「AHA! Moments for Diversity & Inclusion」ビデオシリーズの最新エピソードでは、SAP の最高ダイバーシティ & インクルージョン責任者のスープリヤ・ジャー (Supriya Jha) と SAP Concur シニア・コンプライアンス・リードのロビン・アロヨ (Robyn Arroyo) が、SAP がいかに LGBTQIA+ の従業員にとって安全な環境であるか、そしてそれがいかにアロヨに職場での性別移行をオープンにする力と勇気を与えたかについて語っています。

アロヨは、自分を表現する代名詞として「彼女 (she/her/hers)」を用い、女性であることを自認し、そしてトランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別と、心の性が一致していない人)であることをアイデンティティではなく 1つのプロセスとみなしています。女性であり、ラティーナ(ラテンアメリカ系女性)であり、セキュリティ & コンプライアンス・コミュニティのメンバーであり、さらには SAP Concur、Intelligent Spend Management、そして SAP のメンバーでもあるアロヨは、LGBTQIA+ の人々が性的指向や性自認(ジェンダーアイデンティティ)だけの存在ではないということを理解する上で、交差性(異なるアイデンティティの重なり)という概念がいかに重要であるかを説明します。交差性は SAP カルチャーの一部であり、アロヨは SAP でこれらのアイデンティティを重ね合わせ、本来の自分を発揮することができているのです。

Embracing LGBTQ+ Identity AHA! Moments in D&I

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Embracing LGBTQ+ Identity AHA! Moments in D&I

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AHA! Moments(「なるほど、そうか!」の瞬間)

アロヨにとって、職場で本来の自分になれると気づいた決定的な「なるほど!」の瞬間は 1 回ではなく 2 回ありました。それは、2020 年の米連邦最高裁判所によるボストック対クレイトン郡裁判の判決と SAP の性別移行ガイドラインの見直しでした。

2020 年 6 月、Pride@SAP の誕生から 19 年、そして SAP がグローバル人権コミットメント声明 (Global Human Rights Commitment Statement) で「性別、性的指向、性自認、性表現を含むがこれらに限定されない個人的要因に基づく差別とハラスメント」の禁止を誓約してから 9 年後、連邦最高裁判所は、性的指向や性自認を理由に従業員を解雇することは違法であるとの判決を下しました。

この判決以前は、アメリカの半数以上の州で、同性愛者、バイセクシュアル、トランスジェンダーであることを理由に解雇される可能性がありました。アロヨはこのときのことを振り返って次のように述べています。「この判決を見て、職場で本当の自分を出していいと思えるようになりました」

さらに彼女は、SAP の性別移行ガイドラインにより、SAP が性別移行において安全な場所であることを明確に認識できたということです。

アロヨを含む多くのトランスジェンダーにとって、その人生において、生活や身体的アイデンティティを性自認に合わせ始める時期がやって来ます。一般的には、一貫して自分の性自認に合わせてフルタイムで生活するというのが目標になります。このプロセスをできるだけスムーズに進めるには、雇用主が重要な役割を果たします。多くの SAP の従業員、チーム、マネージャーにとって、性別移行を表明した同僚と働くことは新しい状況であり、どのように行動すればいいのか戸惑うこともあるかもしれません。また、性別移行を表明したばかりの同僚をどのようにサポートすべきかについても疑問や不安があるかもしれません。

従業員の視点

SAP の性別移行ガイドラインでは、性別移行の通知から外見上の変化まで、従業員がこのプロセスを開始する方法を明確に定めています。SAP の従業員は全員、SAP の服装規定に従う必要があり、性自認に従って自己表現する権利を有します。また、従業員の性自認に基づくトイレや医療施設の利用などに関する問題もガイドラインで扱われています。

人事部とマネージャーの視点

従業員のウェルビーイングを守るためには、人事部および性別移行する従業員のマネージャーによる正しいサポートが最優先です。

このガイドラインでは、人事部がトランスジェンダーまたは性別移行を表明した従業員をサポートするために、どのように労務担当者を指定するかが示され、さらに従業員のプライバシーを尊重するマネージャーの義務についても説明されています。また、疑問が生じた場合など、他のチームメンバーが抱く懸念にマネージャーがどのように対処できるかについての指針も示されています。マネージャーは、オープンであること、耳を傾けること、そして労務担当者と緊密に協力することが強く求められます。

人事部にはまた、電子メールや ID バッジなど、規制対象外の文書に記載される名前や代名詞を変更する責任もあります。

デッドネーミングへの取り組み

デッドネーミングは、その人の性自認と一致しない改名以前の名前を使用することで発生します。改名以前の名前を使うことで、他人から見たときに、その人の本当のアイデンティティがわからない可能性があります。

アロヨにとって、SAP® SuccessFactors® ソリューション、電子メール、MS Teams、その他のコミュニケーションツールなどの社内アプリケーションで、自分の名前と、使用する代名詞、性別マーカーを更新することは、自分が何者であるかを周囲に伝えるために非常に重要なプロセスだったと彼女は言います。IT 部門と人事部門の調整が必要なため、これは簡単なプロセスではありませんでしたが、これらの更新は SAP での性別移行を成功させるために非常に重要な意味を持ちます。

彼女にとって、ロビンに改名したことは SAP でカミングアウトする上で重要な要素でした。そのおかげで、彼女はありのままの自分になることができたのです。「自分の名前を見たとき、私はそこに自分自身を見ました。そして、他の人も私の名前を見れば、私が何者なのかわかってくれます」と彼女は言い、満面の笑みを浮かべました。

Pride@SAP の重要な役割

従業員ネットワークグループ (ENG) は、SAP が正式に支援する、従業員主導の自主的なダイバーシティ & インクルージョンの取り組みです。Pride@SAP は、20 年以上前の 2001 年に設立された最初のグループになります。

Pride@SAP は、SAP SE エグゼクティブボードメンバー兼最高マーケティング & ソリューション責任者のジュリア・ホワイト (Julia White) が後援する、LGBTQ+ コミュニティとその同盟グループを支援する組織です。Pride@SAP は、北米、アジア太平洋日本地域、中南米、カリブ海地域の 40 の支部で活動し、LGBTQ+ のインクルージョンに対する SAP のコミットメントを実現する上で重要な役割を果たしています。

2022 年には、この揺るぎない長期的なコミットメントが認められ、以下のとおり表彰されました。

  • SAP アメリカ:ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団の企業平等指数に基づく「LGBTQ+ の平等を実現している最高の職場 (Best Place to Work for LGBTQ Equality)」を受賞
  • SAP ブラジル:ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団と Mais Diversidade が選ぶ、LGBTQIA+ のダイバーシティとインクルージョンのために雇用者が行う包括的な職場づくりへの取り組みにおいて最高得点を獲得
  • SAP ジャパン:「work with Pride」の PRIDE 指標で「ゴールド」を受賞

Pride@SAP はまた、インクルーシブ・マインドセット・チャレンジ(SAPの職場をインクルーシブでかつ自分の居場所が感じられるような場所にするための取り組み)の一環として、LGBTQ+ 教育啓発プログラムを推進しています。Pride 月間には、LGBTQ+ コミュニティ内の交差性、ホモフォビア、トランスフォビア、バイフォビアに関するマインドセット・チャレンジを発表しています。

以上