「より良い世界の実現と人々の生活の向上」このシンプルなフレーズが SAP の目標です。非現実だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは実際に SAP で推進されていることであり、SAP の学習ポリシーやリーダーシップ育成にも組み込まれています。 

2022 年、SAP は、SAP Product Engineering Board エリア全体を対象とした特徴的な人材プログラム EmpowerU を立ち上げました。その目的は、参加者の視野を広げ、関係を育み、部門間の隔たりを取り除きながら、多様で持続可能なリーダーシップとエキスパートパイプラインを構築、エンゲージ、維持することでした。そしてこの目標の下、プログラムのオーガナイザーである SAP Intelligent Spend and Business Network People & Culture チームのケビン・ウェルティ (Kevin Welty) とジョン・ミレア (John Millea) は、SAP Corporate Social Responsibility (SAP CSR) と手を組んで、まったく新しいことを始めることにしました。ここで、プロボノコンサルティングによって次世代の SAP エンジニアリングリーダーを育成し、世界を変えるソリューションを迅速に提供するというユニークな取り組みが誕生したのです。 

2022 年、EmpowerU の第 1 回コホートには、すべての SAP Product Engineering ソリューションエリアから 145 名が集まりました。そしてこのプログラムは、12 カ月にわたって組織横断的に Board エリアの優れた人材の育成・コーチングを行い、すべての SAP ソリューションエリアおよび SAP Product Engineering 機能エリアに対する参加者の理解を広げるとともに、強力なマルチプライヤーの組織横断的ネットワークを育てました。 

このプログラムでは、社会的企業である MovingWorlds が提供するグローバルなプロボノコンサルティング・プラットフォーム TRANSFORM Support Hub を通じて、世界中の社員と社会的企業であるクライアントがつながります。プロボノコンサルティングによって、EmpowerU の参加者は自身の技術的スキルを活用して、リーダーとして成長する機会を得られます。ここでは、エンジニアリングからプロジェクトマネジメントまで多様なスキルを持つ社員からなる 4 つの小チームが、戦略的なビジネス課題を解決するために技術サポートを必要とするクライアントとペアを組みました。そして各チームは、3 カ月間にわたって献身的に時間をかけ、専門知識を提供し、質の高いソリューションを構築しました。最終的に、これらのチームは、難民支援地方医療職場のインクルージョンなどのために、自分たちのスキルを活用できるユニークな機会を得ることができたのです。 

ウェルティは、リーダーシップとしてのスキルアップに、この実践的で思慮深いアプローチは非常に意義深いと考えています。ウェルティは次のように語っています。「リーダーシップとは、自身が世界にどのように関わり、どのような影響を与えるかについて責任を持つことです。自分がどのように世界に変化をもたらし、他者にどんな影響を与えるかを考えることこそが、リーダーシップだと私は思います。肩書や経験とは関係ありません」 EmpowerUTRANSFORM Support Hub がつながることで、参加者は、仕事やプライベート、そして世界に対して自分がどう関わるかを探求する機会を得ることができるのです。 

この経験の中で、参加者たちは、EmpowerU プログラムが目指すリーダーシップ資質を体現しています。2022 年の EmpowerU コホートで難民支援プラットフォーム Boxtribute をサポートしたクリス・ロスラー (Chris Roethler) は、「私にとって大きな収穫だった」と話しています。「私は今、日々の仕事以外の場面で役立つ知識を持っていますし、通常であれば仕事をする機会などまず考えられなかった人たちとのネットワークも増えました。この強みは、世界と私のキャリアに大きな影響を与えるものだと思います」 

起業家の事業活動やインパクトの拡大を支援するということを超えて、プログラムの参加者たちは、社会的企業であるクライアントとの協働体験から得た革新的な考え方を SAP での自身の職務に反映させています。これらのプロジェクトでのコラボレーションを通じて、社員は社内だけでなく、ビジネスのあり方を変えようとしている企業とのネットワークも広げています。社員は、目的にフォーカスした仕事を通じて、サステナビリティ、社会的影響、さらに自己実現の熱心な推進者になりつつあります。 

つながりも重要ですが、一貫性こそが真に変化を生み出すものです。EmpowerU を通じて技術的プロボノコンサルティングを試験的に実施した結果として、SAP Product Engineering SAP Corporate Social Responsibility は複数プログラムを予定した複数年パートナーシップを締結することになりました。実際 2023 年には、Intelligent Spend and Business Network 部門だけで、そのイニシアチブに参加する従業員と社会的企業の数が 2 倍以上になりました。 

社会的企業への影響は、特に技術分野において目に見える形で現れています。社会起業家であり、EnRoute の創設者であり、EmpowerU プログラムの技術コンサルタントであるアンジェラ・ブシェスカ (Angela Busheska) 氏は次のように述べています。「私には、SAP のチームがソリューションに取り組む際に使えるようなリソースはありません。私のような多くの起業家は、複数の仕事を掛け持ちし、学校にも通い、自分たちの仕事を信じて無償でこの仕事をしていることが多いです。プロボノコンサルタントの方々が私たちの問題を理解し、解決策の優先順位付けを手伝ってくれることは、本当に有難いのです」 

EmpowerU のようなプログラムは、SAP Product Engineering に対する体験学習とリーダーシップ育成のほんの始まりに過ぎません。SAP のどのチームも(他の企業であっても)、プロボノコンサルティングを通じて、つながりの深い、持続可能な世界を創造できます。当初は、従業員を育成できればいいと考えて始めたことですが、今では持続可能な発展、社会的影響、そして個人の成長に資する機会へと変化しています。社員が自分の能力を発揮できるようにすることで、私たちは世界中の革新的な社会的企業の活動を支えているのです。 

ぜひご参加ください 

10 年にわたり従業員のエンゲージメントを高めることを推進してきた SAP は、EYMovingWorldsTRANSFORMUnilever とともに、プロボノコンサルティングやコーチングなどを通じて、TRANSFORM Support Hub で従業員と世界中の社会起業家をつなぐ取り組みを続けて参ります。より持続可能な世界の実現にご関心をお持ちの方は、ぜひ私たちのこの取り組みにご参加ください