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人工知能 (AI) における SAP パートナーのビジネスチャンス

Business meeting of two employees, Asian and female colleagues, discussing the project, working in a modern office, looking at a laptop screen, discussing edits, and project success

SAP CEO のクリスチャン・クライン (Christian Klein) は、今年初めに行われた CNBC のインタビューの中で次のように述べています。「2024 年は、AI が探求段階から実践段階へと移行する年になるでしょう」

AI が世界中の役員会で議題に上がる最もホットなトピックの 1 つになったことは間違いありませんが、ビジネスリーダーたちは今、AI に関する過剰な宣伝に惑わされることなく、AI の持つあらゆる可能性を具体的なビジネス成果に落とし込もうとしのぎを削っています。

このことは、SAP のパートナーにとって、より直感的で自律的なソリューションを顧客に提供し、業界のニーズに合わせた新しいサービスや変革プログラムを生み出すことで成長を加速する千載一遇のチャンスであり、その価値は 2023 年には 150 億米ドルにものぼると推定されていました[1]

AI は SAP や多くの SAP パートナーにとって新しい概念ではありません。かなり以前から AI は SAP のビジネスソリューションに組み込まれており、ビジネスプロセスにインテリジェンスをネイティブに注入してきました。しかし、過去 18 カ月間に AI、特に生成 AIが飛躍的な成長を遂げたことで、コンピューターシステムがデータから学習し、複雑な問題を解決し、さらには必要時には創造性すら発揮するという劇的な転換が加速しています。これは、ビジネスと社会を根本から変える変革にほかなりません。

急増するビジネスチャンス

SAP は、ビジネスの世界を動かしているプロセスやデータに AI の持つパワーを組み合わせて、関連性・信頼性の高い責任あるビジネス AI を提供することに献身的に取り組んでいます。SAP は現在、全世界で 2 億 9,300 万人以上のクラウドユーザーにサービスを提供しており、SAP のお客様が行う商取引は、世界全体の商取引の 87% を占めています。SAP のデータエステートのスケールの大きさは比類ない可能性を生み、業界全体の大規模言語モデルの機能を強化しています。

SAP のパートナーがこれまでに手がけた AI 案件を見ると、次の 2 つのカテゴリーに大きく分類されることが分かります。

AI を活用した自動化で既存の SAP ビジネスプロセスを強化
AI は、自動化できるデータプロセスの種類を増やしてきました。例えば、SAP は IBM と共同で、消費者向けパッケージ商品 (CPG) 業界や小売業界の顧客を支援するソリューションを開発しており、従来のソリューションと生成 AI ソリューションを活用して、複雑な店舗直送のビジネスプロセスや製品ポートフォリオ管理に対処しています。天候、交通、地域イベントなどのデータを SAP® Direct Distribution ソリューションに送り、AI を適用することで、CPG 企業は最適な店舗配送ルートを特定し、コストとカーボンフットプリントを削減することができます。

マイクロソフトと協力して、Microsoft 365 Copilot の自然言語処理機能を SAP SuccessFactors® ソリューションに統合することで、組織の人材募集、維持、育成方法を改善しています。

全く新しいサービスの創出
AI はまた、複雑なデータを実用的なインサイトにすばやく変換する方法など、新しい革新的なソリューションを生み出す力を SAP パートナーに与えています。例えばIcertisは、SAP/パートナーオファリングのオンラインマーケットプレイスであるSAP Storeから、AI搭載の契約インテリジェンスプラットフォームを提供しています。このソリューションは、契約に含まれる固有のビジネス情報を、SAPソリューションと接続可能な構造化データに変換します。このソリューションを使えば、効率的な契約書の作成、交渉、履行管理が可能になり、企業全体の収益向上とリスク低減が実現し、さらにより高度な AI を適用できるようになります。

SAP Store ではまた、エンタープライズオートメーションと AI ソフトウェアのリーディングカンパニーである UiPath が、AI を搭載した UiPath Business Automation Platform を提供しており、企業の重要な業務のクラウドへの移行を容易にし、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを加速させています。

こうした発想を顧客に実現させるには、技術的な基盤だけでなく、顧客と協力して業界固有のユースケースを定義し、それをタイムリーに実現できる、献身的で有能なパートナーのエコシステムが必要です。

AI ジャーニーの加速

SAP の AI 機能の幅広さは、パートナー企業に各ソリューションへ AI を導入する際に選択肢が数多くあり、それぞれが持つ自社の専門知識や将来のビジネス目標に最も合った方法を迅速に見つけることができるということを意味します。

まず最初に、SAPは、SAP のERP/HCMソリューションや SAP® Business Technology Platform (SAP® BTP) など、SAP の多くのアプリケーションやプラットフォームに AI 機能を組み込みました。特に、SAP BTP に AI 機能を組み込むことで、企業データを使って簡単にカスタマイズできる強力なビジネス AI モデルを訓練および実装するための基盤をパートナーに提供しています。これは、業界をリードする基盤モデルを使用して GenAI モデルを訓練するためのさらなるオプションを提供する、SAP の生成 AI ハブによってサポートされています。

Hack2Build パートナーに SAP の活動をより身近に感じてもらうため、SAP は プロトタイピングプログラムにパートナーを招待して、顧客の実際のビジネスプロセスに沿った形で生成 AI を自社のソリューションに組み込んでもらいました。

最近開催された Hack2Build イベントでは、10 社のパートナーが選ばれ、SAP の生成 AI ハブを AI 基盤として活用するユースケースを試験しました。一部ユースケースをご紹介します。

SAP が次に力を入れているエリアは、パートナーがテクノロジーソリューションを作成する際に使用するプロセスを AI で効率化することです。 ソフトウェア開発ツールである SAP® BuildとSAP® Build Code に GenAI を組み込むことで、ビジネスユーザーでもプロの開発者でも同様に強力なアプリケーションを迅速かつ容易に作成できるようにし、パートナー企業が新しいイノベーションをより早く市場に投入できるようにします。

そして最後に SAP は、お客様が SAP のアプリケーションやサービスに関わる方法そのものにAIを組み込もうとしていますJoule(ジュール)は、SAP アプリケーションスイート全体でビジネスプロセスを管理および改善するためのコンテキストアウェアなインターフェースを提供する AI コパイロットで、SAP システムに質問するのと同じくらい簡単に答えを見つけられるようになります。時が経つにつれ、パートナーは Joule を顧客とそのシステム間の重要なインターフェースとして活用できるようになり、ユーザーがプロセスや社内に蓄積されたナレッジとより自然な言語形式でやり取りする方法を再定義できるようになるでしょう。

SAP の AI サービスは、RISE with SAP のクラウド変革による価値実現への道のりを早める上でも重要な役割を果たします。SAP と SAP のパートナー各社は、SAP BTP 上で AI を活用した開発ツールやコンテンツを提供し、コードの自動生成やインテリジェントな移行ツールによるデータサイロの統合を実現します。

パートナーの AI 能力の構築

こうした実際の活動から、パートナーが既存のソリューションに AI を組み込んだり、まったく新しいソリューションを生み出したりする際のさまざまな糸口が生まれます。

AI を最大限に活用するためには、SAP のパートナーもまた、必要な専門知識を構築するための変革期を経験しなくてはなりません。

SAP では、すべての開発者が AI 開発者になれると考えており、それはパートナー企業のすべての開発者が同じ機会を得られることを意味します。そのため SAP は、AI に焦点を当てたラーニングジャーニー、コーチングサービス、Hack2Build イベントなどの実践サポートモデル、SAP PartnerEdge Program を通じて利用できる新しい認定オプションなど、パートナー向けに的を絞ったイネーブルメントプログラムを幅広く用意しています。

SAP は、2024 年もパートナー向け AI オファリングを拡張し続け、生成 AI モデルや MLOps のプロバイダーとのパートナーシップを確立し、最先端の AI テクノロジーと AI モデルをパートナーに提供していきます。この活動には、最近発表された NVIDIA との取り組みや、Cisco などの大手企業とともに立ち上げた、AI の影響を最も受ける職務のアップスキリングとリスキリングに焦点を当てた AI-Enabled Information and Communication Technology (ICT) Workforce Consortium への参画も含まれます。

オープンソースや独自の基盤モデルを利用可能にし、SAP BTP 上の AI サービスを通じて、SAP のパートナーは、顧客のビジネス AI ニーズにワンストップで対応できるようになります。SAP はまた、パートナー各社が独自の AI システムをトレーニングする際のプロセスを容易にしています。AI のユースケースを SAP の SaaS 全体で利用できるようにする「AI ユニット」と呼ばれる単一指標を作成して、パートナーが SAP for Meサイトから自社の割当量と消費量を追跡できるようにしています。

AI を基盤にして築く未来のパートナーシップ

SAP のパートナーは、ビジネスや専門分野の幅広い知識をもたらします。RISE with SAP の新しいプレミアム・プラス・パッケージや Joule をはじめとする SAP の AI 組み込み型ポートフォリオを市場に投入し、SAP のビジネス AI プラットフォームと AI サービスを利用することで、SAP のパートナーはビジネスの状況に合わせて AI をカスタマイズし、革新的な AI のユースケースを構築して、顧客のクラウド変革を加速できるようになります。

[1] 出典:「Generative AI will be a US$158.6 billion opportunity for the channel ecosystem by 2028」Canalys

以上

 

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