(本記事は、11月5日に本社で掲載されたものです)
今週ベルリンで開催された SAP TechEd Berlinにおいて、私たちは新たなイノベーションを発表しました。これにより、SAP をよりオープンにし、開発者が選んだツール、言語、フレームワークを自由に活用し、より迅速かつスマートに開発できる環境を提供し、当社のプロミスを実現します。
コンテキストリッチなエージェントプラットフォームでカスタムエージェントを構築
Joule Studio でカスタムエージェントを構築する機能は、12 月に一般提供される予定です。新機能には、AI 支援エージェント設計、システムトリガーエージェント、SAP 標準 Jouleエージェントの拡張、一元化されたエンタープライズグレードのエージェント監視、Agent-to-Agent (A2A) プロトコルのサポート、および Model Context Protocol (MCP) のサポートが含まれます。詳しい内容については、詳細な発表ブログとデモ動画でご確認いただけます。
「Joule Studio のエージェントビルダーが SAP のアナリティクスとマーチャンダイジングシステムをつなぐことで、Accentureの Optisell エージェントを強化できました。リスク在庫を特定し、価格設定アクションを推奨し、商品アラート設定をシンプル化します。大規模なカスタム開発は必要ありませんでした」
キャサリン・グエン (Catherine Nguyen) 氏、Accenture, SAP Business Group AI Strategy and Adoption 担当グローバルリード

プロコードエージェントを構築する開発者向けに、SAP® Business Technology Platform (SAP BTP) は、人気のあるオープンソースフレームワーク(Crew.AI や LangGraph など) への包括的なサポートを提供し、エンドツーエンドの ID、権限、ガバナンス、および統合機能を提供します。
SAP® HANA Cloud の MCP サポートが利用可能になり、豊富なマルチモデルエンジンに直接アクセスできるようになりました。これにより、エージェントは完全データコンテキストを基盤にでき、顧客とサプライヤー間の関係性のナビゲーション、空間データによる地理的依存関係の把握、ベクトル埋め込みによるセマンティック検索などが可能になります。これらはすべて、単一のインメモリエンジン内で行われます。
さらに、SAP HANA Cloud ナレッジグラフエンジンで、SAP HANA Cloud メタデータからナレッジグラフを自動的に生成できるようになりました。マニュアルでのモデリングでは数週間かかっていたものが、数分で自動的に実行できます。
SAP HANA Cloud のエージェントメモリも有効化されました。AI エージェントは、長期にわたるセッション全体にわたってコンテキストを保持し、人間と同じように過去の入力と意思決定を記憶して、継続的により賢くなれます。
AI Foundation のイノベーションも発表されました。これには、初のエンタープライズ向けリレーショナル基盤モデル (RPT) である SAP-RPT-1 に加え、ノーコード・テストプレイグラウンド環境とプロンプト最適化サービスが含まれます。SAP の生成 AI ハブには、新しい機能が継続的に追加されています。これにより、開発者は主要モデルとオーケストレーションツールを試したり、SAP/非 SAP ランドスケープ全体で AI 開発と製品化を拡張したりできます。 これらの発表の詳細については、こちらをご覧ください。
SAP Build 上で好きなツールを使用
SAP® Build 向けの新しいローカル MCP サーバーにより、開発者は、エンタープライズグレードのガバナンスと clean core の整合性を維持しながら、 SAP Build 開発用エージェント型ツールや、Cursor、Windsurf、Claude Code、Cline、OpenAI Codex などの推奨コードアシスタントを利用できるようになります。
さらに、CAP、Fiori、UI5、およびモバイルアプリケーションのシンプルな開発を実現するための Visual Studio (VS) Code 向け SAP Build 拡張パックの提供が開始されます。これにより、VS Code 開発者は、より迅速にアプリを構築し、SAP BTP に容易にデプロイできるようになります。将来的には、これらのツールのオンボーディングをシンプル化し、他の統合開発者環境 (IDE) でも同様のネイティブ開発エクスペリエンスを提供する拡張機能を Open VSX Registry で公開する予定です。

SAP Joule for Developers による開発の迅速化
SAP 開発に最適なコードアシスタント SAP Joule for Developers では、あらゆるスキルレベルの開発者が、AI を駆使した包括的な開発者向けツールを活用することで、SAP 中心の目的特化型 AI モデルをベースとした正確で文脈に応じた結果を出すことができ、より効率的に開発を行うことが可能になります。開発者は ABAP、Java、JavaScript、およびビジュアルツールベースのアプリケーション開発や SAP プロセスの自動化を加速させ、より生産的で創造的、かつ専門的な作業に時間を費やせるようになります。
SAP® Cloud ERP Private の ABAP AI 支援開発や AI 主導のカスタムコード移行機能など、SAP Joule for Developers の新しい拡張機能により、開発者はレガシーシステムを近代化し、エンタープライズレベルのガバナンスおよびセキュリティ要件を満たすことができます。これらの改善により、生産性が高まり、コード品質が向上し、クラウド変革目標もサポートされます。
デジタルワークスペース向け SAP® Build で作業する開発者は、AI 支援コンテンツ作成機能を使用して、コメントの生成、ワークスペースコンテンツの作成、および文書の要約を迅速に行うことができるようになりました。AI 応答は、ユーザー固有のフォルダおよびワークスペースコンテンツから直接取得することもできます。これにより、コンプライアンスを維持し、ロールベースの文書グラウンディングを保護しながら、ロールに合わせて調整された信頼できるインサイトがユーザーに提供されます。
また、ABAP コードでトレーニングされ、ABAP 開発に特化した新しい ABAP 大規模言語モデル (LLM) が来年リリースされる予定です。
すべてを連携させて生産性を向上
開発者はビジネスを継続させるための架け橋を築きます。これは、SAP® Integration Suite によって、より簡単かつ迅速に実現できます。以下のイノベーションにより、API およびエージェント主導の自動化が容易になり、リアルタイムモニタリングによって信頼性の高いエンドツーエンドのセキュリティが確保され、開発者の生産性が向上します。
AI 機能は、引き続き SAP Integration Suite に直接組み込まれます。API Management では、エラースパイク、遅延の急増、異常なトラフィックパターンなどの一般的な API 異常を解決するための、対象を絞った推奨事項とインテリジェントな回復が自動的に提供されるようになります。開発者は、よく使用される API について Joule に質問し、API の詳細なインサイトを取得して、使用パターンを理解することもできます。

MCP ゲートウェイのサポートにより、お客様は、AI エージェントで使用できるカスタム API や統合フローを公開できるようになります。この機能により、お客様は Joule Studioで構築したカスタムエージェントを強化したり、円滑なエージェント利用のために MCP ツールとして構成されたサードパーティシステムやレガシー SAP システムのデータを統合して Jouleエージェントを拡張したりできるようになります。このアプローチにより、アクセスが標準化され、ガバナンスとセキュリティが一元化され、開発者ハブでの発見しやすさが向上します。
また、統合プロジェクトを迅速化するために、追加設定不要の何百もの統合アダプタや、SAP® Business Accelerator Hub 上の事前構築された API、イベント、および統合コンテンツにアクセスすることができます。
後付けではなく組み込まれたセキュリティと運用性
SAP BTP は、開発者にアプリケーション管理、データ保護、SAP システムとサードパーティシステム間でのシームレスなソリューション拡張をサポートする統合環境を提供します。アプリケーションライフサイクルの一元化、相互運用性、セキュリティ、管理などのコア機能により、開発者はエラーを簡単かつ迅速に解決し、チーム全体で生産性を向上させることができます。全拡張機能については、SAP TechEd Innovation Guide をご覧ください。
ご都合のよいタイミングでご確認ください
SAP TechEd に直接またはオンラインで参加できなかった方は、Innovation Guide で発表内容をご覧いただき、オンデマンドセッションもご利用ください。
どのような DX プロジェクトに取り組んでおられる場合でも、以下のツールまたは情報をご利用いただけます。
- sap.com/btp にアクセスして、SAP BTP の無料トライアルを利用する
- SAP BTP 向け SAP Learning Journey や新しい SAP BTP ユースケースを参照する
- 12 月 9 日開催の Joule Studio Agent Builder ウェビナーに登録する
- SAP® Business Data Cloud と SAP HANA Cloud 向け新データファブリックイノベーション SAP Snowflake の紹介を読む



