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SAPジャパン Talent Attractionチームによる本企画では、SAPでの仕事内容や印象深いエピソードなどを幅広くお届けします。活躍する社内メンバーの話から、SAPで働く魅力をお伝えできればと考えています。

第18回のインタビュイーは、クライアントデリバリーマネージャーの糟谷良太さん。

2014年にSAPに入社して、もうすぐ10年。当初からクラウドソリューションの導入支援に携わってきた糟谷さんから見て、IT業界におけるクラウドの世界はどのように変化してきたと感じるでしょうか。

クラウドを取り巻く環境の変遷

「クラウドプラットフォームの観点から言うと、私が入社した頃は、SAPがデータセンター機能を単独で提供するソリューションだったのが、世界的に名の知れた大手IT企業たちとコラボレーションをしながら、当初よりもずっと堅牢なものになってきたイメージが強くなりました。

SAP自体もクラウドカンパニーへシフトしていて、お客様に対しての提案もクラウドを前提とする傾向が強まっています。また、10年前よりもお客様自身もクラウドに対する理解が進んでおり、いまは世の中全体として『みんなでクラウドで行くぞ!』という風潮を感じますね」

糟谷 良太さん クライアントデリバリーマネージャー(CDM) APJ Japan
糟谷 良太さん クライアントデリバリーマネージャー(CDM) APJ Japan

CDMがお客様のDX化を支える

「そんな中、私が務めるクライアントデリバリーマネージャー(CDM)としての仕事は、お客様の基幹システムをオンプレミス(自社でシステムを構築し管理する方式)からクラウドのシステムへ移行するプロジェクトのお手伝いをすることです。

クラウドへ移行するプロジェクトの総合窓口となり、SAPとしてお客様に対するアカウンタビリティ(説明責任)を果たす役割を担っています。

クラウド化することで、『ITの大衆化』と『業務効率化』を視野に入れて、お客様が新しいビジネスモデルや業務プロセスを構築する、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)化をお手伝いしたいと考えています。

ただ、クラウド化により、最初はやはりそのシステム自体がお客様からは見えづらくなるレイヤーがでてくるんです。だからその分、出来るだけお客様に寄り添ってきちんと説明することで、透明性を保ちながら、お客様の業務プロセスの最適化をサポートします」

「真意」を読み取り、その本音に対して応える力が必要

「このポジションで一番大事なのは、コミュニケーションです。プロジェクトって、本当に生き物なので、毎回全く違うことが起きるんですよ。

お客様ごとに求められことは違うし、トラブルは付き物。これまでオンプレミスで運用していたことを、クラウドのシステムへ移行することによって、最初は業務がやりづらくなってしまう場面もでてきます。

以前、システムトラブルが続いて 『いつまで動かないんだ!』とお叱りを受け、昼夜問わず対応に追われた案件がありました。自責で悩んでいる中、あるときお客様に呼ばれて、こう言われたんです。

『お前を責めているわけじゃない。ただ、開発部隊など現状打破できる人に伝えて、お前が対応策に繋げてくれると信じているから言っているんだ』と。

この出来事がきっかけで、何か問題が発生しても、うまく切分けながら考えられるようになりました。確かに、システムの問題なのであれば、エンジニアではない自分だけでは何も解決できません。システム自体をFIXするのは技術屋さんや、主にインドなど海外のリソースがメインなので。

でも、お客様との信頼関係を構築するのは、対面しているCDMの役割です。

だから、自分のポジションにおいて大事なことは、多様な相手に興味を持って『この人は一体どう考えているのだろう』『この発言の裏にはどんな意図があるのだろう』と突き詰めて考えて対応していくことだと気づきました。いわば、『傾聴力』が重要なんです。

お客様の発言の真意を深く考えて対応し、結果的には『想定通りだった!』となるケースもあるんですよ。そういうときは、『やっぱりそうだったのか。バッチリ、ハマったなぁ!』と思えて、面白いですよ。

プロジェクトの中で色んな問題が起きても、どうにかして解決させて、最終的にはクラウド上でお客様の業務が出来るようになる=”Go Live”させること。ここにたどり着くまでのさまざまな過程を乗り越え、お客様に感謝していただけるときが、この仕事にやりがいを感じる瞬間ですね」

中には3~4年経っても、Go Liveまでたどり着かないプロジェクトもあるのだとか。長い道のりの中、お客様と向き合って問題解決していく糟谷さんの役割は絶大ですね。

仕事をする場所としてのSAPについて、どのように感じるのかをお聞きしました。

SAPに居る理由-ここでなら自分の成長は鈍化しない

「SAPは、働きやすいと思います。ただし、厳しさはありますよ。前職は、事業会社の社内ITだったので、お客様と接することもなかったんです。

それはそれで楽しかったけれども、いまの仕事のように、お客様からレベルの高い要求があったり、システムトラブルの対処のために迅速に考えて動き、プロジェクトメンバーを動かして解決しなければならないような難易度の高さや厳しさはありませんでした。

いまの仕事は、厳しいからこそ、プロジェクトを通じて気づきも増える。不安があるからこそ、自分の中で『伸びしろ』を発見できる。そんな気がしています。

社会人になってから、SAPが4社目なのですが、1番長く在籍しているのはここなんです。それは、SAPで自分の成長を感じ続けられているからなのだと思います」

日常とは離れた場所で、新たな学びに出会える機会も

「業務外では、SAPのCSR活動の一環で、世界中から手を挙げたメンバーが集められて、海外のNGO団体をお手伝いする1カ月間のプロジェクトに参加したことがあります。

メキシコのNGOに派遣されて、現地の人たちにたくさんヒアリングをして、課題とその解決策を提示するプロジェクトでした。世界中から集められたメンバーと『ああでもない』『こうでもない』と、いろいろと話し合いを重ねながらゴール設定をして、一緒に取り組みました。良き仲間になれて、面白かったですね。

メキシコ現地の人に話を聞き、課題解決を考えるなんて、日々の仕事とは内容が全く違います。『コンフォートゾーン(自分の居心地の良い場所)』から抜けるような、新鮮な経験でした。

自分にとって未知の分野に触れるときって、自分が周囲に恐れを見せてしまうと、相手からも距離を置かれてしまうもの。けれども、こちらが笑顔で接すれば相手も笑顔になるもので、ポジティブが伝染していくものだったりします。そういうことも、現地で体感することができました」

自分の殻を破りながら、自分でチャンスを広げていく

「実はキャリアを積み重ねていく環境についても、同じことが言えると考えています。

周りの環境というのは、自分の行動が鏡に映っているようなもの。自ら積極的に行動すれば、より大きな助けやサポートが得られるし、それがキャリアを切り開くファクターになっていくのだと実感しています。

SAPは、主体的に動けば、多くの学びを得られる環境です。

転職してから最初の1年は、仕事を覚え、不安との戦いで一杯だったのですが、最近はそのようなSAPの良いカルチャーを活かしたいと思うようになったし、これからも継承していきたいと考えています」

飛躍を目指すマインドは、仲間との共通の価値観

「また、SAPに長く在籍している理由の大きな要素として、一緒に戦い、一緒にゴールに向かって助け合える仲間の存在も大きいです。

仕事には、大変なことも面倒なこともたくさん起きるけれど、ただ黙々と仕事に取り組むのではなく、楽しむことも必要です。

仲間とは『やるか、やらないか』という場面において、『やるか、超やるか』の二択で話をしているんですよ(笑)。同じ目線で仕事ができて、同じように成長意欲の高い仲間がいるので、ポジティブになれるんです」

「やるか、超やるか」の二択!糟谷さんのストイックな向上心と自己研鑽の精神が表れていますね。

最後に、SAPのキャリアパーソンとして、今後の展望についてお聞きしました。

目指すは”WIN BACK!” ー 日本が再び世界で勝つために

「いま、ようやく日本企業もクラウド思考が浸透してきていると同時に、まだまだいろんな技術変化もあり、複雑性もあります。それらすべてを含めて、面白いところです。いまのこの仕事には、大きな将来性があると感じています。

SAPは、グローバル企業でありスケールも大きい。だからこれからSAPを通じて、日本のフラグシップ企業、むしろ日本産業全体を、もう一度世界に名だたるエクセレントカンパニーたちのように引き上げたい=”WIN BACK(勝ちを取り戻す)”したい、と考えているんです。

不確実が高いこの時代だからこそ、世界の名だたる企業と同様に、日本企業だって頻繁にニュースで取り上げられたり、世界から『何か変革を起こしているな』と思われたりと、もっと広く認知されるようになったら良いなと考えています。

そういう大義名分に向けて、少しでも自分が貢献出来たとしたら、SAPにいることに誇りを感じられるし、価値が大きいことだと思います。

楽しく仕事をしながら自分の人生を充実させるには、『やるか、超やるか』が肝なんです!これからSAPに入ってくれる人たちとも、同じ目線で一緒に頑張れたら嬉しいなと思っています」

糟谷さんの力強い言葉に、日々の充実度の高さと、成長意欲の強さを感じます。

まだまだ変化が大きいクラウドやDXの世界。日本におけるビジネスを再び勝ち誇れるものに引き上げてもらうべく、今後も多くのプロジェクトでの活躍を期待しています。

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