担当 GM 兼最高製品責任者です。

*Gartner, Magic Quadrant for Supply Chain Management Suites, Jan Snoeckx, Balaji Abbabatulla, Christian Titze, 2026 年 8 月 11 日

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