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人事部門のリモートワークを阻む人事文書

人事データは人事システムで管理されていると思いがちですが、企業の現実としてはデータ化されていない紙の人事文書や、ExcelやWord、PDFなどの電子ファイルで保管されている人事情報の方が多いのではないでしょうか?

人事業務において、人事部門が管理・保管しなければならない書類は多岐に渡ります。雇用契約書、人事通達、労働者名簿、賃金台帳から始まり、従業員から提出してもらう様々な個人情報書類等。あるものは法定で保管すべき年数が決まっており、あるものは定期的に更新しアップデートを掛ける必要があります。

こうした人事文書はいつしか膨大な量に膨れ上がり、何十年も引き継がれて膨大な人事文書のファイルが倉庫やキャビネットのスペースを圧迫し、その参照や管理のために出社が必須であるという人担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

また紙の書類をやりとりするために、対面で受け渡しする、あるいはコストをかけて郵送で受け渡すケースもあるかと思います。このやりとりは、業務上非効率で費用がかさむだけでなく、個人情報が記載された機密文書の紛失や情報漏洩のリスクも伴います。

個人情報保護の厳しいガイドライン

個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)によると、「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などによって特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができるものを含む。)」、又は「個人識別符号が含まれるもの」と定義されています。

https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230401_guidelines01.pdf

この意味で、従業員の名前と従業員番号が記載された人事文書は、ほぼ全てのケースで「個人情報」とみなされることになります。なお、ガイドラインに「コンピュータを用いていない場合であっても、紙媒体の個人関連情報を一定の規則に従って整理・分類し、特定の個人関連情報を容易に検索することができるよう、目次、索引、符号等を付し、他人によっても容易に検索可能な状態に置いているものも該当する。」とありますので、紙の状態でファイリングされたものも、「個人情報データベース」に含まれます。

「個人情報取り扱い事業者」となる企業が、対応しなければならないポイントは下記の通りです。

  • 利用目的を本人に通知、または公表
  • 個人情報取り扱いに関する本人の同意取得
  • 個人データの正確性の確保
  • 利用する必要がなくなった個人データの遅滞ない消去(法定管理期間を超えたデータの削除)
  • 個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止のための安全管理措置

このように個人情報保護法が施行され、これまで以上に厳密な個人情報へのアクセス制御が必要になった現在、従業員の人事文書はどのように管理したらよいのでしょうか?

文書管理ツールという選択

ここまで見てきたような、大量の文書の管理を効率的に行い、個人情報保護の要件を満たすために、文書管理の専用ツールを利用するという選択肢があります。
キーマンズネットが2021年に実施した「文書管理ツールの利用状況」 に関するアンケート結果によると、文書管理ツールはビジネス文書の保管や利活用、ライフサイクル管理、情報保護などを目的に導入が徐々に進んでおり、アンケートに「導入している」「導入しており、リプレースを検討している」「導入を検討している」と回答した企業は全体の56.5%にのぼりました。

図1キーマンズネット 文書管理ツールの利用状況(2021年)/前編記事から筆者作成
図1キーマンズネット 文書管理ツールの利用状況(2021年)/前編記事から筆者作成

https://kn.itmedia.co.jp/kn/articles/2107/01/news034.html

また、文書管理ツールを導入済み、もしくは導入検討中の企業における目的についての調査では、「業務効率化」(67.1%)や「ペーパーレス化や文書の保管スペース削減」(60.0%)、「社内ナレッジ活用」(38.8%)などの目的が上位に挙がっていますが、「バージョン管理」(25.9%)や「ISOなどの取得・維持のため」(15.3%)というコンプライアンスを意識した目的は増加する傾向にあり、このような要件に対応するために、文書管理ツールを使う企業が増えていると言えそうです。

図2キーマンズネット 文書管理ツールの利用状況(2021年)/前編記事から筆者作成
図2キーマンズネット 文書管理ツールの利用状況(2021年)/前編記事から筆者作成

 
人事システムでは、権限管理が厳密に行われることが最も重要な要件となっており、情報の種類によって誰が・誰の・どんなデータにアクセスして良いかを細かく制御しています。しかしながら、人事文書が紙や電子ファイルになった途端、その厳密なアクセス制御は適用されず、運用上のリスク管理が個々の操作者のリテラシーに依存してしまうケースは多く見られます。

OpenText Extended ECM(Enterprise Content Management) for SAP SuccessFactorsは、SAP SuccessFactorsと一体化した文書管理ソリューションにより、上記のような個人情報を含む人事文書を、安全かつ効率的に管理することが可能にします。

こちらのソリューションに関して、SAPおよびオープンテキスト社が共催で、6月21日(水)にオンラインセミナーを開催いたします。※終了しました。

本セミナーでは、SAP SuccessFactorsのデータを埋め込んだ人事文書の生成や自動保管、厳密なアクセス管理の様子などを、実際の画面イメージをご紹介しながら、エキスパートがご紹介させて頂きます。

文書管理に課題をお持ちの方、契約更新プロセス等の効率化に興味をお持ちの方は、こちらより参加登録をお願いいたします。※終了しました。

オンラインセミナー詳細

  • 日時:2023年6月21日(水)13:00-13:55 ※終了しました。
  • タイトル:リモートワーク時代に求められる人事文書ペーパーレス化
    ~入社・契約プロセスの効率化と個人情報保護法対応を実現~
  • 対象:人事部門、人事システム管理部門の皆様

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