SAP Japan プレスルーム

デジタルトランスフォーメーションを通じた動物の健康と顧客幸福度の増進

エランコ・アニマル・ヘルス (Elanco Animal Health) は、動物用医薬品のグローバルリーダーです。家畜やペットの病気を予防・治療する製品とサービスの技術革新と提供に尽力し、農家、ペットオーナー、獣医師、ステークホルダー、ひいては社会全体に価値をもたらしています。 

同社は、動物用医薬品に約 70 年携わっています。動物の健康改善を通じて顧客に貢献するほか、地域社会と国際社会に大きな影響を及ぼす企業です。「食と動物たちとのふれあいを通して豊かな暮らしを」のビジョンと、サステナビリティに対するアプローチ「Elanco Healthy Purpose」が同社の原動力であり、いずれも動物、人、地球、企業の健康増進を目的としています。 

動物用医薬品は非常に規制が厳しく、購入に関して複雑な許可要件があります。獣医師や農産業の顧客が動物の健康維持に必要な医薬品と治療を入手しやすくすることが、エランコ社のビジネスモデルの中核です。 

エランコ社で、Procure-to-Pay(調達から支払いまで)グローバルプロセスを管理するシン・イ・タン (Sin Yi Tan) 氏は次のように述べています「支出管理はエランコにとって非常に重要です。以前の親会社から技術的・財政的に独立することは不可欠なことでした」 

エランコ社のデジタルトランスフォーメーションは 2 つの出来事から始まりました。すなわち、親会社であった Eli Lilly & Company からの独立と、Bayer Animal Health の買収です。独立した企業としての地位を固めるには、技術、財政、経営の独立が必要でした。Eli Lilly 社のシステムの利用継続はエランコ社特有のビジネスニーズに合致しない上、コストもかさみます。 

そこで同社は、SAP の包括的なインテリジェント支出管理ソリューションスイートを導入しました。このソリューションは喫緊のニーズを解決しただけでなく、税務とビジネス環境のコンプライアンス確保にも貢献しました。SAP による将来の発展と製品開発に対する投資、とりわけ、人工知能 (AI) を取り入れた SAP Ariba ポートフォリオの製品ロードマップが、エランコ社の意思決定に決定的な役割を果たしました。 

セルフサービスを重視した製品であることが、エランコ社が SAP Ariba SAP Business Network を選んだ理由です。この 2 つの製品は、競合製品より優れたフロントエンドユーザーエクスペリエンスを提供し、顧客基盤の拡張、効率的なサプライヤー登録、柔軟なカタログ管理を実現します。エランコ社は、すでに利用していた SAP S/4HANA Cloud を拡張・強化する製品として、SAP の調達ソリューションの導入に踏み切りました。SAP Ariba は、直感的な PO ステータスの更新、電子請求書の送信、およびサプライヤーとのコミュニケーションのシンプル化により、セルフサービスをさらに強化しました。 

さらに、サプライヤー登録を一元化することでサプライヤーベースのリスク削減も達成しています。SAP Ariba は、登録ツールとして、サプライヤーが自身のデータを管理できる安全なプラットフォームです。そのためエランコ社はデータ変更を管理する必要がなく、不正や財務データ漏えいのリスクを下げることができます。 

導入の拡張 

2019 年に始まった Stallion プロジェクトから、エランコ社のデジタルトランスフォーメーションは幕を開けました。外部コンサルタントの支援を受け、18 カ月で設計フェーズから稼働フェーズに移りました。新型コロナの流行により全プロセスをリモートで実施し、最終的に 6 カ月で 10 億ドルの支出を処理できるようになりました。 

次の優先事項は 2019 年の Bayer Animal Health の買収に伴うシステム統合でした。事業のおよそ 20% を占める事業部門をシステムに統合させるため、プロセスを拡張する必要が生じました。 

エランコ社は Bayer Animal Health から 13,000 社のベンダーを統合し、1:1 のボリューム比を達成しました。Bayer Animal Health SAP Ariba 調達ソリューションと SAP Business Network を利用していたため、どのサプライヤーも移行が初めてではありませんでした。また、エランコ社は外部サプライヤーの窓口として社内に「コンタクトセンター」チームを設けた上で、コンプライアンスとセキュリティの理由から SAP Ariba への登録を奨励しました。 

SAP S/4HANA Cloud がコネクテッドシステムの価値を提供 

SAP S/4HANA Cloud SAP 調達ソリューションのシームレスな統合が、SAP が選ばれた大きな理由の 1 つです。この統合機能により、企業は最小限のカスタマイズで迅速な導入を実現することが可能になります。ユーザー側から見れば、SAP プラットフォーム間でのタスクのやり取りと全体像の把握が可能になります。同社は、直接材支出管理に SAP S/4HANA Cloud を、間接材支出管理に SAP Ariba を利用しています。ガバナンスの確立とアクセス管理を容易に実現し、各調達業務で正しいプロセスが選択されるよう支援します。 

シン・イ・タン氏は次のように述べています。「SAP S/4HANA Cloud とインテリジェント支出管理ソリューションの組み合わせは、ビジネスに大きな価値をもたらします。この統合機能のおかげで、スピーディーな価値実現が可能になりました。標準化は弊社の成長に不可欠な要素となっています」 

物流変革への道 

現時点で、エランコ社は SAP Business Network for Logistics のグローバル追跡機能の可能性を探っている段階ですが、出荷追跡についてはその高い透明性をすでに実感しています。 

SAP を活用したエランコ・アニマル・ヘルスのデジタルトランスフォーメーションの取り組みは大きな成功を収めています。SAP AribaSAP Business NetworkSAP S/4HANA Cloud のシームレスな統合と、セルフサービスおよびコンプライアンスを大切にする体制との相乗効果により、企業として独立し特有のビジネスニーズを満たすことが可能になりました。同社が成長と進歩を続ける中で、SAP は今後も、信頼できるパートナーとして、動物の健康維持への尽力という終わりのない取り組みを支援し続けます。

モバイルバージョンを終了