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SAP S/4HANAとFinTech融合による、デジタルトレジャリーへの変革 第7弾 最新クラウド型トレジャリーソリューション編

abstract motion-blurred view from the front of a train in Tokio, Japan

はじめに

本記事では、デジタルトレジャリーの実現において、新しい提供形態となるクラウド型トレジャリーソリューションに関する内容です。本記事は「SAP S/4HANAとFin Tech融合によるデジタルトレジャリーへの変革 全体概要編」の続編となっておりますので、全体像を把握頂いた上でお読みいただけるとより理解が深まるかと思います。また、デジタルトレジャリーへの変革シリーズとして、全体概要編の他にも、銀行管理編資金繰り管理編財務リスク管理編前編財務リスク管理編後編(為替リスク管理)次世代ペイメントファクトリー編も併せてご参照ください。

SAP S/4HANA Cloudによる財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)とは

昨今、多くの企業でSAP S/4HANAを最大限活用することにより、ファイナンストランスフォーメーションロードマップ策定、システム導入・活用が進んでおります。 
システムアーキテクチャに関しても、各社毎の状況に合わせた、様々なアプローチ(統合、分散、ハイブリッド等)がとられております。こうした状況のなか、SAPではクラウド型のトレジャリーソリューションを提供することで、柔軟なシステムアーキテクチャの提供を実現し、最新のSAP S/4HANA Cloudトレジャリーソリューション(財務管理ワークステーションシナリオ)をより活用いただきやすくなりました。
特に財務資金管理領域では、サプライチェーンや会計といった、ビジネスや業務プロセス、組織構造に大きな影響を受け、ロードマップに関しても長い年月がかかる場合もあるため、スモールスタートでの活用に関するニーズも非常に大きく、そういった観点では、今回ご紹介するクラウド型トレジャリー(財務ワークステーション型)は、SAP S/4HANAとの連携も可能な仕組みとなっており、様々な財務資金の変革ロードマップに対応するための新しいサービスとなっております。

また、財務ワークステーション型での利用は、トレーディングプラットフォーム(為替予約取引プラットフォーム連携等)や、銀行接続(SWIFT接続やHost to Host接続)、マーケットレートデータプロバイダ接続、財務エグゼクティブダッシュボードの利用、既存のSAPシステムとの連携(マスタ、キャッシュフロー、会計伝票、支払データ等)可能な事前定義済シナリオを用意しているため、迅速に利用開始が可能になっており、既存の仕組みに(SAP S/4HANA オンプレミス、SAP S/4HANA Cloud Private edition)、最新のトレジャリーソリューションを組み込むことも可能です。

SAP S/4HANA Cloudの財務管理ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)

 
財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)は、財務資金管理領域の全領域をカバーする広範なソリューションとなっております。したがって、これまでの「SAP S/4HANAとFinTech融合による、デジタルトレジャリーへの変革」でご紹介してきた機能を、常に最新化した形で提供しているため、最新の資金管理、財務取引管理、支払代行・ネッティング、銀行接続、トレーディングプラットフォーム接続、マネーマーケットレートプロバイダ接続、財務エグゼクティブダッシュボードといった各領域の最新機能を、迅速に、必要なところから利用開始することが可能です。当然、オンプレミスやPrivate CloudのSAP S/4HANA との連携に関しても、連携機能にて連携できるようになっています。

これまでの本ブログシリーズでは、様々なオペレーショナルな機能中心(金融商品管理、為替予約、支払代行/マルチラテラルネッティング等)にご紹介させていただきました。財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)はSAPの最新の機能を組み込んだ形で提供されるため、常に最新テクノロジーが組み込みされたソリューションとして継続的にご利用たいだけます。SAP S/4HANA Cloudによる財務ワークステーションにおいても、同様のカバレッジ、かつ最新のテクノロジーを組み込みしたソリューションとなっており、各業務オペレーションから意思決定を支援する、レポートやダッシュボードを迅速に利用できるようになっております。特に財務管理ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)に関しては、クラウド型で提供され、Fit to Standardアプローチでの利用を想定しており、既存ERPとも疎結合になっているため、財務部主導での早期立ち上げも容易になり、事前定義されたレポートや、ダッシュボードを活用することで迅速に業務オペレーションの効率化、意思決定に必要な情報を抽出し、活用いただけるようになっております。レポートやダッシュボードも優先度が高いところからスタートし、順次範囲を拡張いただくことも可能です。

SAP S/4HANA Cloud 財務ワークステーションで利用可能なレポート、ダッシュボード、市場リスク分析機能の一例

SAP S/4HANA Cloud 財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)
財務取引管理(外国為替概要)

外国為替に関する状況を一元的に管理することが可能なため、通貨別の資金ポジション、為替予約をはじめとしたデリバティブポジション、ネット為替エクスポージャーを瞬時に把握可能です。

 

SAP S/4HANA Cloud 財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)
資金管理(キャッシュフローアナライザ:流動性予測)

SAPシステムをはじめとした、様々な発生源の資金の情報を、財務ワークステーションに統合可能なめ、リアルタイムに資金状況を詳細に把握可能です。

 

SAP S/4HANA Cloud 財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)
資金管理(キャッシュフローアナライザ:実績キャッシュフロー)

資金の流動性予測だけではなく、実績のキャッシュフローも管理可能なため、予測と実績の比較を行い、流動性予測の精度向上に関してのボトルネックを探索することが可能です。

 

SAP Analytics Cloud 財務エグゼクティブダッシュボード

財務資金情報がダッシュボードに一元的に統合されているため、資金状況やリスク管理状況をリアルタイムに把握可能です。こちらのダッシュボードでは、財務資金管理に関わる必要な意思決定の基礎情報が統合されています。

 

SAP S/4HANA Cloud 財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション) 
インハウスバンキング

グループ会社間での支払代行、マルチラテラルネッティング結果を貸借残高として、金融統括会社や本社にて管理します。各グループ会社からの支払依頼等の明細も一元的に管理することが可能です。

SAP S/4HANA Cloud 財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション) 
市場リスク分析

客観的なリスク指標となる、NPV計算、履歴データや、モンテカルロシミュレーションによるVaR(バリューアットリスク)等を活用することにより、市場リスク分析用データの出力が可能です、
財務資金情報のリスク管理情報として、上記の財務エグゼクティブダッシュボード上にも反映可能です。

 

SAP S/4HANA Cloud 財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)活用のメリットまとめ

SAP S/4HANA Cloudによる財務ワークステーション(クラウド型トレジャリーソリューション)は、財務資金管理で必要となる業務領域を網羅的にカバーし、為替取引トレーディングプラットフォーム接続や、銀行接続を財務ワークステーションに組み込むことで、財務ワークステーションと他のFinTechサービスと統合された形で、迅速に利用可能な仕組みとなっております。特にSAPシステムとの連携は、ベストプラクティスとして連携シナリオが提供されているので、迅速に財務資金管理業務を最新のテクノロジーにより、デジタル化を行うことで、デジタルトレジャリーとして、次世代の業務プロセスを構築し、最適な資金管理の基盤とすることが可能な仕組みです。

以上で、SAP S/4HANAにて実現可能なデジタルトレジャリー クラウド型トレジャリーソリューション編をご紹介させていただきました。数十年前から欧米企業を中心に行われてきたグローバルでの資金管理に関しても、日本企業におけるファイナンストランスフォーメーションの大きなトピックとして、単に個社での財務管理オペレーションの最適化だけではなく、グループ全体での財務管理オペレーション標準化・集約化、調達・運用の最適化、金利リスク、為替リスクへの迅速な対応といった、経営管理の高度化を目的にした、取り組みが増えてきました。こういった取り組みを、中長期の最終的な目標達成までのロードマップを描きつつも、迅速に効果に結びつけていくための一つのオプションとして財務ワークステーションでのトレジャリーソリューションを提供しおります。今回で「SAP S/4HANAとFinTech融合による、デジタルトレジャリーへの変革」ブログシリーズは最終回となりますが、今後、最新トレンドを踏まえたトレジャリー関連のセミナーも予定されており、随時最新のトレジャリー関連の情報を提供させていただきます。

 
 

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