カプコン、財務経理部門の効率化と品質向上のためブラックラインとSAPの協業ソリューション 「SAP® Account Substantiation and Automation by BlackLine」を稼働

プレスリリース

~スピードと正確性をテーマに決算に関わる業務を見直し、月次決算にかかる時間を15営業日から7営業日に短縮~

クラウド型決算プラットフォームを提供するブラックライン株式会社(日本法人:東京都港区、代表取締役社長:宮﨑 盛光、以下「ブラックライン」)とSAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 洋史、以下「SAPジャパン」)は、株式会社カプコン(本社:大阪市中央区、代表取締役社長 最高執行責任者:辻本 春弘、以下「カプコン」)が自社の財務経理DXの基盤として、ブラックラインとSAPの協業ソリューション「SAP® Account Substantiation and Automation by BlackLine(エスエーピー・アカウント・サブスタンシエーション・アンド・オートメーション・バイ・ブラックライン)」(以下「BlackLine」)を稼働したことを発表しました。これによりカプコンの財務経理部門では2021年12月期の決算において、月次決算にかかる時間を15営業日から7営業日に短縮することができました。

背景と経緯

1983年の創業以来、カプコンは常にゲーム業界の先駆けとなる作品を創造し、対戦格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズやサバイバルホラー「バイオハザード」など国内外で数々のヒットタイトルを生み出してきました。2010年代中盤、ゲーム機が常時インターネットに接続されダウンロード版ゲームソフトが普及すると、ゲームソフト販売における物理的な制約が少なくなり、販売地域の拡大とゲームソフトのライフサイクルの長期化が可能になりました。カプコンはデジタル販売を重点的に強化したことでビジネスを急速に拡大し、現在では200を超える国と地域でゲームソフトを販売し、2020年度の年間販売本数の実績は2015年度比で2倍超、ダウンロード版は全体の約80%を占めるまでに至っています。

こうした消費者ニーズの多様化やコロナ禍を経た新しい生活様式の変化を受けて、これからも新たなビジネスチャンスをつかみ続けることができる組織であるために、カプコンではデジタル化の潮流を先取りしたビジネススタイルへの変革を実現する必要がありました。そのため財務経理部門においては、低付加価値・定型業務から財務諸表作成、決済、連結・開示といった業務についてシステム化を進め、AIによる自動化や省人化では対応しきれない付加価値の高い戦略的業務(コア業務)に人的リソースを集中することを変革シナリオに、中期経営計画第一期3年にわたる目標として「スピードと正確性」を掲げ、業務変革の一環としてBlackLineの導入を決定しました。

業務変革ステップとBlackLine導入の理由

カプコンの財務経理部門では中期経営計画第一期3年のステップを、2019年度は財務経理部の統合、2020年度は業務プロセスの見直し、2021年度はシステムの本格的デジタル移行とし、電子・キャッシュレス決済、旅費精算システム、固定資産管理システム、プロジェクト管理、収益性管理BIシステムなどが続々と導入されています。また、同時期に行われた基幹システムのSAP S/4HANA®へのマイグレーションを千載一遇のチャンスと捉え、基幹システムの大量のアドオンから脱却し、周辺業務を含めたシステムの見直しを一気に進めました。

BlackLineはSAP S/4HANA®とシームレスに連携しつつ、決算に関する業務プロセスの可視化・標準化・自動化・統制強化を実現できることが評価され導入に至りました。月次決算を起点とした業務プロセス変革を推進する同社において、ルーティンワークを繰り返す中で改善点を分析でき、クラウドサービスを含む複数の業務システムを取りまとめながら監査にも耐えうる仕組みとしてBlackLineが採用されました。

 BlackLine導入のフェーズと効果 (2020年10月~2022年3月)

  • フェーズ1:月次決算のタスク管理

BlackLineの導入で、定期的な仕訳入力から始まる決算業務のタスクを一元管理するとともに、リアルタイムなダッシュボードとレポート機能により各タスクの進捗状況が可視化されました。これにより現状の業務プロセスから無駄な部分や非効率な部分を洗い出して改善し、さらにワークフロー化することで大幅な効率化を実現しました。

  • フェーズ2:勘定の自動照合

BlackLineがもつベストプラクティスに基づく勘定照合テンプレートと自動承認ルールを活用することで、毎月の勘定照合プロセスにおける定型業務のほとんどを自動化できるようになりました。具体的には残高試算表の勘定科目別残高と、補助簿や明細内訳とを比較して差異を自動的に抽出し、こうした勘定照合プロセスの標準化と自動化を通じて、迅速かつ正確な決算を実現できるようになりました。

  • 効果

フェーズ1の「月次決算のタスク管理」では人員を増やすことなく、当初の目標にあげていた月次決算7営業日に短縮することができました。

今後の展望

株式会社カプコン 管理本部 財務経理部長の湯川直樹氏は次のように述べています。

「2022年4月からは「専門性の深化」をテーマとする財務経理変革の第二期中期目標がスタートとなります。BlackLine導入により、決算に費やしている財務経理部の部員総工数を現状の80%から40%以下に削減することで、人材を付加価値の高いコア業務へシフトしていくことを目標としています。裏を返せば、この目標を達成するために必須となっているのが財務経理のデジタルトランスフォーメーション(DX)に他なりません」

 

■ブラックラインについて

ブラックラインは決算業務プロセスのデジタル化、リモート決算を実現するクラウド型決算プラットフォーム「BlackLine」を提供しています。「BlackLine」は運用効率向上、リアルタイムの可視化、統制およびコンプライアンスの改善によって、単一の統合クラウドプラットフォーム上で決算業務管理と経理業務の自動化が可能となり、導入企業は継続的な経理モデルへと変革することができます。そして、自動化による経理財務業務の近代化を支援することで、より正確で洞察に富んだ決算報告書の作成と更に効率的な決算処理を実現できます。世界130か国以上、3,800社の企業、325,000を超えるユーザーに利用されています。詳しくはwww.blackline.jpをご覧ください。

 

SAPジャパンについて

SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAPの戦略は、あらゆる企業がインテリジェントエンタープライズになるよう支援することです。SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場のリーダーとして、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えており、世界中の商取引売上の87%は、SAPのお客様によって生み出されています。SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術により、従業員がより価値の高い成果に集中でき、持続可能な成長を実現する企業のあり方である「サステナブル・インテリジェントエンタープライズ」へとすべての企業が変革できるよう支援することを戦略に掲げています。さらに、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com/japan )

以上