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(本記事は6月4日に本社で掲載されたものです)

SAP は、ビジネス AI 戦略の一環として、SAP® Business Technology Platform (SAP BTP) 上の SAP AI Core の生成 AI ハブを通じて各種 AI モデルへのアクセスを提供しています。お客様は、高度な AI 機能を組織のビジネスコンテキストに組み込むことで、関連性および信頼性の高い、責任あるソリューションからメリットを得ることができます。

SAP は、AI 倫理フレームワークの中でパートナーと協業して、業種固有のデータと深いプロセス知識からインサイトを生み出し、さまざまな企業に飛躍的な価値をもたらそうとしています。さらにマルチ・パートナー・アプローチにより、柔軟性を確保し、ベンダーロックインを防止し、お客様とパートナー企業が AI ランドスケープを効果的に利用できるようにしています。

このジャーニーの次のステップとして、SAP は Meta Llama 2 と Meta Llama 3 モデルを生成 AI ハブに統合します。お客様は Llama の定性的な会話出力によるリッチコンテンツでダッシュボードを作成したり、Meta Llama 3 で作ったユースケースを詳しく調査したりできるようになります。

SAP のビジネス AI 戦略の概要については、SAP Business AI のホワイトペーパーをご覧ください。SAP エコシステムが SAP BTP 上で生成 AI 機能と拡張機能を備えたソリューションを開発することができる、他では得られない機会について説明します。

SAP Analytics Cloud AI ポートフォリオの拡大

SAP は、SAP® Analytics Cloud で Joule を利用できるようにして、計画・分析担当者がより迅速に仕事をこなし、安全で法規制に則った方法でより高いビジネス成果を上げられるようにします。Meta Llama 3 が提供する幅広い機能は、ダッシュボードを拡張するカスタムスクリプトの自動生成や、SAP Analytics Cloud 上での最も正確なスクリプトの直接配信などの主要アクティビティによって、Joule ユーザーをサポートします。

目標としているのは、SAP Analytics Cloud の主要ワークフローに生成 AI を統合することです。これらのワークフローの変革により、どの組織でも共通の計画・分析担当者の明確な役割における革新的可能性が解き放たれます。SAP Analytics Cloud と Joule の組み合わせによって、どのように計画・分析担当者が効率的に仕事をこなせるようになるのかについては、こちらをご覧ください

生成 AI ハブで Meta Llama 3 が利用可能に

SAP は Llama 3 へのお客様からの関心を受け、2024 年第 2 四半期、SAP AI Core の生成 AI ハブで Llama 3 を利用できるようにします。生成 AI ハブには、SAP との統合や、言語モデルの対話を調整する機能など、付加価値の高い機能が備わっているため、SAP アプリケーション向け生成 AI のユースケースを簡単に作成できます。

Meta Llama 3 を生成 AI ハブに追加することで、SAP エコシステムの開発者はその付加価値機能を活用できるようになります。Meta Llama 3 の 70B バリアントは、生成 AI ハブで利用可能な最大のオープンソースモデルとなります。

SAP SuccessFactors における Text-to-Image(画像生成 AI)の必要性

SAP のお客様は、SAP SuccessFactors® HCM スイート内の画像の視覚的な魅力と関連性を高める方法を模索しています。現在の画像のキュレーションとアップロードのプロセスには時間とコストがかかり、特定シナリオには部分的にしか対応しない汎用的な画像になりがちで、さらにストック画像のライセンスに関連する費用も発生します。

Metaの最新版オープンソース大規模言語モデル (LLM) の統合は、多くのメリットを提供してくれます。Llama 3 のような LLM がもたらすクリエイティブな機能こそ、上記のようなシナリオに威力を発揮します。SAP SuccessFactors ソフトウェア内でユーザーのニーズに合ったカスタム画像を生成することができます。カスタマイズ可能なコースコンテンツのサムネイルや学習用バナー、SAP SuccessFactors Opportunity Marketplace 内の公募用画像、ホームページのテーマ別画像、パーソナライズされたプロフィールや従業員プロフィール上のバナー画像など、その効果は多岐にわたります。

この機能により、画像作成プロセスが合理化され、コストが削減され、すべての画像がそのコンテキストに適合されることで、間違いなくユーザーエンゲージメントとプラットフォーム全体のエクスペリエンスは向上するでしょう。SAP のお客様にはぜひ、仕様にしっかり合ったカスタムイメージという新しい世界で、ステークホルダーの興奮と興味をかき立てる準備を整えていただきたいと思います。

 

ウォルター・サン (Walter Sun) は SAP SE のシニアバイスプレジデント兼 AI グローバル責任者です。

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