(本リリースは、8月29日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)
SAP SE(NYSE:SAP)とGoogle Cloudは本日、両社のパートナーシップを拡大し、データと生成AIの力を活用する企業を支援することをGoogle Cloud Next ’23で発表しました。
- 新しい業種別ソリューションとサステナビリティソリューションによって、ビジネスの意思決定を変革するインサイトを生み出します
両社は、SAP® Datasphereソリューションを使用して統合されたオープン・データ・クラウドとVertex AIを組み合わせ、生成AIを活用する新しい業種別ソリューションの提供を自動車業界から開始するとともに、サステナビリティパフォーマンスを強化する新機能を導入します。
新しいソリューションは、SAPとGoogle Cloudの長期的な戦略的パートナーシップに基づくもので、企業のお客様がデジタル変革を加速し、業務上不可欠なデータの価値を最も有効に利用できるよう支援します。Google Cloudは、RISE with SAPソリューションに関する戦略的パートナーであり、すでに多数のエンタープライズ企業を共通のお客様として抱えています。生成AIをSAPソフトウェアとGoogle Cloudのオープン・データ・クラウドに組み込むことで、SAP Datasphereをはじめ、ほとんどのデータソースの情報を活用する強力な新しいソリューションを導入でき、ビジネスインサイト、分析、意思決定が大幅に強化されます。
SAPソフトウェアとGoogle Cloud間のオープン・データ・クラウド統合機能によって、AI開発に充実した基盤を提供し、共通のお客様に新しい価値をもたらすことができます。はじめに、自動車業界およびサステナビリティ分野で以下の対応を行います。
- 自動車業界のコネクティビティとカスタマーエクスペリエンスを強化:SAPとGoogle Cloudは、Vertex AIによるGoogle Cloudの生成AIモデルとCatena-Xのデータを使用する、新しいソリューションを発表します。Catena-Xは、自動車業界向けSAPソフトウェアがサポートするオープン・データ・エコシステムです。Catena-Xを使用すると、自動車業界の企業はバリューチェーン全体に関するデータを安全に交換して、業務のパフォーマンスを高め、より良いカスタマーエクスペリエンスを提供し、イノベーションを加速することができます。この新しいソリューションにより、自動車業界のお客様は、Catena-XのデータセットとSAPソフトウェアのデータを組み合わせて、自動車メーカー、サプライヤー、エンドユーザーの連携を最適化する生成AIモデルを構築し、トレーニングすることができます。例えば、効果の高いデータ共有を可能にすると、生成AIは、リコールが発生する前に車両の問題が生じる可能性を特定し、問題を軽減するのに役立ちます。また、危険な道路や交通状況に関する知識を集めて安全性を高め、欠陥の予測精度を上げて製品品質を向上させます。
- 企業のサステナビリティを向上:SAPとGoogle Cloudのお客様は、Vertex AIとともにSAP Datasphereを利用して生成AIソリューションを構築し、企業のサステナビリティ計画を加速させることができます。近日提供が開始されるAIを活用した新機能によって、Google Cloud上でSAPを利用するお客様は、SAP DatasphereのミッションクリティカルなビジネスデータとSAP® Sustainability Control Towerソリューションを、サードパーティーのESGデータセットとGoogle Cloudの強力な生成AIモデルで拡張することができます。この結果、カスタマイズされたサステナビリティレポートの作成や、サプライチェーン全体に対するAIによるサステナビリティアラートの自動化が可能になり、環境への影響や財務上のメリットなどに関する詳細な分析により意思決定が強化されます。
SAPのエグゼクティブボードメンバーで最高技術責任者を務めるユルゲン・ミュラー(Juergen Mueller)は、次のように述べています。「Google Cloudと当社のパートナーシップは、生成AIを組み込むために急速に進化しています。このために、ビジネスの意思決定を変革し、生産性を向上させる包括的な共同データクラウドとともに、SAP® Business Technology Platformを基盤とするSAP Datasphereを活用します。私たちは、SAP® Business AIオファリングに関して、インテリジェンスシステムの構築にあたり、中核となる3つの原則を設けています。その原則とは、高い関連性、信頼性、責任の3つを備えることです。お客様は、ビジネスソリューション全体にすでに組み込まれたAIからだけでなく、統合されたオープンなデータ基盤とGoogle Cloudによって追加されるAI基盤からもメリットを得ることができます」
Google Cloudのグローバル パートナー エコシステム & チャネル担当コーポレート バイスプレジデントを務めるKevin Ichhpurani氏は、次のように述べています。「Google CloudとSAPは、日々の業務に具体的な効果を示し、企業に実際の価値を生み出す生成AI機能を共通のお客様に提供します。SAPとのオープンデータおよびAIのパートナーシップを通じて、生成AIを活用することで、SAPシステムとサードパーティーのデータセットに保存された情報からお客様が大きな価値を引き出せるようにします。また、より安全な業務の推進と、持続可能な企業運営を支援します」
今回のパートナーシップ拡大の一環として、生成AIソリューションの新しいポートフォリオが含まれており、現在、拡充が進められています。SAPとGoogle Cloudは、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンス、倫理に対して高い配慮がなされたビジネス向け生成AIソリューションを提供して、責任あるAIエクスペリエンスの創造を目指しています。長年にわたり、SAPとGoogle Cloudはお客様の信頼を得て、強力かつ信頼性の高いソリューションを構築し、実行してきました。お客様の最も重要なデータとシステムに触れるAIもそのソリューションの一つです。SAPとGoogle Cloudのパートナーシップについての詳細は、Google Next’23でカスタマーセッションが多数用意されていますので、そちらをご覧ください。
以上