本資料は、SAP SEが発行している「SAP 2020年第1四半期決算発表」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください
- IFRSベースのクラウド売上29%増、Non-IFRSベースのクラウド売上27%増
- IFRSベースのクラウド売上総利益率5パーセンテージポイント増、Non-IFRSベースのクラウド売上総利益率3パーセンテージポイント増
- 進行中のクラウドのバックログ25%増
- 総売上7%増
- IFRSベースの営業利益は12億ユーロと好調に増加、Non-IFRSベースの営業利益は1%増の15億ユーロ
- IFRSベースの営業利益率8パーセンテージポイント増、Non-IFRSベースの営業利益率1.3パーセンテージポイント減
- IFRSベースの1株あたり利益は68ユーロと好調に増加、Non-IFRSベースの1株あたり利益は5%減の0.85ユーロ
- 営業キャッシュフロー6%増、フリーキャッシュフロー9%増
SAP CEOのクリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。
「昨年の勢いに乗って、SAPは第1四半期の最初の2カ月を力強い勢いと堅調な成長でスタートしました。50年近くにわたり、SAPはミッションクリティカルなビジネスオペレーションの代名詞となってきました。COVID-19によって世界中で未曾有の困難に直面する中、SAPは自社のビジネスモデルが本質的に持つ回復力、ポートフォリオの持続可能な妥当性によって恩恵を得ることができました。SAPはより予測性の高い売上の基盤を増やすこと、ビジネスを多様な地域と業種に展開することを重視してきたため、この先の時期を乗り切り、その後に起こる新常態の中で力強く浮かび上がることができる堅調な状況にあります」
SAP CFOルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。
「第1四半期の業績ではSAPのビジネスの持続性が際立ちました。SAPはこれからも引き続き、堅実な経費管理とイノベーションへの投資のバランスを取り、競争上の優位性を維持向上させていく所存です。貸借対照表の安定性と収益の予測性のおかげで、SAPは継続的に株主に長期的な価値を提供できます」
ビジネスパフォーマンス
業績ハイライト
第1四半期の最初の2カ月におけるビジネス活動は好調でした。第1四半期の末にかけてCOVID-19による危機の影響が急速に強まり、かなりの新規ビジネスが延期となりました。この影響は、ソフトウェアライセンス売上が前年同期比で大幅に減少したことに顕著に現れています。
第1四半期の進行中のクラウドのバックログは25%増の66億5,000万ユーロでした(固定通貨換算ベースでは24%増)。クラウド売上はIFRSベースで前年同期比29%増の20億1,000万ユーロ、Non-IFRSベースで27%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで25%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、IFRSベースおよびNon-IFRSベースで前年同期比31%減の4億5,100万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで31%減でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで前年同期比7%増の54億ユーロ、Non-IFRSベースで6%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで5%増でした。総売上はIFRSベースで前年同期比7%増の65億2,000万ユーロ、Non-IFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで5%増でした。
第1四半期の予測性の高い売上の比率は前年同期比4パーセンテージポイント増の76%に達しました。
クラウド売上総利益率は、IFRSベースで前年同期比5.3パーセンテージポイント増の66.4%、Non-IFRSベースで前年同期比3.0パーセンテージポイント増の69.3%に達しました。
第1四半期のIFRSベースの営業利益は、構造改革の費用と株式報酬費用による影響が大幅に減少したため好調に増加しました。営業利益は、IFRSベースで前年同期より増加の12億1,000万ユーロ、Non-IFRSベースで1%増の14億8,000万ユーロ、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは横ばいでした。営業利益率は、IFRSベースで前年同期比20.8パーセンテージポイント増の18.6%、Non-IFRSベースで前年同期比1.3パーセンテージポイント減の22.7%、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで1.3パーセンテージポイント減の22.7%でした。
第1四半期では、対面で行う予定だった年次開催のSAPPHIRE NOWとその他のお客様向けイベントを中止したことに関連して、SAPはおよそ3,600万ユーロの費用を負担しました。中止がなければ、これらの費用はイベントが当初スケジュールされていた今後の四半期に発生するはずでした。
1株あたり利益は、IFRSベースでは前年同期比で好調に増加して0.68ユーロ、Non-IFRSベースでは5%減の0.85ユーロでした。
第1四半期の営業キャッシュフローは、前年同期比6%増の29億8,000万ユーロでした。フリーキャッシュフローは、前年同期比9%増の25億8,000万ユーロでした。第1四半期末時点の純負債はマイナス58億3,000万ユーロでした。
SAPは約15億ユーロの自社株買い入れプログラムを3月中旬までに完了しました。2020年にさらに自社株買い入れを実施する計画はありません。また、1株あたり1.58ユーロの配当提案に変更はありませんでした。これは、2020年5月20日にバーチャルイベントとして開催予定の年次の株主総会で投票により採決されます。
COVID-19への対応
SAPはCOVID-19のパンデミックに際してお客様、従業員、コミュニティを支援することに一貫して焦点を当てています。SAPは迅速にバーチャルセールスとリモート導入の戦略を採用し、大半の従業員が自宅から高い生産性で勤務できるようにするとともに、現在のお客様に焦点を合わせ続け、新規のお客様も獲得できるようにしました。
財務的柔軟性を確保するために、従業員採用のペースを落とし、裁量支出を減らしたことに加え、イベントを現地で開催するのではなくバーチャルで開催して出張費を抑えるなどの方法で自然に省コストとなりました。
SAPはお客様とパートナーのために継続性を確保することに重点を置いており、SAPのデータセンターはオンラインで適切なバックアッププランを備えています。また、SAPはオンサイトで勤務する必要がある少数の従業員の安全性も重視しています。
SAPは、お客様や幅広いビジネスコミュニティが直面しているさまざまな問題に対処するためのソリューションも提供しています。
- SAPはQualtricsリモートワークパルスへの無償アクセスを提供しており、企業が従業員の様子を確認し、新しい作業環境に対応する中で従業員にどのようなサポートが必要か把握できるようにしています。
- グローバルサプライチェーンに影響するような大規模な断絶に対処するため、SAPはSAP® Ariba® Discoveryへの無償アクセスを開放し、バイヤーが目下の調達ニーズを投稿してサプライヤーがそれに応えられるようにしています。この提供が始まって以降、バイヤーの投稿が50%以上増えています。特に重大だった事例の1つは、臨時病院向けのベッドの調達でした。
- SAPは広大なエコシステムを活用して、すべてのパートナーに自社で提供している無料やオープンのソリューションについてSAP Communityに投稿してもらうことで、企業をサポートし、COVID-19との闘いに関連した世界的な困難に対処できるように支援しています。
- SAPは、スタンフォード大学の研究活動にサーバー能力を無償提供しているHPI Future SOC Labsのパートナーおよびスポンサーです。この取り組みでは、ワクチンの開発に役立つ可能性のあるタンパク質の動きとフォールディングをシミュレーションしています。
COVID-19のパンデミックが続く期間とその激しさが見通せないため、SAPは現在の対応や今後行う可能性のある対応がCOVID-19によるビジネスや業績への影響を軽減するのに効果的かどうか予測することは不可能です。
2020年度第1四半期のセグメント別業績
SAPは最近行った組織変更を反映するようにセグメント構造を更新しました。4つの報告セグメントである「Applications, Technology & Support」、「Concur」、「Qualtrics」、および「Services」の業績は以下に示すとおりです。
Applications, Technology & Services(AT&S)
第1四半期のAT&Sセグメントの売上は、前年同期比5%増の49億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで3%増でした。この増加に寄与したソリューションについて以下に説明します。
SAP S/4HANA®
SAP S/4HANAは、SAPのリアルタイムのインメモリープラットフォームSAP HANA®を基盤とする統合型インテリジェントERPシステムです。26業種において実証済みベストプラクティスで各業界固有の要件に対応し、市場の進化に合わせて新しいビジネスモデルを実現します。AIとロボティック・プロセス・オートメーションがサポートするインテリジェントな自動化により、ビジネスプロセスを刷新します。組込分析、会話型インターフェース、デジタルアシスタントを活用した的確かつ迅速な意思決定を支援します。SAPはクラウド、オンプレミス、ハイブリッドの導入オプションを提供し、お客様がそれぞれに適したシナリオや組み合わせを選択できるようにしています。どの導入オプションも同一のデータモデル上に構築されており、一貫したユーザーエクスペリエンスを提供します。
第1四半期にSAP S/4HANAのお客様は約300社増加し、採用したお客様の総数は約14,100社となり前年同期比23%増となりました。そのうち6,700社以上が本稼動させています。第1四半期に新たにSAP S/4HANAを契約したお客様のうちの45%以上が純新規顧客です。
第1四半期には、Danone社、Dehner Holding社、AO Tander社、Indorama Ventures社、Cogna Educação社など世界トップクラスの企業のお客様に、SAP S/4HANAを選択いただきました。Korea Southern Power社、Bristol-Myers Squibb社、PVH Corp社、Antaグループは最近、SAP S/4HANAの本稼動を開始しました。企業規模を問わず、SAP S/4HANAの一部または全体をクラウドで運用する企業のお客様が急速に増加しており、Sun Life Financial社、株式会社日立ハイテクなどはその例です。MTU Rolls Royce社は現在、SAP S/4HANA Cloudを本稼動させています。
ヒューマン・エクスペリエンス・マネージメント(HXM)
SAP® SuccessFactors® Human Experience Management(HXM)Suiteはコア人事・給与計算、タレントマネージメント、従業員エクスペリエンス管理、および人事アナリティクス向けのソリューションを提供しています。拡張性の高いプラットフォームとして構築されており、複雑な国際要件に対応しています。98カ国42言語で税規制と人事ポリシーの更新を提供し、給与計算については45カ国で提供しています。
HXMは働き方、モチベーションの向上などを含め、従業員が必要とするすべてのものを踏まえて設計されています。人事責任者がビジネスの成長を促進できるようになります。
SAP SuccessFactors HXMソリューションはQualtricsのソリューションを利用しているため、従業員からのインサイトを集めて、それをオペレーション(業務)データと結び付け、起こっていることとその理由を把握して行動を起こすことができます。HXMのソリューションは、2019年5月の発表以来、550社を超えるお客様に採用いただいています。
JXTGホールディングス株式会社、Chobani社、Volaris社、Hyundai Motor Europe社はSAPをお選びいただいた数多くの会社の一例です。
アルゼンチンで最も重要な民間銀行であるBanco Galiciaは、SAPの革新的なクラウドソリューションを利用して、成長戦略を推し進めて変革しています。300万人以上の顧客を持つこの銀行はSAP® SuccessFactors®とQualtricsを購入し、6,000人以上の従業員のエクスペリエンスを向上させています。
Nexa社は今四半期にSAP SuccessFactorsの本稼動を開始しました。
SAP® Customer Experience
SAP Customer Experience(CX)はコマース、サービス、マーケティング、セールス、カスタマーデータの先進ソリューションが組み合わされたソリューションで、これを利用すれば、企業は顧客の全体像に基づき、あらゆるタッチポイントとチャネルにわたってパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを管理して提供できます。インテリジェントエンタープライズの一環としてSAP CXをSAP S/4HANAと統合すると、需要の兆候からフルフィルメントまでを1つのエンド・ツー・エンド・プロセスにまとめることができます。
SAP CXのソリューションでQualtricsカスタマー・エクスペリエンス・マネージメントを利用して、顧客の要望やニーズを理解することもできます。企業は顧客からのフィードバックとオペレーションデータを組み合わせ、顧客の声に耳を傾けて理解し、即座に行動してカスタマーエクスペリエンスを改善できます。
Smartsheet社はSAP Customer Experienceソリューションをお選びいただいた数多くの企業の1つです。また、Mindray社とKennametal社は第1四半期に本稼動を開始しました。
ビジネス・テクノロジー・プラットフォーム
SAPのビジネス・テクノロジー・プラットフォームは、お客様が自社データからビジネス価値を引き出すのに役立ちます。このプラットフォームには、データベースとデータ管理、アプリケーション開発とインテグレーション、アナリティクス、およびインテリジェントテクノロジーが含まれています。ビジネス・テクノロジー・プラットフォームでは、
SAP HANA®、SAP® Cloud Platform、SAP® Data Warehouse Cloud、SAP® Analytics Cloud、SAP® Data Intelligence、SAP® Intelligent Robotic Process AutomationなどのSAPの先進テクノロジーが1つのリファレンスアーキテクチャーとして構成されています。お客様のクラウド、オンプレミス、ハイブリッド環境のすべてに対応します。加えて、ビジネス・テクノロジー・プラットフォームはハイパースケーラーのテクノロジーとのシームレスな相互運用性を備えており、高いレベルの拡張可能性と柔軟性が確保されます。ビジネス・テクノロジー・プラットフォームを導入すると、SAPのデータ、SAPのテクノロジー、およびSAPの事前設定済みのビジネスサービスにアクセスしやすくなり、ソリューション環境全体にわたってビジネス価値を簡単に生み出せるようになります。
Trident Group社にSAPのビジネス・テクノロジー・プラットフォームとアナリティクス・クラウド・ソリューションを選択いただきました。横河電機株式会社にSAP HANAを選択いただきました。Mercedes-Benz Brazil社は第1四半期に本稼動を開始しました。
AribaおよびFieldglass
SAP® Ariba®は調達、注文から、請求、支払までのコラボレーティブコマース機能と専門知識を提供し、お客様が支出を最適化できるように支援します。何百万ものバイヤーとサプライヤーが直接費と間接費両方のカテゴリーでシンプルかつインテリジェントにやり取りできる場です。SAP AribaプラットフォームにはQualtricsが組み込まれているため、エクスペリエンスが向上し、バイヤーとサプライヤーがネットワーク上で継続的にフィードバックをやり取りできるようになります。
SAP AribaとSAP Fieldglass®は、SAP® Concur®とともに、SAPのインテリジェント支出プラットフォームを構成しています。このプラットフォームは、180カ国以上で行われるグローバルな商取引額が年間3兆7,000億ドル以上におよぶ世界最大のコマースプラットフォームです。
第1四半期に、SAP Aribaはガートナー社の「Magic Quadrant for Contract Life Cycle Management(契約ライフサイクル管理分野のマジッククアドラント)」でビジョナリーに認定されました。Mabe社、Helaba社、Vestas Wind Systems社が第1四半期にSAP Aribaソリューションを選択し、Furukawa Electric LatAm S.A.社が本稼動を開始しました。
SAP Fieldglassは外部人材管理とサービス調達の分野のリーダーです。企業が派遣社員やコンサルタント、フリーランスなどあらゆるタイプの柔軟な人材を検索、採用、管理できるよう支援します。SAP Fieldglassソリューションはお客様と活動中の約680万人の外部作業者をつなげます。第1四半期には株式会社日立システムズにSAP Fieldglassソリューションを選択いただきました。
Concur
第1四半期のConcurセグメントの売上は、前年同期比14%増の4億2,800万ユーロ、固定通貨換算ベースで11%増でした。
Concurは出張管理、経費管理、請求書管理の統合ソリューションを提供し、時間のかかるこれら毎日のプロセスをシンプルにして自動化します。SAP Concurモバイルアプリはすべての出張で従業員をナビゲートします。費用は手間いらずで経費精算レポートに入力され、請求書の承認は自動化されています。ほぼリアルタイムのデータを統合し、AIを使用してすべてのトランザクションを監査することで、出張費を効率的に確認して管理できます。
Marzam社とGeneral Motors社は第1四半期にSAP Concurソリューションを選択した企業の一例です。
Qualtrics
第1四半期のQualtricsセグメントの売上は、前年同期比82%増の1億6,100万ユーロ、固定通貨換算ベースで76%増でした。
SAPはQualtricsで、エクスペリエンスマネージメント(XM)分野の市場リーダーシップと、26業種でのエンド・ツー・エンドの業務力を結合しました。その目的は、企業が、顧客、従業員、製品、ブランドというビジネスの4つのコアエクスペリエンスを管理および改善できるように支援することです。Chalhoub Group社は、SAP SuccessFactors Qualtricsプラットフォームをご利用中の数多くのお客様の1つです。
Qualtrics XM™ Platformは、11,600社を超える顧客企業から信頼されています。企業は、エクスペリエンスデータ(X-data™)をエンタープライズのオペレーションデータ(O-data™)システムと結合することにより、X-dataから顧客の声に耳を傾け、理解し、それに対応することができます。
第1四半期には、株式会社LIXIL、Sainsbury’s Supermarkets社、Mars社、Energia社、Impossible Foods社など多数の企業のお客様に、記録するためのシステムを行動するための新しいシステムに発展させ画期的な成果を収めることを目的として、Qualtricsを選択いただきました。
サービス
第1四半期のサービスのセグメントの売上は、前年同期比5%増の8億5,100万ユーロ、固定通貨換算ベースで4%増でした。
SAPは、SAPソリューションとイノベーションに関する深い知識を持つサービスプロフェッショナルで構成されるグローバルチームを配備し、企業が価値創出を推進してインテリジェントエンタープライズになれるように支援しています。
サービスの組織は、以下を通じて企業のデジタル変革をシンプルにして加速させます。
- 包括的なデジタルトランスフォーメーションへと導く成果重視型のサービスと事前対応型のサポート
- 提供とサポートを自動化するインテリジェントツール
- 優れた業界プラクティスとプロセスに基づいてパッケージ化された参照ソリューションが含まれるSAP Model Companyテンプレート
- あらゆる環境で成功を促進できる大手システムインテグレーターとの価値あるパートナーシップ
2020年第1四半期の地域別業績
欧州・中東・アフリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで7%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで6%増となり、堅調な業績を達成しました。クラウド売上はIFRSベースで35%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで34%増となり、ドイツとオランダで特に顕著でした。フランス、イタリア、スイスでは、ソフトウェアライセンス売上が好調な四半期でした。
南北中央アメリカ地域は、堅調な業績を達成しました。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで10%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは7%増でした。クラウド売上はIFRSベースで27%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで21%増となり、カナダとブラジルで特に顕著でした。また、メキシコとブラジルではソフトウェアライセンス売上が好調な四半期でした。
アジア太平洋および日本地域では、COVID-19の初期のアウトブレイクが発生したことを考えると堅調な四半期でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで1%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは横ばいでした。クラウド売上はIFRSベースで25%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで24%増となり、日本と韓国で特に顕著でした。ソフトウェアライセンス売上については、日本とオーストラリアで堅調な四半期となりました。
2020年度の見通し
SAPは、2020年4月8日の事前発表で公表した修正後の見通しのとおり、次の見通しを立てています。
- Non-IFRSベースのクラウド売上は、固定通貨換算ベースで18%~24%増の83億ユーロ~87億ユーロの見込みです(2019年=70億1,000万ユーロ)。1月28日に発表した当初の範囲は87億ユーロ~90億ユーロでした。
- Non-IFRSベースのクラウドおよびソフトウェア売上は、固定通貨換算ベースで1%~4%増の234億ユーロ~240億ユーロの見込みです(2019年=230億9,000万ユーロ)。1月28日に発表した当初の範囲は247億ユーロ~251億ユーロでした。
- Non-IFRSベースの総売上は、固定通貨換算ベースで1%~3%増の278億ユーロ~285億ユーロの見込みです(2019年=276億3,000万ユーロ)。1月28日に発表した当初の範囲は292億ユーロ~297億ユーロでした。
- Non-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで1%減~6%増の81億ユーロ~87億ユーロの見込みです(2019年=82億1,000万ユーロ)。1月28日に発表した当初の範囲は89億ユーロ~93億ユーロでした。
- 予測可能性の高い売上の比率は約72%に達する見込みです。1月28日に発表した当初の比率は約70%でした。
COVID-19の影響と修正後の営業利益の見通しを踏まえて、SAPは2020年のキャッシュフローの見通しを見直し、営業キャッシュフローは約50億ユーロ(以前は約60億ユーロ)、フリーキャッシュフローは約35億ユーロ(以前は45億ユーロ)と見込んでいます。
修正後の見通しでは、COVID-19により生じる困難な需要状況が第2四半期末にかけて悪化し、第3四半期と第4四半期にロックダウンが終了して経済が再開するうちに徐々に回復すると想定しています。
SAPの2020年通年の見通しは、固定通貨換算ベースですが、実通貨ベースで報告される数値については、為替レートの変動による影響を今後も年間を通して受ける見込みです。第2四半期および2020年度の為替の影響の見込みについてはオリジナル資料にある表を参照してください。
2023年度目標
SAPは2019年度統合報告書で公開した2023年の目標を確定しました。
追加情報
今四半期の決算発表、および、そこに含まれるすべての情報は未監査のものです。
2019年第1四半期の比較数値には、Qualtrics社の売上および利益が買収日である1月23日以降分のみ含まれます。
主要な成長指標の定義
進行中のクラウドのバックログとは、特定の基準日時点から12カ月間で見込まれる、契約で約束されたクラウド売上です。この指標はIFRS 15.120に従った全体の残存履行義務の構成要素です。進行中のクラウドのバックログは、確約された案件のみを考慮しています。事前の確約のない利用ベースのモデルと、基準日以降に成約した確約された案件は除外しているため、この指標は今後12カ月で見込まれるクラウド売上の下限と見なすことができます。また、まだ契約更新されておらず今後12カ月で終了する契約も除外されます。この指標は成約した新規契約と既存契約の更新の両方を反映しているため、SAPが注力するクラウドビジネスにおいては、ある期間にわたって進行中のクラウドのバックログの拡大が見られた場合、市場投入が成功していることを示す貴重な指標になると考えます。
予測可能性の高い売上の比率とは、総売上に占める、Non-IFRSベースのクラウド売上とNon-IFRSベースのソフトウェアサポート売上の合計の割合です。
グローバルな商取引額は、直近の12カ月間にSAP Ariba、SAP Concur、SAP Fieldglassのネットワーク上で行われた取引額の合計です。SAP Aribaの取引額には、調達とソーシングの支出が含まれます。
その他の主要な成長指標の説明については、SAPの2019年度統合報告書の業績管理のセクションをご覧ください(www.sapintegratedreport.comからアクセスできます)。
以上
SAPについて
SAPはインテリジェントエンタープライズを基盤とするエクスペリエンス企業として、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアの市場をリードし、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えています。世界中の商取引売上の77%は何らかのSAPシステムを使用しており、SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術は、企業のビジネスを「インテリジェントエンタープライズ」に変革していくことに寄与しています。SAPは、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、44万以上の企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com )
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