毎朝起きるたびに、調達・購買の課題リストが少しずつ増えているように感じることはありませんか。1 つに折り合いをつけたかと思えば、また新たな課題が出てきます。経済的な問題、サプライチェーンの世界的混乱、新しいテクノロジーの登場など、次々と何かが起こり、私たちは常に試されているようです。
サプライヤーとの関係を強化したり、コストを管理したり、サステナビリティの責務を果たしたり、回復力の強いサプライチェーンを構築するなど、これらすべてを調達・購買部門をより戦略的な部門へと変革する中で行う必要があります。当然ながら調達・購買リーダーたちは、変化する状況に迅速に適応できる組織作りのために、次なるテクノロジーの波に注目しています。
RISE with SAP:変化する市場力学への適応を高め、スピーディーにイノベーションを進める
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多くの企業にとって、主なビジネスプロセスをクラウドに移行することは「次なるテクノロジーの波」であり、RISE with SAP は、これを実現できるパーフェクトな選択肢と言えます。
RISE with SAP ソリューションは、SAP® ERP や SAP S/4HANA® を含むオンプレミス ERP のクラウドへのスムーズで安全な移行を可能にするマネージドクラウドオファリングです。このソリューションが提供するビジネストランスフォーメーションへの包括的アプローチにより、変化する市場力学への適応力を高め、より迅速にイノベーションを実現することが可能になります。
企業は RISE with SAP を活用することで、IT インフラを最新化し、主要なビジネスプロセスを最適化および自動化し、新たな効率性を引き出すことができます。さらに、データとアナリティクスのパワーを存分に活かして、情報に基づいた意思決定を行い、より効果的かつ効率的にビジネス目標を達成できるようになります。
調達・購買の課題:サプライヤーへの DX の拡張
もう何年も「デジタルトランスフォーメーション」は、調達・購買部門を含むさまざまなビジネス部門でホットなトレンドになっています。今、多くの組織が、手動のビジネスプロセスや異種混合のソフトウェアアプリケーション内にばらばらに存在している社内業務を、統合された ERP システムへと移行させています。そして、このような統合型システムは、ユーザーエクスペリエンスを改善し、手動プロセスをデジタル化し、戦略的な意思決定を加速させるために、生成 AI を活用し始めています。
これは、ビジネス上では成功と言えますが、1 つ気を付けておくべきことがあります。それは、「従来の」デジタルトランスフォーメーションでは組織の枠を超えられないということです。しかしサプライヤーは組織の外側で活動し、そこでのコミュニケーションはデジタル化されていない可能性があります。実際、SAP がスポンサーの 2023 年の IDC InfoBrief* によると、回答者の 68% が、調達・購買部門とサプライチェーンのやり取りに、電子メールを使ってデータや伝票を送受信していることが明らかになりました。さらに、その他の方法として、電話 (44%)、サプライヤー/カスタマーのポータル (38%)、EDI (26%) が上がっています。
今日利用可能なテクノロジーという視点で考えると、これは非生産的なだけでなく、必要でもない手法です。RISE with SAP S/4HANA® Cloud では、SAP® Business Network for Procurement を含むプレミアプラスエディションが提供され、これにより、企業はビジネスプロセスのデジタルトランスフォーメーションを社外にまで広げることができます。
コラボレーションの向上、請求書処理の高速化、ユーザーエクスペリエンスの向上
SAP Business Network for Procurement は、バイヤーとサプライヤーがネットワーク化された単一のプラットフォーム上で互いを見つけ、取引する方法を提供するクラウドベースのコラボレーションオファリングです。このネットワークでは、以下のことが可能になります。
- サプライヤーとのデータや伝票のデジタル交換により、電話、ファックス、電子メール、または郵送が不要に
- 支出の可視化とコンプライアンスの強化
- サプライヤーマーケットプレイスを活用することで、ビジネスのレジリエンス、多様な支出、サステナビリティ目標との整合を実現
さらに、取引業務の改善と請求書ステータスの可視化により、取引先との関係を強化するための運転資本管理が向上します。財務担当者は、買掛金処理の効率化と購買・支払コンプライアンスの向上により、月末の締めをより迅速に行うことができます。
SAP Business Network for Procurement による SAP S/4HANA Cloud の拡張
RISE with SAP を SAP Business Network for Procurement と併用することにより、調達・購買部門は、調達・購買プロセスおよび請求書処理プロセスでサプライヤーとデジタルでコラボレートでき、これにより、取引効率が劇的に向上します。
ERP の自然な拡張版である SAP Business Network は、SAP S/4HANA Cloud から始まる調達・購買プロセスがサプライヤーにデジタル送信される環境を提供します。その結果、サプライヤーは注文受領、注文確認、出荷通知、請求書などのトランザクションを表示および生成し、迅速に行動できるので、購買から支払までのプロセスを加速させることができます。
SAP Business Network for Procurement は、以下のような多くの領域でプロセスの効率を高めます。
- 発注処理:ERP で作成されたデジタル発注書は、サプライヤーに自動的に送信されます。サプライヤーによる確定後、バイヤーは注文が受理されたことと納期を把握できます。
- 請求書の支払状況:SAP® Business Network のダッシュボードから請求書情報と支払状況を確認し、サプライヤーを更新できるため、電話での問い合わせが不要になります。
- 請求書のビジネスルール:バイヤーは、ビジネスプロセスや法規制への遵守を必要とするビジネスルールを柔軟に設定することができます。
- 注文変更の更新:バイヤーとサプライヤーは、未決済の注文書に対しては変更が可能で、変更内容は監査可能な形で記録されます。同期により、出荷通知などの関連伝票も更新されます。
- 支払コンプライアンス:迅速な請求書処理とデータの正確性により、誤支払や重複支払を最小限に抑え、会計プロセスと財務全体の可視性を改善します。
- サプライヤーとのコラボレーション:デジタル化により、サプライヤーからの迅速なフィードバックが可能になり、サプライヤーは発注書を確認書や請求書に「反転」させることができるようになり、エラーや手作業を減らすことができます。
- プロモーションの機会:ネットワーク化されたサプライヤーは、ネットワークを利用して自社の製品を宣伝し、新しい顧客とつながることで、ビジネスを成長させる新たな機会を得ることができます。
デジタルトランスフォーメーションの次の波
RISE with SAP に投資することで、コアビジネスプロセスをクラウドに移行することが可能になります。このソリューションに SAP Business Network を加えることで、標準化されたプロセスと一貫性のあるデータに基づいて構築された単一のエンドツーエンドのテクノロジーランドスケープを通じて、DX を取引先とのやり取りにまで拡張することができます。
これこそ、毎朝拡大を続けるビジネス課題リストへの対応を支援する、次なるテクノロジーの波だと言えるでしょう。
エトーシャ・サーマン (Etosha Thurman) は SAP の Intelligent Spend and Business Network 担当チーフ・マーケティング & ソリューション・オフィサーです。
SAP Business Network で供給保証、調達効率、コンプライアンス、支出の透明性を強化
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*Driving Best-in-Class Supply Chain Collaboration with a Business Network, doc #US50854723, 2023年7月
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