エネルギー業界では、脱炭素化への対応、グローバルプロジェクトの複雑化、多様な人材の活用が加速しています。従来の年功序列型から実力主義への転換、自律的なキャリア形成の推進、デジタル技術を活用した人材マネジメント―これらをどう実現するかが、多くの企業にとって喫緊の課題です。
株式会社INPEX は、大規模な人事制度改革に取り組み、平等主義からフェアな人事制度へと転換。職務型制度の導入、任期制の実装、タレントマネジメントシステムの構築を通じて組織変革を推進してきました。本ウェビナーでは、同社の人事ユニット 人材マネジメントグループ マネージャー 印南宏太氏が、人事制度改革の挑戦と苦悩、そして今後の展望について語りました。
〇ご登壇者
株式会社INPEX
総務本部 人事ユニット 人材マネジメントグループ マネージャー
印南 宏太 氏

新卒で INPEX に入社し、以来 15 年以上人事領域を中心に従事。採用、育成、海外人事を経験後、大規模な人事制度見直しでは幹部社員向け人事制度設計をリード。その後、HRBP、異動配置、評価・処遇、ラインマネジメントや幹部社員、選抜型人材の育成を担当。本社勤務のほか、2014 年から他社(UAE /アブダビ)へ 1 年間、2016 年から自社プロジェクト子会社(オーストラリア/パース)に 4 年弱出向し、海外での人事経験も豊富(2025 年 11 月時点)
平等主義からフェアな人事制度へ
INPEX では、大規模な人事制度改革を実施し、平等主義からフェアな人事制度を目指し、職務型の人事制度の追求に着手されました。

印南氏は、若手社員は新制度をポジティブに捉え、実力に応じて早期にポジションや昇進の機会を得られることに期待を持っていたと語ります。一方で、社歴の長い社員やシニア層からは、大きな変化への不安の声もあったといいます。そこで重要だったのが、根気強い説明と対話でした。「何が重要なのか、なぜこの変革が必要なのかを、丁寧に説明し続けることがすべてだった」と印南氏は振り返ります。
タレントマネジメントシステムの構築
人事制度改革と並行して、INPEX では SAP SuccessFactors を活用したタレントマネジメントシステムを段階的なアプローチで導入しました。

2024 年に、まず社員プロファイル( EC )、目標評価( PMGM )、後継者管理( SCDP )を新人事制度に合わせて導入。2025 年 4 月には、学習管理( LMS )を後追いで実装。人事制度の変更に伴い、研修体系も変化することを見越して、それに対応できるシステムを後から導入する戦略を取りました。社内では「トレポ(トレーニングポータル)」という親しみやすい呼称を使用。より幅広く、頻度高く利用してもらうための工夫です。対象者も、他のモジュールが INPEX 本体社員中心であるのに対し、LMS はグループ会社社員まで拡大。「挑戦を後押しする学びのプラットフォーム」を目指し、段階的に発展させています。
制度改革の課題と今後の展望
印南氏は人事制度改革とシステム導入は道半ばであり、現状の課題感として、制度の定着や、実装してみて初めて分かる理想と現実のギャップへの対応、システム機能の最大活用、あらゆる社員の巻き込みなどを挙げています。特に、制度は作って終わりではなく、どう運用されていくか、そして何よりも目的に合ったものになっているかを見ていかなければならないという点を語りました。
今後は、人事制度について目的に立ち返り、粘り強く部門と対話しつつ必要な修正は積極的に行うこと、SAP SuccessFactors を目指すべきタレントマネジメント実現のパートナーとして活用すること、データを適切な範囲で社員にとって価値あるものにしていくことに力を注いでいきます。
視聴者へのメッセージ―柔軟性と覚悟、そして対話
印南氏は、大きな変革を進める際は柔軟であることと覚悟を持つことの両立が重要だと語ります。環境や社員の温度感は常に変わるため柔軟性が必要な一方、目的や目指すべき姿については覚悟を持って貫き通すこと、特にリーダーは方法論は柔軟に変えても目的でブレないことが求められます。
また、制度を作る人事は社員から見えにくいポジションにいることもあるが、普段の会話や空気感を感じ取ることで、より柔軟性を持て、覚悟を持った発言も届くようなアプローチになると強調しました。
「目的という北極星はブラさないが、そこに至る道筋は柔軟であってよい」
印南氏は、対話の文化が部下と上司だけでなく、人事部門と社員の間にも作られることが重要だと締めくくりました。
おわりに
人事制度改革は、多くの企業が直面する大きな挑戦です。INPEX の事例は、平等主義からフェアな制度への転換という困難な道のりを、柔軟性と覚悟、そして丁寧な対話で乗り越えてきた実践知です。
本ウェビナーでは、ここでご紹介した内容をより詳しく、具体的なエピソードとともに語られています。人事制度改革やタレントマネジメントシステム導入に取り組む皆様にとって、実践的なヒントが得られる内容です。
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