(本記事は、3月27日に本社で掲載されたものです)
SAP がこのたび、2025年のGartner® Magic Quadrant™において、Source to Payスイート分野でリーダーに認定されたことを非常に光栄に思います。SAP支出管理ソリューション担当最高製品責任者として、この評価を受けたことに誇りを感じています。
今回の認定は、企業の調達・購買プロセスの最適化と最終利益の向上を支援するために革新的かつ包括的なソリューションを提供するという、当社の揺るぎないコミットメントの証であると考えています。
この認定はまた、SAP Ariba® の強みと、データ、インテリジェンス、スイートに基づくエクスペリエンスの提供に継続的に注力してきたことの証明であると感じています。 絶えず変動する先の見えない世界で、パートナー企業は SAP を幅広くかつ深く理解し、私たちの方針に従って、お客様のビジネス全体に大きな成功をもたらす上で独自の地位を築いています。ですから私たちは、今回の認定に身の引き締まる思いです。
SAP の Source-to-Pay オファリングと投資の重点領域
SAP Ariba は、バイヤーとサプライヤーが協力して調達・購買の力を最大限に引き出せるよう支援する、クラウドベーステクノロジーの開発をリードしてきました。SAP Ariba は、このようなサービスをマルチテナントのクラウドフレームワークで初めて提供した製品として、複雑さに対処できるよう詳細な機能を備えながら、ユーザーエクスペリエンスに重点を置いてシンプルさを実現しています。 これにより、あらゆる業界、地域、支出タイプに対応できるオファリングになりました。その証として、SAP のお客様はグローバルに広がっています。
今後は、引き続きポートフォリオ全体のイノベーションと改善に取り組んでいきます。インテリジェンスに関するユースケースの構築は、SAP の製品戦略の中心であり、これらのユースケースは、当社製品の次世代のユーザーエクスペリエンスを明確に示すものです。比類のない支出管理アプリケーションは、世界中のさまざまなお客様が、直接材、間接材、MRO、サービスなど、すべての支出を管理下に置くことを可能にしてきました。 その結果、世界に類を見ない、調達・購買で最大のデータセットが生まれ、他にはない AI ロードマップの実現を促進しています。
SAPのAIコパイロットである Joule(ジュール)は、Source-to-Pay プロセス全体の複雑なタスクをシンプルにします。各ユースケースは生産性の向上を目的として設計されており、調達・購買部門は少ない労力で多くの成果を上げることができます。Joule のエージェント型 AI フレームワークが SAP の支出管理アプリケーションに直接適用されることで、お客様はビジネスランドスケープ全体のデータを操作するエージェントを構築することが可能になります。
今日の企業は、時に、自社のビジネスに専念するように言われることもありますが、SAP は、自社だけで成り立つビジネスはないと考えています。私たちの製品ロードマップは、190 カ国で運用されている、産業界で最大級のサプライヤーネットワークであるSAP® Business Networkを介した取引パートナーとの協業エクスペリエンスに基づいています。これを体現するのが、AI ファーストの考え方で構築された新製品の SAP Ariba Category Management です。そのカテゴリーエージェントは、ビジネスネットワークとプロセスを認識する点で意義があります。つまり、この製品はネットワークと Source-to-Pay スイート全体に統合されており、カテゴリー戦略の策定とその実行のモニタリングを支援します。
SAP Spend Control Tower は、SAP クラウド ERP ソリューション、SAP Ariba ソリューション、SAP Fieldglass® ソリューション、または SAP Concur® ソリューションから出力されたデータの統合作業を不要にして、支出管理システム全体を可視化します。大まかに言うと、このことは SAP Business Data Cloud の全体的な戦略の基本であり、すべてのビジネスアプリケーションが共通言語を使用するようにして、SAP Business Suite の比類のない AI ロードマップを実現します。
SAP は同時に、ソフトウェアアプリケーションが異種混合世界になっていることを認識しています。そして、SAP のアプリケーションパートナーネットワークは、拡大を続けています。SAP がすべての問題を解決する機能を開発するわけではありませんが、SAP 以外の製品がワークフローに含まれている場合でも、お客様はやはり、アプリケーション間の調整がなされたスイートエクスペリエンスを望んでおられます。そこで私たちは、SAP Ariba Intake Management の開発に投資してきました。購買依頼を自動化するには、アプリケーションがいくつ含まれるかに関わらず、1 つの共通ワークフローで行われる必要があります。SAP アプリケーションが含まれているワークフローでは、統合作業の必要をなくし、このスイートエクスペリエンスを初めから組み込む対応を進めています。統合されたエクスペリエンスをもたらすべく、SAP Fieldglass や SAP Taulia® の機能も SAP Ariba に直接組み込んでいるところです。
実際の効果
SAP が提供する Source-to-Pay ソリューションの能力を最もよく示すのは、お客様の体験です。グローバルな専門小売企業の American Eagle Outfitters (AEO) 社は、膨大な数のサプライヤーと請求書の管理に苦労していました。AEO 社は、SAP Business Network と SAP Ariba ソリューションを導入して、発注書に対する規定の順守率で目標を 5% 上回る 85%、また、年間 4 万 8,000 件の請求書に対する規定の順守率 75% を達成し、支出額にして 7 億 8,000 万米ドル以上が SAP Business Network で取引されるようになりました。
AEO 社 Procure-to-Payサービス担当シニアマネージャーを務めるニック・ボナッチ (Nick Bonacci) 氏は、次のように述べています。「SAP Ariba ソリューションと SAP Business Network のおかげで、いくつかの重要なアプローチで調達から支払いまでのプロセスをシンプルにすることができました。SAP の直感的なアプリケーションを使用することで、法規制や社内規定に準拠した購買プロトコルが組織全体に浸透し、コスト削減の最大化、運転資本の最適化、ベンダーとの関係強化につながっています」
同様に、Adani Enterprises Limited 社では SAP Business Network と SAP Ariba ソリューションを導入した結果、デジタルチャネルで請求書が初回で正しく処理される割合が 94% に達し、請求書処理にかかる時間を年間 4,000 時間削減し、サプライヤーのデジタル化によって 1 年で 850 万枚以上の紙を節約することができました。
Adani 社ビジネスエクセレンス/戦略的イニシアチブ担当グループ責任者のムケシュ・ラルハン (Mukesh Ralhan) 氏は次のように述べています。「当社では、毎年 10 万件近くの発注書を処理しており、その総額は 200 億米ドルを超えています。これは一企業としては非常に大きな額です。単一プラットフォームに対応した SAP Ariba ソリューションなどの SAP ソフトウェアがなければ、成し得なかったでしょう」
今後の展望
SAP は引き続き、今日の複雑な調達・購買への対応を支援するソリューションの実現・提供に取り組んでいます。お客様の成功を最優先に考え、深い業界知識と革新的なテクノロジーを駆使して、私たちはこれからも Source-to-Pay ソリューションをリードしてまいります。
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