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私たちは、GROW with SAP を立ち上げることで、お客様が継続的なイノベーションの恩恵を受けながらスピーディーかつ予測可能な環境でクラウド ERP の導入を進めることができるよう支援を行っています。SAP S/4HANA Cloud, public edition の最新のメジャーアップデートには、新しいモダンなエクスペリエンス、基盤関連機能、組み込みインテリジェンス、そして組織と従業員の生産性向上を支援するコア ERP イノベーションが含まれています。

モダンでインテリジェントなエクスペリエンス

私たちは、あらゆるビジネスプロセスをカバーする、インテリジェントでモダンなビルトインエクスペリエンスを提供します。SAP S/4HANA Cloud, public edition のユーザーエクスペリエンスを、エンドユーザーと IT 部門ユーザーにとって、よりモダンで、生産的、そして協調的なものにするために、いくつかの機能強化を行いました。主な機能強化は以下のとおりです。

  • 既存の「受注登録 – 自動抽出」アプリが人工知能 (AI) で強化され、受注データを自動入力できるようになりました。受注登録時に特定の情報が不足していると、受注配信などの後続プロセスがブロックされることがあります。設定可能な項目セットが未入力であれば、未完了ログがユーザーに警告を発し、未入力データを手動で入力するよう促されるようになっています。さらに、過去のデータに基づいて、これらの項目について最も可能性のある推奨値がユーザーに示され、労力の軽減が図られます。このソリューションは今年後半にリリースされる予定です。
  • どのデバイスからでも、ユーザーは [My Home] 内のスペースやページから担当業務にアクセスできます。2308 リリースでは、表示されるスペースの追加、削除、並べ替え順を変更することで、ニーズに合わせてメニューバーをパーソナライズできるようになりました。


[My Home]
のスペースメニューをパーソナライズ。画像をクリックすると拡大します。

  • Share as Tab(タブとして共有)機能が一般提供されるようになりました。この機能では、Microsoft Teams のチャネル、グループ、チャットのタブを使って SAP Fiori アプリのビジネスデータを共有することで、意思決定を迅速化し、コラボレーションを改善できます。


Microsoft Teams
でタブとして共有。画像をクリックすると拡大します。

  • SAP Start は、すべての SAP クラウドビジネスソリューションに対応した新しいセントラルエントリーポイントです。SAP Start は、統合されたすべての SAP クラウドソリューション内の最も関連性の高いビジネス情報への直感的で容易なアクセスを一元的に提供します。これは現在、RISE with SAP または GROW with SAP に契約されているお客様、加えて SAP Build Work Zone 標準サブスクリプションご契約のお客様向けの機能になっていますが、近日中にすべてのお客様向けにご提供できる予定です。


新しいエントリーポイント:
SAP Start。画像をクリックすると拡大します。

  • IT 部門ユーザーは、[My Home] の [System News] を使って、関連するシステムニュースの概要を確認することができます。追加のツールや情報源は必要ありません。これにより、システムに関連する情報を探す手間を省き、重要なシステム情報を見逃すリスクを低減することができます。


[My Home]
[System News]。画像をクリックすると拡大します。

  • IT 部門ユーザーは、開発用やテスト用など、システムのタイプ別に色分けすることもできます。SAP Fiori ラウンチパッドのヘッダーにある色分けされたシステム情報バーには、システムの役割とシステム名が示されます。


システムタイプ別に色分け。画像をクリックすると拡大します。

コア ERP イノベーション

プロジェクト管理エクスペリエンス、請求書作成エクスペリエンス、計画エクスペリエンスがシームレスでモダンになり、サービスビジネスと財務プロセスを効果的に運用できるようになりました。以下、財務/サービス中心業種向けの主要イノベーションをご紹介します。

  • 一時ユーザーは Buying 360 の機能を使って、カタログやマーケットプレイスで購入することができ、依頼内容の透明性を完全に確保することができます。システムは承認プロセスなどによりコンプライアンスの確保を支援しながら、ユーザーにカスタムレコメンデーションを提供したり、正しい調達プロセスへとユーザーを促したりします。プロセスは高度に自動化され、例外的なケースについてのみ、担当バイヤーによる処理が求められます。これにより、バイヤーはより価値の高い活動に集中することができ、同時にユーザーの満足度も高まります。


購買依頼の作成。画像をクリックすると拡大します。

  • ソリューションオーダーの与信チェックにより、受注明細、サービスオーダー明細、サービス契約明細で与信管理を利用でき、財務リスクなくソリューションを提供することができます。これにより、納品やサービスフルフィルメントを開始する前に顧客の信用力をチェックして、収益損失を回避することができます。


ソリューションオーダーの与信チェック。画像をクリックすると拡大します。

  • 勘定残高検証による決算業務の自動監視機能が、経理担当者の決算プロセスをサポートします。私たちは、新しいSAP Fioriアプリ「残高チェックルールとグループ管理」と「残高チェック結果表示」を追加することで、検証ルールの更新と実行を可能にしました。これらのアプリは SAP S/4HANA Cloud とシームレスに統合され、決算業務の自動化と迅速化を促進します。


勘定残高検証による決算業務の自動監視。画像をクリックすると拡大します。

  • 新しいバージョンの仕訳管理では、ユーザー調査に基づき、より多くの関連アプリや機能への直接アクセス、仕訳一覧の詳細化、仕訳と明細間の明確なナビゲーションなど、使い勝手が大幅に向上しています。



仕訳管理。画像をクリックすると拡大します。

私たちは、お客様のビジネスプロセスを実行するために必要な、すぐに使える機能セットを継続的に拡張します。以下、2308における製品/製造中心業種向けのイノベーションをご紹介します。

  • ウェーブ管理を使った倉庫活動の制御により、倉庫依頼明細をウェーブにグループ化し、パッケージとしてまとめてリリースすることで効率を上げることができます。
  • 輸送需要や輸送能力は、トラックやコンテナの床面積で測定されることが多いですが、このたび、需要創出から、計画、外注、輸送費計算、決算までの全プロセスにおいて、一貫して積載メーターまたはパレットスペースを使用できるようになりました。
  • マイルストーンベースの物品のサプライチェーンモニタリングとリスクへの事前対処を目的とした Logistics Tracking アプリにより、フィールドロジスティクスサプライチェーンにおける、フォワード/リターンプロセスを通じた全ロジスティクス明細に対する分析機能を備えたレポーティングが可能になりました。

SaaS 基盤

SAP の SaaS (Software-as-a-Service) 基盤は、企業が業務を合理化し、手作業を減らし、地域ごとの規制に準拠しながらコア業務に集中できるよう支援するものです。SAP では、ローカリゼーションに加え、E2E オンボーディングエクスペリエンスの改善など、その他の基盤関連項目にも多額の投資を行い、お客様がサービスを開始しやすい環境を構築しています。

  • イスラエル、ペルー、セルビア(子会社のみ)、ウクライナ(子会社のみ)の 4 つの新しいローカルバージョンを追加しました。
  • 既存の40のスタンダードローカルバージョン向けに複数のスコープアイテムがリリースされ、国境を越えてビジネススコープが拡大されました。
  • SAP Billing and Revenue Innovation Management対象国として 3 カ国(インド、メキシコ、韓国)が加わりました。
  • SAP Business Technology Platform (SAP BTP) を利用して、SAP S/4HANA Cloud, public edition の 1,200 以上の構成オブジェクトに対して、Excel テンプレートから一括アップロードできるようにして、ビジネス構成の設定作業を 50% 高速化し、ビジネス構成をセットアップする際の時間と労力の大幅削減が実現されました。
  • プロフェッショナルサービス向けのベースライン実装の拡張により、事前定義されたアクセラレーターが、お客様の初期実装の価値実現までの時間を 70% 短縮します。設定、データ移行、テスト用のテンプレートの提供と自動化により、実装を37日以内に短縮できるようになりました。

SAP S/4HANA Cloud, public edition の詳細については、以下のリンクをご覧ください。