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プラットフォームを活用したリスキリングと学習エクスペリエンス向上【イベントレポート】

フィーチャー

2024年2月21日、世界No.1の企業向け語学研修プロバイダーのgoFLUENTと、同社のプロダクトであるランゲージ・アカデミーの導入企業である日立アカデミーを特別ゲストにお招きし、導入事例をご紹介しました。当日は、SAP SuccessFactorsとgoFLUENTの語学コンテンツを連携させることによる、企業と学習者にとっての利点をご紹介する有意義なイベントとなりました。
本ブログでは、そのイベントの様子やそこでご紹介をしたgoFLUENT社の語学コンテンツと連携することの利点をお伝えします。

goFLUENT社のご紹介

goFLUENTは、20年前にフランス人の創業者であるChristophe Ferrandou(クリストフ・フェランドゥ)により立ち上げられた会社です。当社は語学を加速して人々に等しい声を与えるミッションをもって事業を展開しています。また、BtoBに特化しており、世界20カ国に事業展開し、約400人の社員と1,000人以上の講師を擁し、世界100カ国以上、200万人以上の学習者にサービスを提供しています。

そして、同社は、企業内語学学校を支援するためにランゲージ・アカデミーLXP、LMSと連携してご利用いただけます。プログラムには初級クラス、1on1レッスン、AI搭載のライティングレッスンなどが含まれています。また、日立グループなどの大規模な企業では、goFLUENTを語学研修のプラットフォームとして採用しており、リスキリングプログラムの一環として活用されています。

 

リスキリングの必要性

登壇者の株式会社日立アカデミーの鳥居様は「最近のトレンドとして、急速な世の中の情勢や経済情勢の変化、技術の急速な進歩に触れました。同じ職種でも、要求されるスキルや能力が日々変化する時代で、従業員の皆様が活躍していくためには、絶えず学び続けるリスキリングやアップスキリングが不可欠である」と述べます。

リスキリングの必要性について、皆様も耳にされたことがあるかと思います。デジタル関連業務におけるスキルや知識の獲得が求められる中、最近注目される理由は大きく 3 つあります。

まず、激しく変化する世の中のDX実現の加速に向けてデジタル人材を育成する必要性が挙げられます。次に、AIや機械学習などの最新技術を活用し業務プロセスを自動化し、効率的な働き方を確立するためです。そして、海外では人材不足とそれに伴う採用難からリスキリングの動きが広がっており、国内でもその重要性が増していることが挙げられます。
全体として、従業員のスキルを最新のトレンドや技術に合わせて強化することが企業にとって重要であり、それにより競争力を維持し、新たなビジネスチャンスを見出し、イノベーションを推進することが可能となります。これは企業の成長だけでなく、社員の成長やデジタル時代における効率的な働き方への適応を促進するものと言えます。

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将来を見据えたリスキリング

企業からの積極的な介入による学びの活性化

リスキリングの必要性から企業の積極的な介入により学びを活性化させる取り組みについても鳥居様は共有されました。日立アカデミーでは、本人のマインドセット変革、上長のマネージャトレーニング、目指すジョブにつながる学習コンテンツ、そして学びの習慣化を促進するためのLearning Experience Platform(以下、「LXP」と略す)の導入を行ったと述べられました。LXPにはgoFLUENTの語学学習とLinkedIn Learningがコンテンツライブラリーとして連携されています。

しかしながら、これらの施策の策定が終わりではなく、施策を効果のあるものにするためには、適切な行動介入が必要です。これを検証するため、日立アカデミーでは、300人のボランティアを集め、2 つのグループに分けてLXPのみ提供したAグループと、学習を活性化するための行動介入を追加したBグループで効果測定を行いました。

行動ステージモデルを用いて、それぞれの学習者の状況や関心度などを捉え、状況に合わせた施策をされたとのことです。

行動介入には、メール配信、短時間で学べるコンテンツの提供、コミュニティの形成、グループ内での情報交換、そして学習習慣の強化キャンペーンが含まれています。その結果、行動介入があった方が学習受講数が多かったことが示され、学習を活性化するための行動介入の重要性が確認されました。

リスキリングの対象者

リスキリングの対象者についても、要員計画やヘッドカウントについて悩むお客様からは、対象者の選抜方法に関する問い合わせが寄せられることがあります。日立アカデミーでは、全員を対象とする方針を取っているとのことです。その理由として、DE&Iの観点から特定の個人にのみ提供することが公平性に反し、選ばれなかった人にネガティブな影響を与え、従業員のエンゲージメント低下につながりかねないため、全員を対象とする方針を採用していると説明します。

SAP SuccessFactorsを活用したリスキリングへの取り組み施策

日立アカデミーやgoFLUENTの製品紹介と共に、弊社からはSAP SuccessFactorsを用いたリスキリングへの取り組み施策もご紹介させていただきました。SAP SuccessFactorsを活用した施策は大きく分けて 3 つあります。まず、豊富な学習コンテンツとの連携、次に、取り組みを支える多様な施策、最後にAI搭載ソリューションです。

豊富な学習コンテンツとの連携に関しては、SAP SuccessFactorsのホーム画面からgoFLUENT ポータルへワンクリックでアクセスできるようになっています。また、SAP SuccessFactors LMSから学習コンテンツを呼び出すことも可能ですので、シームレスにご利用いただけます。さらに、SAP SuccessFactorsでは、goFLUENTやUdemy、Linkedinなどのサードパーティ製品とも簡単に連携することができます。これにより、多様なコンテンツを提供し、受講者のレベルや学びのニーズに合わせることが可能です。

次に、取り組みを支える多様な施策についてです。SAP SuccessFactorsにはリスキリングを支援する多様なソリューションがあり、それらを組み合わせてタレントインテリジェンスハブと呼んでいます。これらのソリューションは、社員のリスキリングだけでなく、その後の異動や配置、後継者管理、採用管理など、様々な立場のユーザーをサポートします。

社員はキャリア開発計画において、理想と現実のギャップを把握し、それを埋めるための目標や計画を構築することができます。また、マネージャは部下の成長を促進させるために、キャリア情報を共有し、学習コンテンツやスキルの提案を行います。これにより、コミュニケーションとエンゲージメントが向上します。また、人事および事業責任者は、これらのデータを活用して将来の人材計画や後継者管理などを正確に把握することができます。

そして、SAP SuccessFactorsは、社員の学習経験だけでなく、上司からのキャリア支援やリスキリング後の人材の活用までサポートしています。さらに、これらのプロセスに最新技術であるAIを活用し、従業員エクスペリエンスを最適化しています。

弊社では、現在ビジネスのAIとして大きく 3 つに力を入れています。まず、人材データベースを分析し、個々の社員にパーソナライズされた経験を提供する機械学習AI。次に、ChatGPTで有名になった生成AIを、SAP独自に取り入れた生成AIソリューション。そして、チャットボットを使って迅速に人事に関する回答がもらえたり、タスクを実行できたりする会話型AIです。

当日はその中でも機械学習AIについてご紹介しました。社員の成長を促進するための基盤として、成長ポートフォリオがありますが、社員自身では気づかなかったコンピテンシーやスキルを提案する機能を備えています。例えば、オポチュニティーマーケットプレイスでは、ポートフォリオの登録されている属性情報を基に社員に最適な成長機会を提案します。Dynamic teamsでは、属性情報とプロジェクトチームのマッチングを行い、ミスマッチを防ぐことで一時的なプロジェクト組織を効果的に管理します。Learningでは、社員が獲得したいスキルに基づいて最適な学習コンテンツを推奨します。これらの機能はリスキリングを中心に据え、他のタレントマネジメントモジュールとシームレスに連携することで、個々に合わせた人材開発をサポートします。

皆さんの中にも、能力開発における影響度を示す 70:20:10 の法則(人が成長するには、7割は具体的な経験、2割は同僚からのフィードバック、そして1割は豊富な学習コンテンツ)を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、このすべてのプロセスを網羅できるのがSAP SuccessFactorsの強みでありその一部を当日ご紹介させていただきました。

本ブログが皆様の人事施策検討のお役に立てますと幸いです。

また、SAP SuccessFactorsではこれからも皆さんがご興味を持っていただけるイベントを沢山開催していく予定です。ご機会あれば是非ともSAP SuccessFactorsのイベントにご参加ください。お待ちしております。