変化の激しい今日のビジネス環境で、リーダーたちが次々と生じる課題や度重なる混乱に直面していることは疑いようもありません。ハイブリッドワーク時代の到来、スキルギャップの拡大、人工知能 (AI) 革命はどれも、これからの仕事に対する考え方に計り知れない影響を与えています。さらに、気候変動のような世界規模の危機によって、組織は業務慣行の再評価を迫られ、従業員、サプライチェーンパートナー、コミュニティとの新しい社会契約の確立を余儀なくされています。
今や、従業員も消費者も、より高い基準を組織に求めるようになりました。消費者は、信頼し、正しいと確信できる企業から製品やサービスを購入したいと考え、従業員は、自分たちの価値観に合った組織で働くことを希望しています。実際、約 70% の人々は、確固たる目的を持たない企業では働かないと述べています。
ビジネスの成功は、利益だけでは測れなくなりました。代わりに、組織がエコシステムのあらゆる部分にどのようなインパクトをもたらすかによって規定されます。人材サステナビリティは、従業員エンゲージメントと企業責任の交差する領域ですが、将来を見据えたワークフォースを構築する上で非常に重要です。また、人材サステナビリティを確立するには、人材に関するポリシーやエクスペリエンスの検討をバリューチェーン全体で行うことが組織に求められます。包括的な人材サステナビリティ戦略を実施すると、ESG(環境、社会、ガバナンス)指標全体を向上させ、ビジネス成果を高め、より輝かしい未来を切り拓くことができます。
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「従業員のため」は「ビジネスのため」
新しいビジネスモデルを創造し、重要な取り組みをリードし、変化を生み出すのは、紛れもなく「人」です。従業員ファーストのアプローチをとる組織は、サステナビリティ目標を達成するための回復力に優れ、高い能力を持ち、革新的で、意欲にあふれています。
「人材」のエキスパートとして、人材サステナビリティの推進に重要な役割を果たすのが人事部門です。適切なテクノロジーを導入すれば、人を中心とする取り組みへのアプローチをより一体的に開始することができます。例えば、新入社員も含む多様性の高い人材プールの活用、従業員ライフサイクル全体にわたる従業員の学習と成長のサポート、誰もが帰属意識を持つことのできる公正で平等な職場文化の創出などに対応します。実現すれば、恩恵を受けるのは従業員だけではありません。ビジネスにもメリットがあるのです。
MOD Pizza 社のように先見の明を持つ企業は、人材サステナビリティに関してすでに変化を起こしています。MOD 社のミッションは、おいしいピザの提供にとどまりません。企業はコミュニティで善を導き出す力になり得るし、そうなる必要がある、これが彼らの信条です。MOD 社最高人材責任者のダイナ・エバーハート (Dayna Eberhardt) 氏は、The Sustainability Challenge: Building Breakthroughs to Zero(サステナビリティの課題:ブレークスルーでゼロを目指す)のインタビューの中で、SAP 最高マーケティング&ソリューション責任者のジュリア・ホワイト (Julia White) に次のように述べました。
「すべての人が参加できる場を作ること、これが私たちの目的です」
以下のボタンをクリックすると、YouTube のコンテンツが再生されます。
Building Breakthroughs to Zero Inequality with MOD Pizza(MOD Pizza とともにブレークスルーで不平等ゼロを目指す)
MOD 社の成功の鍵となる要素は、人材です。MOD 社は、継続的な学習、キャリアデベロップメント、キャリアアップを通じて、現在働いている従業員に投資するだけでなく、雇用の障壁に直面することの多い人々がチャンスを得られるよう努めています。例えば、刑期を終えた人、また、知的障害や発達障害を持つ人も対象になります。現在、MOD 社直営店の 99% で、雇用の障壁を抱える人々が業務にあたっています。このような雇用慣行によって、業務に積極的で高い能力を持つ、公正なワークフォースが形成されます。エバーハート氏は次のように述べています。
「障壁を抱える MOD Squad(従業員チーム)は帰属意識が高く、昇進のスピードも速く、高い定着率を保っています」
雇用に関してすべての人に門戸を開くことは、職場の公平性を実現する第一歩に過ぎません。ですから、MOD 社は従業員エクスペリエンスを最優先事項にしています。人事プロセスが古くなり、職員の採用やオンボーディングが停滞していた頃、MOD 社は SAP SuccessFactors ソリューションと SAP S/4HANA® Cloud, public edition を選択し、人事データおよびプロセスの価値を再定義しました。この結果、MOD Squad を構成する 1 万人(さらに拡大中)の従業員を中心としたビジネスを展開することに成功しました。
これこそ、MOD 社は一味違うと顧客に感じてもらえるポイントです。エバーハート氏は次のように述べています。
「私たちが従業員を大切にすれば、従業員はお客様を大切にします。こうしてビジネスはひとりでに上手くいくのです」
私たちが進む未来は不確かですが、MOD 社のような企業が積極的に人を優先する取り組みを行い、奉仕するコミュニティにプラスの効果をもたらし、不平等ゼロに向けて現実的な対策をとっていけば、これから先のビジネスニーズを満たすことが可能になります。そして、目的、文化、テクノロジーの面で人を中心としたビジネスを展開することで、より持続可能なワークフォースと、持続可能な世界を創造することができます。
アーロン・グリーン (Aaron Green) は、SAP SuccessFactors の最高マーケティング&ソリューション責任者です。
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