SAP、2021年度は好調なスタート 新規クラウドビジネスがこの5年間で最高の急成長を遂げ、進行中のクラウドバックログが固定通貨換算ベースで19%増の76億ユーロへと再び加速する見込み

本資料は、SAP SEが発行している「SAP 2021年第1四半期決算発表」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。

  • SAP S/4HANA®の進行中のクラウドバックログが固定通貨換算ベースで43%増、SAPがクラウド移行を加速していることが浮き彫りに
  • IFRSベースの1株あたり利益は29%増、Non-IFRSベースの1株あたり利益は63%増
  • 営業キャッシュフローは3%増の30億9,000万ユーロ、フリーキャッシュフローは10%増の28億5,000万ユーロ

SAP CEO クリスチャン・クライン(Christian Kleinは次のように述べています。
「当社のアプリケーションポートフォリオ全体の受注で非常に好調な成長が見られます。しかも、まだ始まったばかりです。SAPの新しいサービス『RISE with SAP』は急速に、SAPのプラットフォームを中心としたお客様のビジネス変革を大きく加速させる原動力となっています。22,000社以上のパートナーで構成されるSAP独自のエコシステムと、今年度の強固なイノベーションパイプラインとの相乗効果で、クラウドの堅調な成長を実現するという当社の戦略は順調に進んでいます」

SAP CFO ルカ・ムチッチ(Luka Mucicは次のように述べています。
「2021年度の第1四半期は、いろいろな意味で特異な四半期でした。クラウドおよびソフトウェアの受注入力の成長率がこの5年間で最も高くなり、Non-IFRSベースの営業利益と営業利益率はこの10年間で最も強い勢いで増加しています。フリーキャッシュフローは前年の実績と比べると2桁の増加でした。SAPはクラウドへの移行を急速に進めているので、中期的には、売上高の成長が加速し、ビジネスの回復力と予測力が大幅に高まるでしょう」 

2021年第1四半期最新情報
クラウドポートフォリオ全体で新規クラウドビジネスが急速に成長しました。Qualtrics、Human Experience Management、Procurement、Customer Experience、Business Technology Platformなどをはじめ、クラウドでお客様のビジネス変革を加速する「RISE with SAP」も好調な立ち上がりを見せています。ソフトウェアライセンスはIFRSベースで7%増となり、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは11%と力強い2桁の増加を達成しました。SAPはERP、デジタルサプライチェーン、そして広範なクラウドソリューションポートフォリオ全体で大型商談を複数勝ち取りました。

世界中で移動制限が課せられていることでConcurのビジネスには依然として影響があるものの、SAPのクラウド売上は回復し、第1四半期ではIFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで13%増となりました。Intelligent Spendビジネス以外のSaaS/PaaSクラウド売上は、IFRSベースで17%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで24%増でした。今後の見通しとしては、SAPの新規クラウドビジネスの堅調な業績によってクラウド売上の成長が再び加速すると見込んでいます。

COVID-19危機の間ずっと、SAPは、バーチャルセールスおよびリモート導入戦略で、お客様を効果的に支援し続けています。SAPは、出張の自粛、施設関連作業の削減、イベントのバーチャル化などによるコストの自然減を積極的に活用すると同時に、採用および裁量支出の抑制を継続しています。前年度には、対面で行う予定だった年次開催の「SAPPHIRE NOW」とその他のお客様向けイベント、そして通常の出張活動を中止したことに関連して、およそ3,600万ユーロの費用が含まれていました。

 ハイライト

  • 第1四半期の主なお客様では、Unilever社、BioNTech社、IKEA社、日本通運株式会社、BMW社、ヤマハ発動機株式会社、株式会社東芝、AstraZeneca社、Zalando社、Deichmann社、 Braun社、クレムソン大学、沖縄市、株式会社セゾン情報システムズ、ダイキン工業株式会社 化学事業部、プリマハム株式会社、株式会社LIXILなどの企業・団体から受注しました。AkzoNobel社、CONA Services社、Daikin Chemicals社、Olam International社、Google社、Bosch Siemens Hausgeräte社、Douglas社、LIVEKINDLY Collective社、Peloton社、Chobani社はSAPソリューションの本稼動を開始しました。
  • SAPは1月27日に、クラウドでのビジネス変革の道筋をシンプルにした「RISE with SAP」の提供を開始しました。第1四半期だけで、100件以上の契約をいただきました。第1四半期には、Carrefour Brazil社、Sono Motors社、KIA Chile社、Hillrom社、Grupo Ferromax社などのお客様に「RISE with SAP」をお選びいただきました。
  • 全体で、第1四半期にSAP S/4HANA®のお客様は400社以上増加し、採用したお客様の総数は16,400社を超え、前年同期比16%増となりました。そのうち9,600社以上が本稼動を開始させています。第1四半期に新たにSAP S/4HANAを契約したお客様のうちの50%以上が新規顧客です。
  • Signavio社の買収は3月5日に完了しました。買収により、SAPのビジネス・プロセス・インテリジェンス機能がさらに深化しました。
  • SAPはノーコード開発のパイオニアであるAppGyver社の買収を完了しました。AppGyver社のソリューションは、SAP® Business Technology Platformに含まれることになります。
  • SAPは、Dediq社との戦略的パートナーシップを発表しました。急速に変化する銀行業界、保険業界によりよいサービスを提供するために新しいソリューションの開発に多大な投資を行い、SAPの金融サービスポートフォリオを共同で拡大します。新しいソリューションはSAPのインダストリー・クラウド・ソリューションの一部として構築されます。SAPとDediq社は専門の金融サービス業界(FSI)ユニットを共同で設立し、2社で共同所有します。新規FSIユニットは規制当局の承認を待っている段階であり、2021年9月に設立する予定です。
  • SAPは、2020年度は1株あたり85ユーロの配当金を提案しました。これは前年比で0.27ユーロ(17%)の増加となります。この配当は、2021年5月12日に開催される年次総会での株主の承認を必要とします。

2021年度第1四半期の業績
進行中のクラウドのバックログは、15%増の76億3,000万ユーロ(固定通貨換算ベースで19%増)でした。クラウド売上は、IFRSベースで前年同期比7%増の21億4,000万ユーロ、Non-IFRSベースで7%増の21億5,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで13%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで前年同期比7%増の4億8,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで11%増でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで1%増の54億3,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで6%増でした。サービス売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで前年同期比18%減の9億ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで14%減でした。この売上の減少には、2020年11月にSAP® Digital Interconnectを売却したことが影響しています。SAP Digital Interconnectは、2020年度第1四半期にはサービス売上においてIFRSおよびNon-IFRSベースで約9,000万ユーロの貢献をしていました。総売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで前年同期比3%減の63億5,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで2%増でした。

第1四半期の予測性の高い売上の比率は前年同期比約2パーセンテージポイント増の約78%に達しました。

IFRSベースの営業利益は21%減の9億6,000万ユーロ、IFRSベースの営業利益率は3.4パーセンテージポイント減の15.1%でした。これは、株式報酬費用の増加(主にQualtricsのIPOの報酬に関連)と、SAPのクラウド配信インフラストラクチャの統合の加速に関連する構造改革費用の増加によるものです。Non-IFRSベースの営業利益は17%増の17億4,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは24%増で、営業利益率は4.7パーセンテージポイント増の27.4%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは4.9パーセンテージポイント増でした。

1株あたり利益は、Sapphire Ventures社の好調な業績も反映されて、IFRSベースで29%増の0.88ユーロ、Non-IFRSベースで63%増の1.40ユーロでした。

第1四半期の営業キャッシュフローは30億9,000万ユーロでした。フリーキャッシュフローは、前年同期比10%増の28億5,000万ユーロでした。キャッシュフローには、株式報酬と構造改革の支払額の減少によるプラス効果が表れました。フリーキャッシュフローはさらにCapExの減少による恩恵もありました。年度末時点の純負債はマイナス26億6,000万ユーロでした。

財務情報開示の拡大 SAPのクラウド移行の加速
2021年度第1四半期から、財務情報開示の範囲を拡大し、コアとなるERPビジネスをクラウドへ移行する取り組みについて透明性の高い情報を投資家に提供します。具体的には、SAP S/4HANA® Cloudが貢献した進行中のクラウドバックログとクラウド売上を、名目通貨ベースと固定通貨換算ベースの前年比成長率を開示します。

第1四半期のSAP S/4HANAの進行中のクラウドバックログは39%増の10億4,000万ユーロで、固定通貨換算ベースでは43%増でした。SAP S/4HANAのクラウド売上は、IFRSおよびNon-IFRSベースで36%増の2億2,700万ユーロ、固定通貨換算ベースで43%増でした。

SAP S/4HANA Cloudとは、コアERPプロセス向けのSAPのクラウドサービスです。主に財務管理、サプライチェーン管理、エンジニアリングおよび製造、受注管理および設備資産管理のクラウドソリューションと、関連するデータ管理、分析、開発および統合機能が含まれます。

クラウドでビジネス変革を実現するSAPの総合的なサービスである「RISE with SAP」は、SAP S/4HANA CloudとSAP Business Technology Platformの導入を促進する重要な要素です。

2021年度第1四半期のセグメント別業績
SAPの3つの報告セグメントである「Applications, Technology & Support」、「Qualtrics」、および「サービス」の業績は以下に示すとおりです。

Applications, Technology & SupportAT&S
AT&Sセグメントの売上は、前年同期比1%減の53億1,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで4%増でした。特にeコマースにおける、SAP S/4HANA Cloud、SAP® Digital Supply Chain、SAP Business Technology Platform、SAP® Customer Experienceでのクラウド売上が力強い2桁の増加であったことで、セグメントの業績が押し上げられました。ソフトウェアライセンス売上はERPとサプライチェーンで競合他社を抑えて受注を多数獲得できたため、急増しました。セグメントのサポートの売上は、定着率が高かったことと、サポート売上の一部がクラウドに移行されたことで、固定通貨換算ベース(前年同期比)で横ばいでした。

Qualtrics
Qualtricsセグメントの売上は、前年同期比25%増の2億200万ユーロ、固定通貨換算ベースで37%増でした。この力強い成長は、Qualtricsのエクスペリエンスデータとインサイトを活用して従業員の定着率とエンゲージメントの向上、新規顧客の獲得、既存顧客との関係の維持強化を進めた企業によるものです。株式会社LIXIL、Singapore Post社、モントリオール銀行、ロサンゼルス郡公衆衛生局、三菱電機株式会社、Royal Caribbean International社など多くの企業にQualtricsエクスペリエンス・マネージメント・ソリューションをお選びいただきました。

サービス
サービスセグメントの売上は、前年同期比12%減の8億ユーロ、固定通貨換算ベースで8%減でした。サービス実施ビジネスでは、リモート提供に移行したことで、この事業が持つ回復力と柔軟性が引き続き示されました。SAPのプレミアムサービスも高い需要を維持しています。一方、SAPのトレーニングビジネスは、グローバル・トレーニング・センターの再開が遅れている影響を受けました。

地域別業績 2021年度第1四半期
SAPはすべての地域で好調な業績を達成しました。

欧州・中東・アフリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで5%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは7%増でした。クラウド売上はIFRSベースで21%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで24%増となり、ドイツとスイスで特に顕著でした。

南北中央アメリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで6%減、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは3%増でした。クラウド売上は、IFRSベースで2%減、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは7%増でした。カナダとメキシコで堅調な業績でした。

アジア太平洋および日本地域では、クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは11%増でした。クラウド売上はIFRSベースで14%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで18%増となり、日本、オーストラリア、シンガポールで特に顕著でした。

2021年度の見通し
SAPは、新規クラウドビジネスの堅調な業績によってクラウド売上の成長が再び加速すると見込んでいることを反映して、4月13日に2021年度通年の見通しを上方修正しました。一方、ソフトウェアライセンス売上は、ミッションクリティカルなコアプロセスで「RISE with SAP」サブスクリプションサービスに切り替えるお客様が増えているため、通年で減少すると見込んでいます。また、この見通しでは、ワクチンプログラムの世界的な実施に伴ってCOVID-19危機が収束し始め、2021年の後半には需要状況の緩やかな回復につながることを引き続き想定しています。

SAPの見込みは以下のとおりです。

  • クラウド売上が、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで92~95億ユーロ(2020年度=80億9,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで14%~18%増に達する見込みです。前回の報告では固定通貨換算ベースで91~95億ユーロとしていました。
  • クラウドおよびソフトウェア売上が、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで234~238億ユーロ(2020年度=232億3,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで1~2%増に達する見込みです。前回の報告では固定通貨換算ベースで233~238億ユーロとしていました。
  • 営業利益が、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで78~82億ユーロ(2020年度=82億8,000万ユーロ)、固定通貨換算ベースで1%~6%減となる見込みです。
  • 予測可能性の高い売上(クラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計として定義)の比率が約75%(2020年度=72%)に達する見込みです。

SAPは利益がやや減少していること、所得税の支払額が多くなる予想であること、為替の変動が不利に働くことを主に反映して、営業キャッシュフローを約60億ユーロと引き続き見込んでいます(2020年度=72億ユーロ)。フリーキャッシュフローも、CapExの支払が少し増加していることから45億ユーロ以上になると見込んでいます(2020年度=60億ユーロ)。

SAPの2021年通年の見通しは固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。第2四半期および2021年度の為替の影響の見込みについては下記をご参照ください。

20213月の水準に基づく通年の為替の影響の見込み(パーセンテージポイント)

  • クラウド売上:第2四半期が-6pp~-4pp、通年で-4pp~-2pp
  • クラウドおよびソフトウェア売上:第2四半期が-5pp~-3pp、通年が-3pp~-1pp
  • 営業利益: 第2四半期が-5pp~-3pp、通年が-3pp~-1pp

2021年には、SAPは3つの非財務目標に努力を傾けます。それはお客様のロイヤルティ、従業員のエンゲージメント、および二酸化炭素の排出量です。SAPは引き続き次のことを目指します。

  • 2021年度に顧客ネット・プロモーター・スコアで5~10のスコアを達成します。
  • 従業員エンゲージメントインデックスは84%~86%の範囲を目標とします。
  • 2021年度は正味の温室効果ガス排出量を145キロトンとします。

以上

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