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SAPとエレン・マッカーサー財団が再生型ビジネスを実現する循環型経済パートナーシップを発表

(本文は、4月7日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

社会が複雑さを増すなか、サステナビリティの目標を共有し合い、達成するためには、業種やセクターを超えた提携が不可欠です。二酸化炭素排出実質ゼロの達成やプラスチックなどの廃棄物の大幅削減をはじめとする今日の課題はあまりにも大きく、この課題に対応するには、新しいバリューチェーンを創り出す必要があります。そして、どの企業においても、単独でそれらを実現することは困難です。

真の変革をもたらし、確実な成果を生み出すには、企業や組織が協力し、ネットワーク、影響力、専門知識を結集して活用する必要があります。

SAPは、エレン・マッカーサー財団とパートナーシップを結び、お客様、非政府組織 (NGO)、パートナーとともに、再生型ビジネスを主体とする循環型経済ソリューションを提供することになりました。

このパートナーシップは、循環型経済への移行を推進する両組織の共同の取り組みを正式に表明するものです。ここでは、廃棄物と環境汚染の根絶、製品と原材料の循環、自然の再生という主要3原則に基づき、ビジネスモデルと制度レベルの革新的な変化により循環型経済を目指します。

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エレン・マッカーサー財団のCEOであるアンドリュー・モーレット(Andrew Morlet)氏は、次のように述べています。「SAPをパートナーとして迎えることができ、嬉しく思います。あらゆるセクターや業種が協力し、システムを転換させ、世界的に循環型経済への移行を加速することが重要です。目指すのは、廃棄物と環境汚染の根絶、製品と原材料の循環、自然の再生を実践する経済です。ここで、テクノロジーが重要な役割を担います。SAPにはぜひ、この分野で主導権を発揮してほしいと考えています」

このパートナーシップでは、次の主要な3つの柱に重点を置きます。

循環型経済の主要な要素に含まれるデザインには、製品デザイン、政策デザイン、制度レベルのデザインなどがあります。エレン・マッカーサー財団によると、世界には1億6,000万人を超えるデザイナーが存在しており、彼らと連携することは、世界の廃棄物問題を解決するために重要です。テクノロジーは、廃棄物問題を解決し、より適切な原材料を選択するための洞察とデータをデザイナーに提供するとともに、生態系のいたるところで状況をより詳細に把握するために重要な役割を果たします。

毎年生産される4億トンものプラスチックのうち、リサイクルされるのはわずか9%に留まっており、プラスチックの問題は、世界の最高レベルの政策決定において緊急な対応が必要であると認識されています。国際連合(UN)の加盟国は最近、プラスチック汚染に関して、法的拘束力のある多国間協定の採択に合意しました。その本文中、製品と原材料の循環型デザインを促進することが重要であると明確に強調されています。国連環境計画のエグゼクティブディレクターを務めるインガー・アンダーセン(Inger Andersen)氏によると、この合意は「パリ(協定)以降、最も重要な多国間の環境政策」だということです。

団結して有意義な対策をとらなければ、海洋プラスチックは、2016年の1,100万トンから2040年の2,900万トンへと約3倍に増加し、脆弱な海洋生態系を荒廃させると予測されています。この恐ろしい状況は、拡大生産者責任(EPR)に基づいた行動を訴えかけています。拡大生産者責任とは、消費者向け製品の管理、処理、廃棄に関して、財政責任を政府から生産者に移転する政策の枠組みです。この政策が、製造業者にとっては、リサイクル可能な割合が高く、より少ない資源で製品を開発する動機づけになり、事実上、根本から廃棄物の発生を防ぎます。

このようなアプローチによって、リサイクルプラスチックの競争市場が生まれ、プラスチック製品に依存する企業にとって公平な競争の場が生まれることを認識しているSAPの主要なお客様は、EPR規制を求めておられ、SAPは、この声をサポートしてきました。

ビジネスにおいてEPRを実用化するためには、テクノロジーが必要であることは明らかです。このパートナーシップを通じて、SAPは、循環型経済を実現するデジタルソリューションに関して、洞察とイノベーションを提供します。「搾取せず、再び満たす」を原則に、企業が利用した資源より多くのものを社会や地球環境に還元しようと努める、再生型の未来を目指します。

SAPは、初めての主要な循環型経済ソリューションとなるSAP® Responsible Design and ProductionをCOP26で発表しました。このソリューションは、SAPの再生型ビジネスのミッションの基盤となり、原材料の利用に関して一貫性のある測定法をグローバルに確立します。企業はこのソリューションを利用して、ビジネスプロセス全体でマテリアルフローに対する可視性を高め、EPR規制を世界規模で管理し、近く導入されるプラスチック税への準備を行い、原材料の選択を最適化できるようになります。

サプライチェーン全体の透明性を高める気候変動ソリューションSAP® Product Footprint Managementでは、製品ライフサイクル全体で製品の環境フットプリントを計算し、製品の環境へのインパクトに対する実用的な洞察を提供することで、二酸化炭素排出量の削減に向けて対策を取ることができます。

サステナビリティパフォーマンスの包括的な管理ソリューションであるSAP® Sustainability Control Towerでは、ビジネスプロセスによる財務および非財務のインパクトを管理・レポートし、経営レベルの意思決定に役立つ洞察を提供することで、企業が持続可能なビジネス成果を優先させることを可能にします。

最後に紹介する、SAPが最近開始した新しいクラウドサービス、SAP® Cloud for Sustainable Enterprisesは、包括的なサステナビリティパフォーマンスの測定、管理、最適化に役立ちます。

SAPは50年以上にわたり、企業全体にわたるリソースを管理し、ビジネスプロセスにデータを組み込み、世界中の企業や業界を結び付けてきました。この経験を基に、持続可能な経営を実践する企業のためのソリューションを構築する上で、SAPは独自の地位を築いています。

SAPの循環型経済ソリューション担当グローバル責任者を務めるスティーブン・ジェイミソン(Stephen Jamieson)は、次のように述べています。「今回のパートナーシップは、再生型ビジネス主体の循環型経済を実現するという互いの目標から生まれたものです。私たちは、重要なデザイン上の課題を革新的なソリューションで解決するために協力し、拡大生産者責任に取り組んで、目標達成を目指します。これは、循環型経済の実現に必要とされる公平な競争の場をもたらす、唯一最重要の政策介入です。私たちはともに、この政策介入をシンプルで消費可能かつ実行可能なものにするためのソリューションを開発し、提供できるよう取り組んでいます」

以上

 

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