企業経営の最適化を支援している SAP は、すべてのお客様には独自のビジネスニーズがあり、彼らがデジタルトランスフォーメーションを推進するためには、独自のソリューションを必要としていることを認識しています。私たちは Enterprise Resource Planning (ERP) 市場のリーダーとして、パブリック・クラウド・ソリューション、プライベート・クラウド・ソリューション、または両方の組み合わせのいずれであるかにかかわらず、デジタルトランスフォーメーションを成功させるには、自動化、カスタムアプリケーションやカスタムプロセス、またカスタマイズ可能なビジネスサイトが必要であると理解しています。
この課題に対応するため、SAP は、RISE with SAP および GROW with SAP オファリングに SAP Build ポートフォリオを追加したことを発表しました。
SAP Build ポートフォリオには、SAP® Business Technology Platform (SAP BTP) を基盤として統合された、ローコードソリューションが含まれています。このソリューションを使用すると、ビジネスの課題に最も近い人(財務マネージャー、サプライチェーン担当者、製造エキスパート)が、シンプルなドラッグ&ドロップ操作で、Web アプリケーションやモバイルアプリケーションの作成や拡張、ビジネスサイトの設計、面倒な反復プロセスの自動化を実現できるようになります。SAP Build ポートフォリオは、充実したコネクターのライブラリーを備えているため、SAP アプリケーションとネイティブに統合して、IT 環境の複雑さを低減しながら、高いスケーラビリティを実現できます。
今後の開発手法としてのローコード
企業は、俊敏性と柔軟性を高めるために、クラウドファースト戦略を再構築しています。しかし、デジタルトランスフォーメーションに対する高い需要があるにもかかわらず、クラウド・ネイティブ・アプリケーションと共にビジネスプロセスを開発できる人材は依然として大幅に不足しています。
従来、ビジネスエキスパートは社内の技術者と連携してソリューションを作り、実装に向けてモックアップやワイヤーフレームを作成したり、開発、テスト、ステージングを行ったりしていました。このプロセスは、現代の業務部門のニーズを満たしていません。今日のビジネスエキスパートは、Python、JavaScript、Swift などのコーディング言語を習得することなく、自らのタイムラインでアプリケーションを速やかに作成できることを必要としています。
以下は、IDCによるデータです。
クリックすると拡大されます。出典:「The Low-Code Development Imperative」、IDC、2021 年 11 月、「Breaking the Code – How Low Code is Changing Development」、IDC、2022 年 5 月。
SAP S/4HANA® Cloud のお客様は、SAP Build でどのように成功を収めているのでしょうか ?
SAP Build ポートフォリオのようなローコードソリューションが利用できるようになったことで、企業はビジネスニーズと開発要件の間のギャップを埋めています。ミッションクリティカルな ERP プロセスの最適化とはまさに、企業経営を最適化するのと同じことなので、このことは、ERP のお客様には特に重要です。ビジネスユーザーは、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのか、そして提案すべき最適な改善策は何なのかを理解しています。SAP Buildソリューションは、SAP S/4HANA Cloudのビジネスエキスパートを以下のようにサポートします。
- SAP Build Process Automation で ERP プロセスを最適化:50 年以上にわたり、お客様には、ミッションクリティカルなプロセスを SAP にお任せいただいてきました。SAP Build Process Automation を使用すると、お客様は、ロボティックプロセスオートメーション (RPA) でミッションクリティカルなプロセスを最適化して、自動化、ワークフロー、ビジネスの意思決定に対応できます。SAP Build Process Automation には、自動化プロジェクトをすぐに開始できるように、一般的な SAP S/4HANA Cloud のシナリオに合わせて事前構築されたボットとワークフローが含まれています。Alma Media 社は、反復作業を自動化することによって、決算プロセスを高速化しました。
- SAP Build Apps で SAP S/4HANA Cloud の拡張:SAP Build Apps を使用すると、専門的なコーディングの経験なしで、誰でもエンタープライズアプリを構築できるようになります。開発コストを削減する一方で、iOS デバイスと Android デバイスのどちらのアプリも簡単に作成し、シームレスに統合して速やかに拡張することができます。オンボーディングプロセスを最適化した Qualtrics 社は、カスタマーエクスペリエンスとカスタマーエンゲージメントの大幅な改善に成功しました。
- SAP Build Work Zone でビジネスサイトの作成:SAP S/4HANA Cloud など、複数のアプリケーションにアクセスする必要がある従業員向けに、役割別のデスクトップを作成します。また、サプライヤーなどの外部ステークホルダー向けに、SAP S/4HANA Cloudの適切な機能や情報 へのアクセスをセキュアに提供することもできます。例えば、流通業者ポータルサイトを作成し、注文状況の表示、与信限度額の増額申請、製品トレーニングの提供を可能にし、流通業者の満足度と効率を大幅に高めることができます。
一般に複数のマニュアルステップと複雑な承認が必要な、請求書管理などのシンプルなビジネスシナリオについて検討してみましょう。初めに、SAP Build Apps でモバイルアプリを構築すると、請求書と領収書が簡単にアップロードできます。この操作によって、SAP Build Process Automation で承認ワークフローが自動的にトリガーされ、組み込まれた人工知能 (AI) によって請求書の詳細情報が抽出されます。購入が承認されたら、SAP S/4HANA Cloud のデータを更新して、支払いプロセスを直ちに開始できます。
このタイプの前処理は、SAP S/4HANA Cloud の標準的なワークフローを呼び出す前に実行されたり、組織ごとのカスタマイズが必要とされることがあります。さらに、承認リクエストやその他のタスクは SAP Build Work Zone で簡単に共有できるため、ビジネスユーザーは 1 カ所ですべての操作を追跡できます。最大の利点は、ゼロから始める必要がないことです。SAP S/4HANA Cloud ユーザー向けの一般的な自動化シナリオに基づいて、私たちは SAP Build をベースにした事前構築済みコンテンツを豊富に作成しています。
SAP Build と SAP S/4HANA Cloud の活用例を 仮想の製造業Velotics社 のデモでご覧ください。
今すぐ始めましょう
SAP S/4HANA Cloud に対して SAP Build ポートフォリオをプロビジョニングする方法の詳細については、SAP Build ポートフォリオの製品ページをご覧ください。また、SAP S/4HANA 固有の事前構築済みコンテンツについては、こちらの e-Book をご覧ください。
JG キラピュラは、SAP BTP の最高マーケティング&ソリューション責任者です。
エリック・ヴァン・ロッサムは、SAP Cloud ERP の最高マーケティング&ソリューション責任者です。