(本リリースは、7月28日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)
SAP SE(NYSE:SAP)とE.ON(エーオン)社は本日、SAP S/4HANA®の公益事業向けソリューションをベースとするプラットフォームの構築へ向けて、新たにパートナーシップを締結したことを発表しました。このプラットフォームにより、エネルギー市場参入者との請求処理や情報交換のプロセスについて、将来の変化に備えることができます。
SAPとエネルギー供給事業者であるE.ON社は、E.ON社の電力供給網の運用に適した新しいビジネスプロセスおよびテクノロジープラットフォームの構築を計画しています。そして、強力なパートナーシップのもと、2社でドイツ国内の送配電網の新たな業界標準を確立することを目指します。E.ON社は、SAPのクラウドソリューションであるSAP S/4HANAを活用して、請求処理および情報交換に関連した主要なビジネスプロセスのさらなる効率化と標準化をグループ全体で進めるという目標を掲げています。この目標を達成することにより、E.ONグループ傘下の電力供給者、送配電事業者およびメーター運用者は、情報交換のスピード、正確性、利便性をより一層高めることが可能になります。また、ビジネスプロセスの標準化に加え、E.ON社の各地域拠点で運用されている電力関連の複数の請求処理および情報交換システムを、新しいプラットフォームに移行する予定です。データの一貫性を確保することで、標準ソリューションの導入、ベストプラクティスの徹底、カスタムソフトウェアの開発費の削減を実現します。これらにより得られるメリットは、E.ON社の送配電網を利用する顧客にも還元されます。ビジネスプロセスの無駄を減らし、標準化することによって、E.ON社は顧客の要望にますます迅速に、かつ効率よく応えられるようになるからです。
新たなテクノロジーの導入決定の契機となったのは、公益企業であるInnogy(イノジー)社のE.ONグループへの統合でした。E.ON社の送配電事業では、グループ全体での請求処理およびITシステムの標準化を計画しています。まずはビジネスプロセスの効率化から着手し、その効果は早ければ2022年中ごろに現れる見込みです。革新的なクラウドソリューションの導入により、長期的にはグループ全体で40%以上のコスト削減が期待されています。
事業の1つとして送配電事業を手掛けるE.ON社は、ドイツの連邦ネットワーク庁であるBundesnetzagentur(ブンデスネッツアゲントゥーア)が定める規制を遵守しなければなりません。そのための対策が、SAPとのパートナーシップの締結と、安定性に優れた新たなモジュール式オープンプラットフォームの導入です。これにより、データ交換フォーマットの標準化といった将来の新規制への遵守が容易になります。加えて、SAP® Cloud Platformならビジネスプロセスの拡張も簡単です。継続的に進化できるこのプラットフォームを使用すれば、イノベーションの可能性が開けます。
E.ON社のエネルギー供給網担当取締役であるトーマス・ケーニッヒ(Thomas König)氏は次のように述べています。「SAPとのパートナーシップにより、とりわけInnogy社の買収後のビジネスプロセスおよび組織構造の再編が可能になりました。このプロジェクトは業界の新たな標準になるでしょう。新しいプラットフォーム上で自動化と標準化を最大限に推し進めることで、ビジネスプロセスのさらなる効率化を実現できます」
SAPのCEOを務めるクリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。「このたびのE.ON社との緊密な提携は、意思決定プロセスのシンプル化、新たなビジネスモデルの確立、そして持続可能な価値の創出の3点をテクノロジーで実現する、優れた模範になります。それだけでなく、本日の発表はSAPが業種別のクラウドソリューションに精力的に取り組んでいることの現れであり、またデジタル変革のパートナーにふさわしい企業として選ばれていることの証でもあります」
以上
E.ON社について
E.ON社は、国際的な投資会社が所有する公益企業であり、その主力事業は、送配電網の運用と小売事業です。欧州最大級の公益企業として、エネルギーの低炭素化、デジタル化、分散化を率先して推し進めています。それらの目標に向けて、7万5,000人以上の従業員が個人や企業向け、および業種別の製品やソリューションの開発と販売に取り組んでいます。E.ON社は電気、ガス、デジタル化製品のほか、eモビリティや省エネルギー化、環境保護に適した各種ソリューションを提供しており、それらを購入する顧客の数は約5,000万人に上ります。本社はドイツのエッセンにあります。詳細については、www.eon.comをご覧ください。
SAPについて
SAPはインテリジェントエンタープライズを基盤とするエクスペリエンス企業として、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアの市場をリードし、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えています。世界中の商取引売上の77%は何らかのSAPシステムを使用しており、SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術は、企業のビジネスを「インテリジェントエンタープライズ」に変革していくことに寄与しています。SAPは、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com )
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