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【イベント開催報告】 テクノロジーを活用したデジタル変革時代の要員計画

Financial Business Analytics Data Dashboard. Analyst Woman

2024 年 3 月 7 日(木)に、「テクノロジーを活用したデジタル変革時代の要員計画」と題したセミナーを開催しました。
当セミナーでは、要員計画シナリオをベースに、新しいテクノロジーを活用することでどのような変革を行えるのか、具体的なデモンストレーションを交えながらご紹介しました。企業の人事部門を始め、経営企画部門や、これらに携わる IT 部門や DX 部門の方々にご参加頂き、開催後のアンケートでは回答いただけた参加者の 9 割以上から「満足」以上の回答をいただき、大変満足度の高いセミナーとなりました。
本ブログでは、このセミナーの概要をお伝えします。


戦略的かつ継続可能な要員・人件費計画の重要性

まず、SAPジャパン 人事・人財ソリューションアドバイザリー本部の井上より、要員人件費計画の全体像や重要な観点についてご紹介しました。

■ 要員人件費計画の全体像

要員人件費計画は、企業の中長期ビジョン・中期経営計画や予算計画をもとにして作成します。経営や事業計画の達成のためには、どのようなスキル・能力・経験を持った人材が、いつまでに、何名必要であるのかといった動的人材ポートフォリオを定めることが重要です。同時に、予算計画も達成するためには、人件費の観点で従業員数や報酬金額も考慮に入れたヘッドカウントプランを立てることも重要です。

動的人材ポートフォリオにおいて人材が不足する領域については、社外からの採用、社内の人材育成やリスキリングの施策を行います。ヘッドカウントプランを立てるためには、どの事業部、どの部門や部署に何名の従業員が所属しているのかを正しく管理する必要があります。また、ヘッドカウントプランは正社員だけではなく派遣社員などの契約社員も含める方が良いケースもあります。

これらの採用、育成、リスキリング、組織管理、人事管理は、日々の人事部門におけるオペレーションへと繋がり、従業員に給与や賞与が支払われ、その金額は人件費として管理会計へと連携し、さらに今年度の人件費の実績や次年度の人件費予算計画へとプロセスとデータが繋がっていきます。

■ 要員人件費計画の 2 つの観点

要員人件費計画における動的人材ポートフォリオとヘッドカウントプランは、それぞれ「中長期での量と質の転換」と「来期/短期での量と質の確保」という 2 つの観点に整理できます。その上で、

・どこが現在の従業員で埋められていないのか?

・外部要員に頼っても構わない業務はどこなのか?

・どんな経験や素質を持つ従業員が必要なのか?

・どういった育成や経験が必要なのか?

・売上や利益と比べて適切な社員数であるか?

・どの事業に何名の採用が適切なのか?

といった点を考慮することで、より妥当な計画を立てることができます。そのためには、全社や事業別の従業員数や一人当たりの売上高や利益、採用数や離職率、毎年の昇給率といった人事や経理財務の管理データが必要になります。加えて、従業員個人の持つスキルや能力(コンピテンシー)、業務経験、行動特性や強み、キャリア志向などのデータを合わせることによって、従業員の志向を尊重することも可能となります。

SAP の要員・人件費計画ソリューション概要とデモンストレーション

続いて、SAPジャパン ビジネステクノロジープラットフォーム事業部の植村より、SAP Analytics Cloud のご紹介と SAP Analytics Cloud を用いた要員人件費計画の業務プロセスについて、システムのデモンストレーションを交えながらご紹介しました。

■ Excel による要員人件費計画の課題

多くの企業様では、Excel などの表計算ソフトを利用して、要員人件費計画を行われていることが多いと思います。Excel での計画は便利な反面、以下のような課題もお伺いします。

・計画のもととなる実績データの収集に時間がかかっている

・Excel のフォーマット管理、ファイルの収集やタスク管理などの取りまとめが難しい

・データ集計やバージョン管理が困難で、ファイルが複数となり、集計後に予算の根拠が不明になってしまう

・計画はできるが進捗を随時追うことができず、形骸化してしまう

要員・人件費管理のシステム化

あるべき姿としては、分析と計画を 1 つのシステムに統合し、過去の分析をそのまま計画に生かすことができる事です。ユーザーは 1 つのシステムにアクセスして分析と計画をシームレスに行うような仕組みが必要になります。具体的には、以下のような内容が実現できる仕組みです。

・予実のデータを一元管理でき、必要なデータの収集に時間がかからないこと

・ユーザーは一つのシステムで分析と計画をシームレスに行うことができること

・複数人での作業・コミュニケーションが可能であり、取りまとめがしやすいこと

・必要なデータの自動連携やバージョン管理ができること

・計画後の進捗を管理し、可視化でき、継続改善していけること

これらを実現できる SAP のソリューション:SAP Analytics Cloud

SAP Analytics Cloud は、データの可視化・分析を行うビジネスインテリジェンス BI の機能と、予算計画をおこなうプランニング機能、機械学習を活用した予測分析の機能を 1 つのプラットフォームで提供しています。

SAP Analytics Cloud では「来期・量と質の確保」と「中長期・量と質の転換」の両方の観点で要員・人件費計画を行っていただくことができます。

「来期・量と質の確保」の観点ではヘッドカウントや FTE の計画、人件費の計画、非正規要員の計画を行っていただくことができます。「中長期・量と質の転換」の観点では、スキルギャップ分析・スキルベースの要員計画、中期経営計画目標ベースの要員計画、また要員計画への AI 活用では退職者のリスクを機械学習で予測を行って要員計画に反映するなどといった様々な計画を行うことが可能です。

SAP Analytics Cloud では開発にあたっては事前定義済みのテンプレートベースの導入や要件に合わせて一から開発することが可能であり、短期、中長期、量、質の様々な計画に柔軟に対応可能なソリューションとなります。

セミナーではその後、「来期・量と質の確保」と「中長期・量と質の転換」の観点で、SAP Analytics Cloud が標準で提供しているテンプレートを用いたデモンストレーションを交えて、要員人件費管理の業務例をご紹介しました。

まとめ

本ブログでは、2024 年 3 月 7 日(木)に開催された「テクノロジーを活用したデジタル変革時代の要員計画」セミナーの概要をご紹介しました。
要員人件費計画に関するご相談や、SAP Analytics Cloud のデモンストレーションをご希望のお客様は、弊社の営業担当にお問い合わせください。
その他、人事給与勤怠の人事基盤システムや従業員の自律的キャリアや人材開発に関するご相談、人事領域への生成 AI 活用のご相談も増えてきております。SAP SuccessFactors や SAP Fieldglass などの人事業務関連ソリューションにご関心を持たれた場合にも、ぜひお声掛けください。

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