(本リリースは、4月13日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)と投資会社のDediq GmbH社は、金融サービス分野での提携に合意したことを発表しました。急速に変化する銀行および保険業界へのサービスを改善するため、両社は新しいソリューションへの多額の投資によってSAPの金融サービスポートフォリオを共同で拡張していきます。これらのソリューションはSAPソフトウェアを基盤とし、SAPの総合的なポートフォリオおよび製品ロードマップに組み込まれます。

規制当局の承認が得られ次第、SAPとDediq社は専門の金融サービス業界(FSI)ユニットを共同で設立します。両社はともに、このFSIユニットに資金、テクノロジー、開発に関する専門知識を提供するだけでなく、金融 IT市場において短期間で確固たる地位を築くために必要とされる広範なパートナーエコシステムを活用します。このユニットに対するDediq社の投資額は5億ユーロを超えます。

SAPのCEOを務めるクリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。「Dediq社との提携により、金融サービス業界のお客様のデジタルトランスフォーメーションを実現するためのサポートが大幅に強化され、包括的なビジネス変革を支援する革新的なクラウドソリューションの提供が加速します。金融サービスはSAPにとって重要な業界であり、SAPは今回の提携によってこの市場に対するコミットメントを改めて強調するとともに、強化していきます」

SAPには、金融業界で長年にわたって成功してきた実績があります。世界の上位1,000社の銀行および保険会社のうち、80%以上がSAPのお客様です。新たに設立されるFSIユニットは、コアバンキング、コアインシュアランス、金融業界特有の財務ソリューションにおけるイノベーションを加速させることに集中し、金融サービス業界のお客様のデジタル変革とコスト効率に関するニーズに応えていきます。

SAPエグゼクティブ・ボード・メンバーを務めるLuka Mucic(ルカ・ムチッチ)は次のように述べています。「金融業界市場はSAPにとって大きな可能性を秘めています。この可能性を引き出すために、SAPは他社にはない独自の能力を駆使しエンタープライズレベルのソリューションを提供します。また、Dediq社と共同で既存の金融サービス業界向けポートフォリオを拡張し、銀行および保険業界のプロセスをエンド・ツー・エンドでカバーします。デジタル・ビジネス・イノベーションとクラウドテクノロジーによってお客様の俊敏性向上を支援することが、新しいFSIユニットの最大目標になります。この新ユニットは非常に柔軟性が高く、お客様中心主義に基づき、完全な自律性を持って戦略的方向性を設定します。また、このユニットはSAPファミリーの強力なメンバーにもなります。お客様はSAPの先進的なテクノロジーとFSIユニットの俊敏性を活用し、それぞれのニーズにフォーカスできます」

各業種に合わせたソリューションによって25の業界に完全に対応するインダストリー・クラウド・ポートフォリオ戦略の一環として、SAPは数多くの企業と提携関係を結んできました。そして、今回のDediq社との提携は、この戦略を実行する上で新たなマイルストーンとなります。SAPは、これまでと同様の質の高いエンゲージメントに加えて、新たなFSIユニットが実現する新機能をお客様に提供します。新しいソリューションは銀行および保険業務のプロセスサイクル全体をカバーし、規制要件の遵守をサポートします。これらのソリューションは、統合データを基盤とし、金融業務プロセスをクラウドのSAP® Business Technology Platformに移行できるよう支援します。例えば、銀行向けの商業貸付ソリューションは、オリジネーションから信用リスク評価、再貸付、債権管理までのあらゆる段階を、すべての関連データを1カ所に集約してカバーします。これにより、ITコストと複雑さが大幅に低減されます。

Dediq社のマネージングパートナーを務めるマシアス・トマン(Matthias Tomann)氏は次のように述べています。「新しいFSIユニットの戦略を強く信頼しています。金融サービス業界向けソフトウェアソリューションの未来は、クラウドにあります。SAPのプラットフォームは、銀行や保険会社などの大企業および新しいエコシステムにおけるコア業務のサポートにおいて、他の追随を許さない可能性を秘めています。金融サービスでこのビジョンを現実にすることが楽しみでなりません」

SAPは今後もエンタープライズ・インフォメーション・マネージメント分野のSAPソリューションおよび業種別ソリューションを引き続き販売およびサポートしていく予定であり、その点でお客様にとっての変更はありません。新しいFSIユニットは、商業貸付、リテールバンキング、コアインシュランスなどの主要な金融サービス業務領域と、保険負債の測定および金融商品会計管理に集中的に投資します。新しいソリューションは、SAPテクノロジーとSAP HANA®、SAP S/4HANA®、SAP Business Technology PlatformなどのSAPアプリケーションを基盤とし、SAPの業種別クラウドソリューションとして開発されます。

IDC Financial Insights社のバイスプレジデントを務めるジェリー・シルバ(Jerry Silva)氏は次のように述べています。「現在、金融サービス業界は俊敏性およびイノベーションと、リスク、回復力、規模のバランスを取るという課題に直面しています。今回の発表により、SAPはイノベーションを加速させるお客様のニーズに応えながら、エンタープライズレベルのミッションクリティカルな製品やサービスを業界に提供し続けていくことを表明しました」

新しいFSIユニットは、反トラスト関連の承認を得られ次第、2021年の後半に正式に設立される予定であり、そのための準備は数週間以内に開始される見込みです。

以上

 

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